2026年7月27日 過去24時間の市場動向と経済ニュース
今日のポイント
戦争リスクは消えたのではなく、原油から金利・決算・政策へ姿を変えています。 米・イランの攻撃停止で目先の緊張は和らいだ一方、紅海とホルムズ海峡では供給障害の火種が残っています。週明けは地政学ニュースだけでなく、FOMCと巨大テック決算が金利・AI投資・リスク資産の方向を決める局面です。したがって今日は、単純な「停戦によるリスクオン」ではなく、リスクプレミアムの移動を軸に市場を見るのが適切です。
過去24時間のビットコイン
ビットコインは64,793ドルへ反発 地政学緩和と企業買い観測が下支え
ビットコインはご提示の最新値で64,793.27ドルとなり、過去24時間では0.79%上昇しました。米国が対イラン攻撃を停止し、イラン側も米国が攻撃しない限り反撃を控える姿勢を示したことで、リスク回避がやや後退したことが支援材料になったと考えられます。Strategyのマイケル・セイラー氏が新たな取引を示唆する投稿を行ったことも買い材料として意識されましたが、現時点で同社は購入を正式発表しておらず、過去4週間は追加取得がありません。ホルムズ海峡の機雷事故や紅海での攻撃、FOMC、米暗号資産法案の審議期限が控えているため、上昇は強いトレンド形成というよりイベント前の小幅な買い戻しとみるべきです。次は65,000ドル台への定着、Strategyの月曜日の開示、米金利と原油価格の反応を確認する局面です。
過去24時間の重要な経済・金融ニュース
米・イランが攻撃停止、原油市場は「停戦」より供給障害を警戒
米国は13夜にわたった対イラン空爆を停止し、イラン側も米国の攻撃が再開されない限り反撃を控える方針を示しました。トランプ政権は外交交渉のための時間を与える措置と説明しており、短期的には原油と株式市場の地政学リスクプレミアムを低下させる材料です。ただし、イラン側は今回の停止を恒久的な方針転換ではなく戦術的な休止とみており、正式な停戦合意には至っていません。同時に、フーシ派がサウジアラビアの紅海側にある二つの石油施設を攻撃し、サウジ支援勢力が報復攻撃を実施しました。ホルムズ海峡でもタンカーが機雷に接触して爆発したと報じられ、戦闘の重心が湾岸から紅海や海上輸送路へ移る可能性があります。影響を受けやすいのは原油、海運、航空、損害保険、湾岸株、インフレ連動債であり、単純な原油売りには慎重さが必要です。今後は米・イラン協議の開始だけでなく、船舶通航量、保険料、紅海側施設への追加攻撃を確認すべきです。
FOMCと巨大テック決算が集中、AI投資は「規模」から回収力の審査へ
7月28~29日のFOMCと、Microsoft、Meta、Apple、Amazonなど巨大テック企業の決算が同じ週に集中します。Microsoftは29日、Appleは30日に決算を予定しており、米国株の方向を左右するイベントが数日間に凝縮されます。今回の焦点は売上高や1株利益の上振れだけではなく、AIデータセンター投資に見合うクラウド収入、利益率、フリーキャッシュフローを確保できているかです。前週はAlphabetが好決算を発表しながらAI関連支出の増額を嫌気されており、市場は「投資額が大きいほど強気」という評価から離れ始めています。FOMCでは政策金利の据え置きが中心シナリオですが、原油高とAIインフラ投資によるインフレ圧力をどの程度警戒するかが重要になります。影響はNASDAQや半導体株だけでなく、米国債、ドル、電力・データセンター関連株、金利に敏感なBTCにも波及します。投資家はAI設備投資計画、クラウド成長率、利益率、そしてFRBが今後の利上げ余地を残すかをセットで確認すべきです。
Sheinが四半期赤字、関税コストが事業モデルとIPO評価を直撃
香港上場を準備するSheinは、2026年第1四半期に9,900万ドルの赤字を計上し、前年同期の3億9,500万ドルの黒字から急速に悪化しました。米国が少額輸入品への関税免除制度を廃止した影響で、米国売上高は前年同期比14.3%減の20億4,000万ドルとなりました。3億2,800万ドルの優先株評価損も赤字の一因ですが、営業利益率も3.9%から2.9%へ低下しており、事業面の圧迫も明確です。EUも今月、低価格の電子商取引輸入品に1件3ユーロの手数料を導入し、米国で発生した需要減少が欧州でも再現される可能性があります。Sheinは2022年に約1,000億ドルと評価されましたが、今回のIPOでは400億~500億ドル程度の評価を求めていると報じられています。このニュースは、関税問題が政治的な発言や指数への懸念ではなく、企業の売上高、価格設定、利益率、IPO評価へ具体的に表れ始めた事例として重要です。今後はTemuなど越境EC、航空貨物、デジタル広告、低価格小売りへの波及と、Sheinの値上げ後の注文減少率を確認する必要があります。
米暗号資産法案、夏季休会まで残り2週間 倫理条項が最後の関門
米上院では、暗号資産市場の規制枠組みを定めるCLARITY法案を8月7日の夏季休会前に成立させられるかが焦点になっています。業界関係者によると、正式審議を開始する動議が7月27日または28日に提出され、来週後半に採決へ進む可能性があります。最初の動議で60票を確保できれば成立の可能性は残りますが、7月30日頃までに倫理規定を巡る合意が必要とみられています。争点は暗号資産の技術的な分類だけでなく、トランプ大統領と関連事業の利益相反をどのように規制・執行するかです。民主党側には司法省による執行の実効性を疑問視する声があり、一部共和党議員も現行案に懸念を示しています。法案の成否はCoinbase、Robinhood、ステーブルコイン、DeFi関連企業に加え、米国への機関投資家資金流入やBTCの中期評価にも影響します。今週は最終採決の予想よりも、審議開始動議の提出、60票の確保、倫理条項の文言変更を順番に追うのが有効です。
