2026年6月2日 過去24時間の市場動向と経済ニュース
過去24時間のマーケット動向
S&P 500:7,599.96(+0.26%)
S&P 500は19.90ポイント上昇し、7,599.96で過去最高値を更新しました。中東情勢の緊張再燃で原油価格が上昇し、金利にも上昇圧力がかかりましたが、NVIDIAを中心とするAI関連株とエネルギー株の上昇が指数を支えました。もっとも、上昇した業種は情報技術とエネルギーにほぼ限られており、指数の強さに比べると市場の裾野は広くありません。
NASDAQ:27,086.81(+0.42%)
NASDAQ総合指数は114.19ポイント上昇し、27,086.81で最高値を更新しました。NVIDIAが新たなAIパソコン向け半導体を発表し、Microsoftとの協業によるパソコン市場の再構築への期待が強まりました。ソフトウェア株にも買い戻しが入り、ServiceNowやIBMなどが大幅に上昇しました。一方、半導体株の中でも明暗は分かれており、指数全体としてはAI関連銘柄への依存度が高い状態です。
米国10年債利回り:4.4750%(+0.49%)
米国10年債利回りは4.4750%へ上昇しました。米国とイランの交渉停止が報じられ、原油高が長期化すればインフレ圧力が強まるとの警戒が債券売りにつながりました。米製造業指数が予想を上回ったことも、景気の底堅さと金利高止まりを意識させる材料です。株式市場はAI関連株で上昇していますが、10年債利回りが再び4.5%に接近している点には注意が必要です。
ビットコイン:71,539.39ドル(-2.83%)
ビットコインは71,539.39ドルまで下落しました。米国株が最高値を更新する一方、暗号資産市場では現物ETFからの資金流出が続いており、株式市場とのデカップリングが目立っています。Strategyが優先株配当の原資確保を目的として32BTCを売却したことも、金額自体は小さいものの心理的な重しとなりました。中東情勢と原油高を背景に、ビットコインは安全資産ではなくリスク資産として売られやすい局面が続いています。
過去24時間の重要経済・金融ニュース
米・イラン交渉が再び停滞、原油急騰 中東情勢がインフレ懸念を再燃
米国とイランの停戦交渉は、イスラエルによるレバノン攻撃を受けて再び停滞しました。イランは米国との間接交渉を停止し、米国とイランの間では新たな攻撃の応酬も発生しています。原油価格は一時8%近く上昇し、1バレル97ドル台へ急伸しました。トランプ大統領はイスラエルとヒズボラが停戦で合意したと表明しましたが、イランとの包括的な合意には至っていません。市場が最も注視しているのは、ホルムズ海峡の通航正常化が実現するかどうかです。通航制約が長引けば、エネルギー価格だけでなく、物流費や製造業の調達コストにも影響が広がります。利下げ期待の後退を通じて、株式市場にも遅れて影響が及ぶ可能性があります。
米製造業PMIは54.0に上昇、4年ぶり高水準 供給不安で在庫積み増し
米供給管理協会が発表した5月の製造業PMIは54.0となり、4月の52.7から上昇しました。市場予想を上回り、米製造業の活動は約4年ぶりの高水準に達しました。ただし、需要の自然回復だけでなく、中東情勢による供給途絶を警戒した前倒し発注や在庫積み増しも指数を押し上げています。アルミニウム、半導体、鉄鋼などでは供給不足が続き、軽油価格や関税負担の上昇を指摘する企業も増えました。製造業の雇用指数は引き続き縮小圏にあり、景気の全面的な加速と評価するには慎重さが必要です。短期的には景気後退懸念を和らげる一方、インフレ懸念を残す内容です。FRBにとっては利下げを急ぎにくい状況が続きます。
NVIDIA、AIパソコン向け新型半導体を発表 クラウド中心の競争が端末へ拡大
NVIDIAは、AI機能をパソコン本体で処理する新型半導体を発表しました。新製品はMediaTekと共同開発した「RTX Spark」で、HP、Dell、Lenovo、ASUS、Microsoftなどが搭載機種を投入する予定です。従来の生成AIはクラウド上のデータセンターに依存する比重が大きいものでしたが、新型半導体はチャットボットやAIエージェントを端末上で動かす方向を強めます。Microsoftとの協業もあり、パソコンの買い替え需要を刺激する可能性があります。NVIDIA株は6.3%上昇し、Microsoft株も2.3%上昇しました。ただし、AIパソコンの需要はメーカーごとに評価が分かれており、Dellは期待ほどの需要増が見られないと指摘しています。データセンター向けAI投資に続く新たな成長領域となるかが焦点です。
AnthropicがIPOを申請、AI企業の大型上場競争が本格化
生成AI企業Anthropicは、米証券取引委員会に新規株式公開のための書類を非公開で提出しました。同社はClaudeシリーズを展開しており、直近の資金調達では約9,000億ドル規模の企業価値が付いたと報じられています。上場時には評価額が1兆ドルを超える可能性もあり、AI企業として異例の大型IPOとなります。OpenAIもIPO準備を進め、SpaceXも大型上場を控えているため、投資家の資金吸収力が試される局面です。AI関連株への買いが続く中、非上場企業の成長期待も公開市場へ流入し始めています。一方、巨額の計算資源投資を続けるAI企業が、いつ安定的な利益やキャッシュフローを確保できるかは未確定です。AI相場の持続性を測る上で、Anthropicの財務開示と上場後の評価が重要になります。
