恐慌特集

【 強まる追加給付金の声 】緊急事態宣言で200万円の生活困窮者支援

緊急事態宣言延長決定

2月2日、菅首相は10都府県に2月7日までとしていた緊急事態宣言を3月7日まで延長することを正式発表しました。対象となる都府県は以下の通り

・東京都
・神奈川県
・埼玉県
・千葉県
・愛知県
・岐阜県
・大阪府
・京都府
・兵庫県
・福岡県

栃木県は、状況が改善されたため本来の予定通り2月7日で解除されます。10都府県に関しては、病床のひっ迫度などが4段階の感染状況で最も深刻な「ステージ4」にあり、これが改善された場合には3月7日の期限を待たずに終了する可能性もあると発表しています。

緊急事態宣言の影響は

分科会では元々2月7日までではなく、2ヶ月というスパンで見ていたとの論文も出ており、その代わりに他国と比べて「緩い」緊急事態宣言とするということとなっています。現に今回の緊急事態宣言で影響を受けているのは、それほどのものではなく、特定の業種に偏っています。

・飲食店の時短要請、酒類19時まで営業20時まで
・出勤をテレワークで7割削減
・イベント上限最大5,000人、収容率50%まで
・20時以降の外出自粛要請、日中も不要不急の外出を控え、県をまたぐ外出は控える
・GoToトラベル一時停止
・外国人の新規入国原則禁止

人によっては、どこが緊急事態宣言なの?という感じを受けていると思いますが、「アナウンス効果」としてはある程度あると見られています。ただ感染者数が減少傾向にあるのは、季節的要因もあると思われますが、変異株も日本で感染者が出ていますので、ゆるく経済を回しながらという考え方が見え隠れしています。

打撃を受ける飲食店

今回、大きく打撃を受けたのが飲食店とその関連事業ですが、時短要請に従ったお店には1日6万円の協力金が支給されています。数名しか入らない立ち飲み屋の店主によると「こんなこといったらあれですが、大きな黒字で過去にない利益」と話されています。

一方で厳しい状況下にあるのが、大手店舗です。一律6万円は継続が厳しいお店がある反面、一方で従った方が普段の利益よりも大きくなるところもあり、これには粗利補償をするべきとの声もあります。ただ持続化給付金のような対策を行うと必ず悪い考えをする人が出てきて、結局はそこに手を取られることとなります。

協力金の額がふさわしいかは抜きにして、一律の方が合理的であるということのようです。このようなことから、延長で悲鳴を上げているお店、言い方は悪いですが喜んで従うお店と分かれています。栃木県は対象外となりますが、正直複雑な心境のお店も多いのではないでしょうか。

生活困窮者に最大200万円支援

菅首相は、緊急事態宣言の延長と同時に、目玉として持ってきたのが、生活困窮者支援として、生活福祉資金の特例貸付の再拡充です。生活福祉資金の特例貸付とは、緊急小口資金と総合支援資金の特別な貸付のことで、新型コロナ禍以降、制度拡充は続いています。

ただこれは、あくまでも「貸付」です。時短要請に従った店舗には、協力金を支払いますが、生活困窮者に対してはあくまでも貸付のスタンスは変わりません。

緊急小口資金の対象者
・新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、休業等による収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯。⇒ 貸付上限額20万円以内

総合支援資金の対象者
・新型コロナウイルスの影響を受けて、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯。⇒ 貸付上限額は(二人以上世帯)月20万円以内(単身世帯)月15万円以内

貸付期間は原則3ヶ月以内ですが、特別に延長、今回の変化は月20万円を9ヶ月間貸付可能であるというところです。

失業や休業対象という感じになっていますが、生活を維持するための融資ですので、収入があっても減収が証明できれば対象となるようです。無利子ですし、返済時に「住民税非課税世帯」の場合、償還免除ですので、世帯によっては事実上200万円が支給に切り替わる場合があります。

こればかりは先のことは分かりませんが、支援を受ける側としては頭に入れておくことが大切です。自身の住む社会福祉協議会に連絡し、流れにそって申請を行うことで貸付は行われますが、混乱する可能性もありますので、もし考えられている方は、早めに行動することがオススメです。

借金でなく給付金の声強まる

貸付は、無利子とはいえあくまでも借金です。借金をする習慣のない人にとっては敷居が高く、プライドが邪魔する人もいるでしょう。

菅首相は、以前「最悪生活保護がある」などという発言をし物議を醸しましたが、生活保護は極端な選択肢ですし、何よりも現在の新型コロナは有事。有事に対してなんとかするのが政府です。特別定額給付金は、一度きりしか給付されていません。

中国では旧正月の大移動をさせるために呼びかけだけでなく、給付をデジタル人民元等で行なっています。困窮者に回してくれという声もありますが、これも前述した協力金同様、区別がむずかしいです。国民一律で給付を受け、それが消費に回り、経済が向上させるという狙いも個人的には、ありだと思うのですが、このままではGDP(国内総生産)の落ち込みの厳しさは避けられないと考えられます。

給付金を求める声は、毎日のようにTwitterでは、デモ化されています。これを見ている政治家も多いでしょう。支持率が急降下している菅政権が、緊急事態宣言延長でどう考えているのか注目したいところです。

ABOUT ME
Hatanaka
投資歴16年。過去には様々な投資案件を行ってきており、為替FX、暗号資産(仮想通貨)分野に精通しており、現在は、トレーダー講師としても活躍中。