人生

起業心得③

23歳 即座に訪れる躓き

中古CDの仕入先は見つかりましたが、決して安定的な仕入先とは残念ながらなりませんでした。それは先方の店舗でも、商品があれば売れる状態ですので、重複したCD以外は自店舗で販売したいため、こちらの欲しい商品が全て手に入れられるわけではありませんでした。初期に仕入れたものは直ぐに売れてしまい、店頭での買取は相変わらず伸びない中で、それは本当に偶然のラッキーな出来事が起こりました。

美容室のお客様からの紹介でレンタル店閉店を買取する

美容院のお客様の実家が隣町の電気屋で以前レンタルCDも行っていて、その引取先を探しているというのです。早速紹介してもらい、先方に伺ったところ、殆どまっさらな状態のCDが約1,000枚、店舗の隅の棚に並んでいたのです。殆どレンタルすることもなかったそうです。買値は幾らでも良いからと言う話になり、本当に良い条件で引取させてもらいました。そしてこのCDをクリーニングして店頭に並べたところ、当然のことですが、売上は一気に上昇したのです。

棚もいらないということで、ほぼ新品に近いCDの展示棚も全て頂きました。買えば総額で100万円以上するものです。これが無料で手に入ったわけです。手作りのカラーボックス棚を全て入れ替え、お店の見栄えもかなりかわりました。

ある人にとってはゴミであっても、別の人からすれば大きな価値となる。リサイクル・リユースビジネスの妙味をこのとき大きく感じることができました。そしてここからが次のステップです。

起業心得6:困難を楽しむ余裕を持つ

起業すれば、困難は日々やってくるといっても過言ではありません。ひとつの困難を乗り越えても、直ぐに次の困難がやってきます。毎日苦労の連続ですが、その苦労を自らのチカラで乗り越えるからこそ、独自のノウハウがどんどん出来上がり、ビジネスが強固になっていきます。困難を楽しむ余裕をもってビジネスに取り組むことが成功の秘訣なのです。

24歳 初めて行う電話営業とFAXDM

お店の売上が安定する中、当時は美容室も同時に経営していました。CDショップはスタッフに任せていましたので、普段昼は美容室にいて、美容室が終わると、隣町まで車で行き、閉店の締めを確認していました。まとまった次の商品も必要ということになり、いよいよ県内のCDレンタル店への営業を開始していくことになります。

イエローページをみると、静岡県内には当時108店舗のCDレンタル店が登録されていました。そもそも営業ということを一切行ったこともありませんでしたが、当時は何処も電話とFAXが切替のところが多かったため、FAXを使ったDMを108箇所に流すことを行ったのです。

美容室の奥の休憩所が当時の自分にとってはオフィス代わりです。そこにあるFAXを使い、108店舗に順番にDMを送りました。届かないところもありましたが、ほとんどのお店には届きましたし、当時はFAXDMを送っても迷惑メールとして怒られるようなこともまだなかったのです。

FAX DMが大成功

そして驚くべき事が起こりました。なんと10店舗の店から、一部、全部のCDを処分したいと連絡を頂いたのです。自分のCDショップで欲しいと思っていたのはせいぜい1店舗分でしたので、残りが余ってしまします。

“ 買うって言ったのは嘘? ”  断ればそのように言われてしまいます。

悩み抜いたあとにどうしたのか? 名古屋のCD卸の社長に連絡を入れたのです。そしてシンプルに、最高にありがたい返答を頂きました。 “ 全部買うから持ってきて! 今はやめるお店も多いけど、大型複合店はどんどん出店しているから、初期の開店用のCDは新品で揃えれば高いから、中古を欲しがるところが多いから、閉店物件は大歓迎だから。 ”

自店舗用に1店舗分の閉店物件の在庫、そして幾つかの店の余剰在庫を手元におき、残りの閉店物件に関しては、1店舗ずつ買取をし、店舗からCDを引き上げて、そのまま名古屋まで納品という日が美容院の休みの日には続きました。

中古CDを1枚2,000円で売ったとして、50枚売って10万円の売上です。しかし閉店物件は3,000枚、5,000枚、10,000枚というまとまった枚数になります。500円で10,000枚で合計500万円で購入したCDは、1枚800円〜1,200円で卸販売出来たのです。800万円〜1,200万円。平均して1,000万円とすれば、1回の取引で500万円の利益を生み出す事ができたのです。価格は品揃えとCDの状態によって変わります。魚の目利きではないですが、閉店物件の目利きが必要でしたが、当然これはどんどん肥えていくことになります。

起業心得7:トライ&ゴーを繰り返す

とにかく前に進むこと。挑戦し続けること。様々な形をトライし、上手くいかなければ次の方法をトライし、上手く行けばGO。

多くチャレンジした分だけ独自のノウハウは深くなる

これを繰り返し、どんどん儲かる形を作り上げていくのです。数を多くチャレンジした分だけ経験が積み上がり、その経験が重なることで、独自のノウハウはどんどん深くなっていき、他社が直ぐには真似できないレベルに到達できるのです。その時点で、本当の意味での “ 儲かる事業 ” がスタートするのです。

このあとは起業心得④に続けましょう。