人生

起業心得⑫

43歳〜 大きなつまずきの連続

各国での現地の大手デベロッパーが開発する不動産案件に関しては、その後、街の成長とともに上昇していくことになりました。しかし多くの投資が上手くいったのかといえばそうではありません。そこにはそれぞれ多くの問題がありました。

シェールオイル投資の失敗

アメリカのテキサスのシェールオイル・ガス案件の投資は大失敗です。

投資をするタイミングでは、円高、原油高という絶好のタイミングでしたが、そもそもがシェールオイル・ガス事業というのは、今も大手企業が軒並み破綻し、日本の大手商社も大赤字を計上したように、中小開発会社が成功を収められる事が難しい事業でした。

こちらは自社が手掛けるのではなく、開発会社を紹介する形のものでしたが、全くあての外れた投資となりました。開発会社を相手取り訴訟も行いましたが、アメリカでの訴訟ですので、無駄に時間と費用だけが積み上がることになりました。

スポーツブック・アービトラージ

香港で打ち子を使って行うスポーツブック・アービトラージへの投資も、多数の日本人投資家にクラブイッセイという会社に直接紹介する形で行っていました。投資家は月5%のリターンと、冷静に考えればありえない案件でしたが、2年程度配当を受け取り続けたあと運用元が破綻しました。

最初に投資をした投資家は2年感の配当で元本もできているはずですが、殆どの投資家は大損をしています。それはなぜかといえば?月5%の配当が毎月続くと、それが永遠に続くものだと勘違いします。周りで参加する人たちもまだまだつづけていると、まだ大丈夫だという妙な連帯的な安心感が生まれ、利益をどんどん再投資していきます。

結局のところ、お金を最大限いれた状態で破綻を迎えることになります。そう言っている自分自身もこの投資では10億円以上の損失を出すことになりました。

そしてこれがその後の大きな判断ミスにもつながっていきます。ちなみにこの案件についても日本で訴訟を起こしました。訴訟自体は勝訴したのですが、田中一成、田中慎という訴訟相手が日本国内に資産を持っていなかったため、回収は全くできず、形だけの勝訴となりました。

代表取締役を退任

スポーツブック・アービトラージの運営元の破綻。そこへの紹介の責任をとる形で代表取締役を退任し、社長をもともといる役員に任せることになりました。

基本的な事業判断は全て任せ、新たな国への事業進出も任せていきました。しかし任せた人間はサラリーマン社長で、本人には責任を全うしやり続けるという意識はなく、最後は仕事を放り投げる形で去ることになり、当時マレーシアに新たに加わっていた人間が現地の社長とグループ全体のCEOを行っていくことになりました。

タイでの大きな躓き

タイの不動産開発案件は本当に大変でした。アービトラージが破綻したタイミングで開発をスタートしようと既に土地を入手していましたが、いま冷静に考えれば、開発には着手せず、買った土地を売却し、仕切り直しをすべきでした。当時の焦りが大きな判断ミスを起こさせたのだと思います。

軍事クーデターが起こりタクシン政権が転覆し、タクシン派NO.2だった現地有力政治家の失墜しました。現地を任せた代表者の知識不足、判断ミスがありました。そして開発を行っていたパートナー企業の現地法律への理解不足により承認が遅れ、完成が大きくずれ込みました。

そして新たに任せた現地社長とパートナー企業との仲違いにより訴訟に発展しました。さらには任せた弁護士の裏切りによる会社乗っ取りが行われました。このときは内部社員の裏切り行為もありました。

様々なトラブルが続く中で物件は完成しますが、成長を期待したその街自体から、多くの日本企業が他の商業団地に移転、縮小することになり、賃貸需要が急減しました。流石に如何ともし難い状況の中で、会社として自己資金を20億円近く負担しましたが、最終的には全てを放棄し、今はタイ現地の企業にその後の運営を任せることになりました。

自分自身が全体の代表からも外れ、現地法人の1株のシェアも持たず権利は一切持たない状態の中で、本当の意味での責任者不在の状況での判断ミスの連続というのがこの結果につながったと思います。それぞれの問題にそれぞれの原因はありますが、最終責任は全てグループ全体のオーナーである自分にあります。この不動産物件では多くの参加する投資家に迷惑を掛ける事になりましたが、自分としてはできることは最大限やった上でのことでした。

責任はどこまでとるべきか?

投資は全て自己責任というのは当たり前なのですが、当時の自分はインターネットを使ったマーケティングでの販売が、あまりにも手応えが大きく、期待感をかなり煽る表現の販売サイトだった事もありましたし、全てにおいての責任は会社とそのオーナーである自分がとるべきと考えていました。

世界各国にある個人の不動産や、各案件の個人や会社で持つ権利を全て処分して、補填に回していきました。そして内装を全てゼロから作り、気に入っていたバンコクの自宅も処分し、マカオの自宅だけを残すだけにまで処理を進め、タイを離れ改めてマカオに戻ってきました。

初心に帰り再出発

マカオでは事業を大幅に縮小し、固定コストをカットするために従業員の殆どを解雇し、オフィスもマカオNO.1のオフィスビルから雑居ビルに移転しました。自宅と会社との往復は自分への戒めもあり、タクシーは使わず公共バスを利用しました。自分の給与自体、実はマカオの法人設立後殆どの時期はもらっていないのですが、改めて完全にゼロにしました。ただし普段の生活もありますので、法人カードで最低限にかかるお金は、会社の経費として使わせてもらうことになりました。

起業心得24:失敗を次に活かせるか?

今までの人生を振り返ってみると、ビジネスでも投資でも成功よりも圧倒的に失敗の数のほうが多かったと思います。重要なことは同じ失敗を繰り返さないということです。

本当は失敗せずに済めば一番なのですが、なかなかそうもいきません。失敗を恐れて石橋を叩いて渡るようでは、起業家としての成功はありません。リスクを恐れず前に進むこと。ただしリスクを最小限に抑えるための万策を行うこと。これが起業家として重要なのです。

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チャーリーTAKA
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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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