人生

起業心得⑩

37歳:海外を視野に

海外に生活拠点を移すことは、自己破産後から考えていたわけですが、37歳のときにより具体的に様々進んでいくことになります。

投資する先が海外に増えたこともありますが、日本での税負担があまりにも高すぎたため、投資活動を世界で行っていく上では日本に住み続ける意味があまりないとも考えていたのです。既に子供たち2人はイギリスに留学をしていましたし、ハワイ、バンクーバーと海外の住まいもあったのです。

非居住者になるうえでの様々な対策、税務対策も行った上で、37歳のときに香港に移住しました。投資、金融ビジネスを広げる上でも、更には日本との行き来を考えても香港が便利だったのです。自分自身にとり、香港は20歳のときに初めて海外投資を行った街でもありますし、銀行口座は既に長きに渡り持っており、使いこなしていました。

日本の資産を移動

日本では全ての事業を売却し、株式については全て日本の証券会社から出して、日本の外資系証券会社に移しました。更にはそこから外資系証券会社の香港とスイス支店に移動させました。非居住者になるうえでは銀行口座は継続して保有することはできますが、証券口座は閉じる必要があります。日本の社会保障からも外れることになりますので、香港で新たな保険契約も行いました。

準備には様々時間がかかりますので、実質的に海外移住するための時間は1年ほどかかり、その間に4度ほど香港を訪れることになり、住居も決めていきました。

当時のビジネスパートナー達とのビジネスはそこで終わったわけではなく、日本と香港と距離はありますが、継続的な関係はインターネットを使い、メールを使って行いました。既にこの時点からリモートワークを取り入れていたということなのです。

起業心得20:チャンスは世界中何処にでもある

起業のチャンスは日本だけではなく世界中にあります。ただし言葉の壁がありますので、人を雇うだけのある程度の資本を持っていない限り、いきなりの海外起業はハードルが高いです。

しかし、現地の言葉を話すことができるのであれば状況は変わります。どの国で起業するか? これからの大きな成長が見込める国に大きな可能性がありますが、様々な意味でのインフラが整わない国というのは予想外のリスクやトラブルも発生します。

いきなり起業を目指すのではなく、最初は現地の企業で働きながら、それぞれの国にある大きなチャンスを見つけていくのが正解だと感じます。

38歳:香港での起業

香港では知人に法人設立の手続きをしてもらい、香港法人とBVI法人を設立しました。そして合わせて個人とは別で法人の銀行口座を2箇所の銀行で開設しました。更に証券口座など、金融取引に必要な口座も準備しました。香港での法人は自らの投資を管理するためのプライベートカンパニーです。1年以内に香港人を採用する予定という形にし、香港のビジネスビザも取得しました。

世界の金融の中心に住む

住んでいる場所がセントラルのフォーシーズンズホテルであり、周辺には様々な金融機関や保険会社が集中していますので、そこからの人脈も広がりますし、世界中の最新の金融商品を学び、理解することもできました。そして高級腕時計の売買も行い、オークションへの出品商品を探しに、定期的にマカオの押という質屋を見て回ることもありました。

当時のマカオはロレックスやパテックフィリップなどで希少価値があるものが、安く売られていることも多かったのです。8,000ドルで買ったロレックスが28,000ドルで落札されたこともありましたし、反対に香港のオークションで13万ドル程度で購入した世界に3本しかない赤のデイトナというモデルは、2年所有後に確か23万ドル以上で売却できたと思います。このときも既に世界では資金が余っており、大量の新たな富裕層も世界中に現れ、希少価値のあるモノの資産の価格は上昇していたのです。

香港を拠点に世界中を廻る

香港に住まいを移した半年間に世界を2周し、様々な国を訪れました。基本的に本格的なビジネスを行うつもりもなく、あくまでもプライベートカンパニーの設立であり、投資だけを中心にこのあとは過ごしていくことを予定していたのです。

しかし世界を2周する中で、どんどんそれが退屈になり、どんな世界遺産を見ても感動しなくなってしまいました。

もともと旅が大好きで、世界中をバック1つで飛び回るという夢もありました。しかし実際にそれができるようになったとき、やり甲斐があってこそ、そんな生活は楽しいものであり、やり甲斐がなければ、それが退屈な日々になってしまうということも初めて理解する中で、翌年以降、再度のビジネスへの本格復活が始まります。

起業心得21:街の成長のチャンスを活かす

成長する街には当然多くのチャンスがあります。成長率が0に対して、仮に成長率が年間5だとすると、5年経ったときには25ではなく、年々複利で成長しますので27.6まで増加することになります。

成長率がゼロでなくマイナスであれば、更にこの差は大きく開くことになるわけです。これは街以外にも当然当てはまります。成長するビジネスジャンルと停滞するビジネスでも同様のことが言えるわけで、更に今の時代はインターネット、スマホが情報を瞬時に拡散させることで、爆発力は段違いに大きくなるわけです。起業家はこのポイントを上手に活かしていかなければいけませんね。