若者がゲーム感覚で投資「ロビンフッド」
コロナ禍で新たな勢力が生まれたといっても過言ではないのが、投資アプリのロビンフッド。ミレニアル世代を中心に人気を集めています。彼らはロビンフッダーと呼ばれ、米国の株価の押上げに一役買ったといわれています。システムトラブルの責任を問われ、複数の訴訟にも直面しているというネガティブな面がある反面、創業7年で企業価値が1兆円突破した勢いは否めない。
ロビンフッドが人気の理由
若者にロビンフッドが人気の理由として、『投資』に対してのむずかしさを払拭しているところが大きくあります。気軽に楽しみながら資産を増やす、このような内容となっています。
・シンプルな構成、必要最低限の情報
・手数料無料
・2015年にはAppleデザインアワードも受賞
投資は過度な情報で溢れ返っており、当然それを精査することも大切です。しかしロビンフッドはその面を飛ばし、簡単に資産が増えるというイメージを若者に植えつけたのがコロナショック後です。米国株は一気に上昇しました。S&P500、ナスダック総合指数、NYダウなど史上最高値を記録しています。ここにはロビンフッドの存在もあります。
そして、ビットコインなどの暗号資産にも影響を与えている可能性も考えられます。日本ではロビンフッドの利用の確認はありませんが、米国では証券取引所の口座開設がコロナ禍で急増しました。流れ的に、投資で資産を増やそうという意識が若い世代に根付いてきています。
スピード感のある米経済支援策
米国大統領選前から米国では追加経済支援策で共和党、民主党のズレがありなかなか決まりませんでしたが、直接給付金の額はそれぞれ変わってきます。
・単身者で年収7万5,000ドル未満、カップルで年収15万ドル未満で満額支給
・それ以上の場合は1人につき年収が100ドル増えるごとに5ドル減額
・単身者で9万9,000ドル、カップルで19万8,000ドルを超えると給付対象外
ここで重要なのが、手元になかった資金が増えることでマーケットに対して資金流入が期待されるところです。
過去の給付金が丸々暗号資産取引所に
日本では、10万円の定額給付金が支給されました。この資金は貯金に回っているという指摘を麻生大臣がしていましたが、米国で過去に給付されたお金は、丸々暗号資産取引所にその数字が確認されていることで話題になりました。
米国の給付金は米国株の押し上げ、さらにはビットコインの買いにも繋がる可能性があります。前述したロビンフッドの存在です。古くから投資をしている人は、別のマネー、巨額なマネーが動いているという認識をしておいて損はありません。
ギャンブル脳、破産に注意
ロビンフッドを利用した若者の自殺が問題となっていますが、これは冷めた言い方をしますと、いつの時代にもあります。投資と認識しているつもりでも、いつの間にか資金管理機能が麻痺してしまって手痛い損失を被ることは、長く投資をする上で誰もがクリアする必要のある壁ですが、ゲーム感覚で資産が増えてしまった人は要注意です。
ビットコインも同様ですが、少しずつ利益を出しながら投資を行い、調子に乗らずに資産を守ることを第一に考えることが重要と考えられます。しばらく米国の給付金で押し上げられる相場が待っている可能性に期待しながら、いつ大暴落が起こっても不思議ではない現状は常に理解しておきたいですね。
ロビンフッド、ビットコインなど新しい存在が爆発的に目立つと、入ってくるのが当局の規制です。米国から大きな規制が入ると一気に上昇の流れが転換することは考えられるということです。
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