お金の話

クオンツトレードの登場で個人での短期売買は勝てなくなる

90%が既にクオンツトレードに

株式市場において、従来の人間のファンドマネージャーによる取引は、もはや1割程度しかない。主流はクオンツファンドと呼ばれる高速自動取引になっている。その先にはAIファンドのマシーン投資が待ち受けている。激化する人間対マシーンの対決、その行く末はどうなるのだろう。

クオンツトレードによる成果は?

ゴールドマン・サックスは5月1日、金融当局に提出した文書で、1〜3月に同社のトレーダーが1億ドル(約107億円)以上稼いだ日が14営業日あったと明らかにした。

ボラティリティーの高い相場がトレーディング事業にとって追い風となり、1〜3月の営業日のうち85%余りでプラスを記録したという。そしてこのトレードの殆どはクオンツトレードによって稼ぎ出されたものである。

クオンツトレードとはなんなのか?

クオンツとは、Quantitative(数量的、定量的)から派生した言葉で、高度な数学的手法を用いてさまざまな市場を分析したり、さまざまな金融商品や投資戦略を分析したりすること、または、その分析をする人を指す。

過去の株価データや企業業績の推移などといった数値化できる情報を用いて分析する「定量分析(quantitative analysis)」を専門に行っている人を「クオンツ・アナリスト」という。また、分析されたデータに基づいて売買をしたりする運用手法を「クオンツトレード」という。

金融工学はコンピューターサイエンスと結びつき、ウォール街のトレードの多くを人間ではなくコンピューターが行う時代になっている。金融の世界で主役に踊り出た、トレードを行うコンピューターのアルゴリズムを構築するクオンツトレードに変わっているわけだ。クオンツは直感的な予想の代わりにアルゴリズムを用いている。そして、毎日数百万回もの取引を行っている。

2020年時点では、90%程度と予測されるクオンツトレード。2017年時点では、ウォール街で行われる株式取引の27.1%がクオンツによるものだった。2013年には13.6%だったことからも、ウォール街でのクオンツの影響力の急拡大はよくわかる。

クオンツトレードは、人間のトレーダーならばどのような行動を採るか?を予測するアルゴリズムを構築する。その目的はもちろん、人間のトレーダーを打ち負かして利益を得るためである。しかし、クオンツによるアルゴリズムが取引市場に与える影響力の大きさを懸念する声もある。

クオンツ・ショック

クオンツ・ショックは、2007年8月8日~10日に起こった、クオンツの数量モデルで従来まで有効だったファクターが突如として機能しなくなった出来事をいう。

これは、株式市場において、バリュー系指標で割安とされるものが叩き売られて更に割安となる一方で、割高とされるものが買い上げられて更に割高になるといった現象を指し、当時、マーケットに激震が走り、特にロング・ショートのヘッジファンドは壊滅的な痛手を被った。

フラッシュ・クラッシュ

フラッシュ・クラッシュとは? 株価など相場が瞬間的に急落することをいう。

ダウ工業株30種平均が2010年5月6日に数分間で9%(約1,000ドル)下落し、取引時間中に過去最大の下げ幅を記録したことからこう呼ばれるようになった。

米運用会社が出した株価指数先物への大口売り注文をきっかけとした先物価格の急落に、クオンツトレードによるアルゴリズム取引が追随して下げ幅を大きくしたとされている。クオンツトレードによる取引のリスクを明らかにした。

そしてアルゴリズムによる取引が拡大することは、数千もの失業を生むことにもつながる。2025年までに金融業界で職を失う人は数十万人との予想もあるが、新型コロナの影響での金融市場の混乱で、欧米の金融機関でのリストラは既に大胆に始まっており、日本でも人員整理は加速することになるだろう。

クオンツ・トレードは常に変化している

上昇銘柄を買うシステムトレードはもはや通用しなくなる、との懸念が高まっている。株式市場で輝く存在が少なくなっていることも背景にある。
パフォーマンスに優れる銘柄を選別買いする手法、いわゆるモメンタム戦略は、現在ならテクノロジーやヘルスケア、生活必需品など大半を米国株で構成するバスケットの買いとなるだろう。

米マイクロソフトや消費財大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、スイスの食品・飲料会社ネスレなどが著名な銘柄だ。だが新型コロナによる危機を乗り切れると見込まれる企業は減り続け、モメンタム投資に悪影響が出ると懸念するクオンツ・ストラテジストが増えている。ロングショート戦略をとる一部のファンドは最近上昇した銘柄の下落を見込むポジションを構築し始めている。

アフターコロナの時代、クオンツトレード自体も過去のアルゴリズムを相当に大きく組み替える必要もあり、投資銀行、ヘッジファンド間での優劣、運用成績が大きく開くことも予想できる。

アフターコロナ 個人が行うべき戦略は?

クオンツトレード、エキスパート・アドバイザー(EA)に対して、個人投資家が短期売買で勝てる時代は終わりつつある。

個人が利用できる優秀なEAを使いこなすことが改めて重要な時代となる。 AI TRUSTでは常に最新の投資EAを世界中から情報を集め、検証し続けている。AI TRUSTが紹介する今後の最新のEAの情報には、常にアンテナを張っておいてほしい。

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チャーリーTAKA
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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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