戸惑い多数、緊急事態宣言
25日から、東京・大阪・京都・兵庫で緊急事態宣言が発令されました。しかし、昨年4月の1回目の緊急事態宣言ほどの恐怖感は、国民は持っていない状況が多数見受けられます。そこには、多数の「矛盾」が生じているから、ともいえます。
今回は、緊急事態宣言中で起こっている内容について解説します。
インド変異株が入り込む理由
大阪では、感染力の強い英国変異株で感染者数が拡大したといわれています。さらに現在インドで感染爆発している、インド変異株が国内で計21件確認されています。
「二重変異株」とも呼ばれ、免疫が働きにくくなったり、感染力が強まったりする可能性があるが、ワクチンの効果への影響ははっきり分かっていないとのことでインドのケースを見る限り注意が必要ですが、その前に「なぜ変異株が入り込むのか?」これを国民に発信する側は考えていただく必要があります。
日本は島国です。水際対策は比較的行いやすい状況ですが、国内には休業要請をしながら、飛行機は飛んでいる状況となっています。
*4月27日
ただ、法務人権省は24日から、インドからの外国人の入国を拒否すると発表しています。過去14日間にインドへの渡航歴がある場合も入国できない、、と。しかし予約サイトでは、普通に予約できます。成田国際空港でニューデリー行きを調べるとこのような内容が出てきます。
※空港における検疫強化のため、政府からの要請により、第3ターミナル国際線の到着ターミナルを第2ターミナルへ変更しております。
政府の要請によりターミナルを変更、、政府の要請により往来を行なっていませんではありません。これでは、関西国際空港も同様ですが、変異株が入り込むのはなんらおかしくありません。インドは感染拡大しているとはいえ、香港への飛行機は満席状態であると報じられていますので、直接でなくても間接的にインド変異株が入り込む隙はいくらでもあります。
都民の流れ、神奈川県へ
緊急事態宣言は、現時点(4月27日)では、4都市限定(東京・大阪・京都・兵庫)です。そこでは、休業や時短要請が強いられますが、25日の日曜日には、東京から隣の県、神奈川県へ人が移動する状況となりました。
当然といえば当然の話です。東京はダメ、神奈川は良いで理解するとすれば、じゃあ神奈川へ行こう、電車も道路も繋がっているし、となります。そうなると、おかしな話、店を開けられる神奈川県の収益が伸びるという状況となります。
大手居酒屋では、休業要請が出ていない神奈川店も休業するとの方針を出しているところもありますが、個人店はそうはいきません。
居酒屋休業「路上飲み」へ
飲食店では、酒を提供する飲食店にも休業を要請、その他は時短要請となっていますが、そうなると路上で飲もうという動きが出ています。お店があいているから時間まで飲食をする、その後まだ早いからということでコンビニでお酒を購入して近くの公園や路上で飲むという状況です。
これも移動と同様、酒類が販売されているならじゃあ買って飲もうという流れが出ていると考えられます。政府が打ち出す、感染対策にたいしての抜け穴が突かれているように見受けられます。
小池都知事が苦言、なぜ守らない?
都民にたいして小池都知事はこのような内容を発信されています。
「都県境は越えないでほしいと伝えている。しっかり守ってほしい」
ただ、しっかり守ってほしいという訴えにたいして疑問、反発をもつ人も少なくないようです。
理解が困難、東京都・大阪府の無観客要請基準
急ピッチで進んだ、緊急事態宣言に振り回されている業種もあります。東京都が発表した無観客開催要請リストを巡って波紋が広がっています。無観客要請の対象には劇場や野球場などに交じって、バッティングセンターやゴルフ練習場など観客の定義が曖昧な施設も含まれており、時短要請に従うべきなのか頭を悩ます内容となっています。
大阪府では、テーマパークに対して「無観客開催」を要請する方針。ユニーバーサルスタジオジャパン(USJ)は、「意図をはかりかねている」と発信していますが、たしかに客ありきのテーマパークに無観客開催は大丈夫です、というのは意味が分かりません。あるとすれば、休業要請はしてません、協力金対象外ですとでもいいたいといったところでしょうか。
協力金が振り込まれていない現状
飲食店は、休業や時短要請の対応に追われる中で、1月の緊急事態宣言時の協力金がまだ振り込まれていないとの実態があるようです。4月18日報道の支給率は以下の通り。
・栃木県:91%
・東京都:29%
・京都府:20%
・大阪府:26%
・兵庫県:58%
・福岡県:100%
・愛知県:52%
緊急事態宣言が出ている都道府県でいえば、兵庫県以外はかなり支給率が低いことが分かります。その他と比較しても協力金が遅れている都市と進んでいる都市があります。これでは、さすがにごめんなさい!とお店をあける個人店も出てきているようです。
大阪の医療ひっ迫理由
福岡県は、協力金支給率が100%と非常に優秀ですが、新型コロナウイルス対策においても医療がひっ迫している状況ではありません。
人口、510万人に対して802床(このうち重症病床111床)を確保しています。たいする大阪府は、医療がひっ迫しています、大変ですと連日報じられていますが、882.3万人にたいして重症者向けの確保病床とすぐに使える「実運用病床」はいずれも272床となっています。
ここにきて確保を急いでいるとはいえ、実際減らした過去があり医療現場ではすぐに対応するのが困難とされています。
東京五輪は別格、海外報道からは批判
休業や時短要請などで大打撃が免れない状況下でも東京五輪は淡々と進んでいます。ただ海外メディアは黙っていません。
米紙ニューヨーク・タイムズ:「完全に中止にする決断を下すときが来たのかもしれない」
(4月12日付)
英紙タイムズ:「中止する時が来た」
(3月3日付)
海外のアスリートからは、すでに東京五輪への出場辞退や再延期を求める声が上がっています。IOCのバッハ会長は、新型コロナウイルスと東京五輪は関係ないといったような発言をされていますが、火に油を注ぐ発言です。
決定権がIOCにあるとはいえ、「変異ウイルスの災典」と揶揄される状況下で日本政府はなんらかの発信や世界各国との調整をしていかない限り、世界からみた日本が懸念されます。
ここまで色々と記載しましたが、結局未知のウイルスと戦っているのは政府だけではありません。個人個人が出来ることは、正しく恐れる、ある程度の対策をし、何か違和感を感じたらすぐに受診することをお勧めします。