恐慌特集

日本のバブル崩壊を改めて検証する

バブル崩壊は、1990年代初頭の不景気の通称で、日本のバブル景気後の景気後退期または景気後退期の後半から景気回復期に転じるまでの期間を指す。内閣府景気基準日付でのバブル崩壊期間は、1991年3月から1993年10月までの景気後退期を指す。

バブル崩壊の要因は?

バブル崩壊という現象は単に景気循環における景気後退という面だけでなく、急激な信用収縮、土地や株の高値を維持してきた投機意欲の急激な減退、そして、政策の錯誤が絡み、あわさったことで急激に起こることになった。

1980年代後半には、テレビ等のマスメディアの必要以上の毎日繰り返された不動産価格の高騰のニュースもあり、地価は異常な伸びを見せた。

バブル経済時代に土地を担保に行われた融資は、その後の地価の下落によって、担保価値が融資額を下回る担保割れの状態に陥ってしまった。また、各事業会社の収益は、未曾有の不景気で大きく低下した。

こうして、銀行が大量に抱え込むことになった不良債権は、銀行経営を悪化させ、大きなツケとして1990年代に残されることになった。

1990年3月に大蔵省銀行局長土田正顕から通達された総量規制に加えて、日本銀行総裁三重野康による金融引き締めは急激なものとなり、信用収縮が一気に進んだ。信用崩壊のさなかにおいても金融引き締めは続けられ、日本の経済を極度に悪化させることにつながった。

消費税も重しに

前年の1989年に導入された消費税も、経済実態に鑑みると導入が遅過ぎたこともあり、結果的にこの金融引き締め策は失敗に終わった。

バブル経済を抑制する目的で実施した日本国政府や日本銀行による金融引き締め策が、結果的に失敗に終わったことで、逆に景気に悪影響を及ぼした要因ともいえるだろう。1989年5月から1年3カ月の間に5回の利上げが実施され、2.5%だった公定歩合は6%台まで引き上げられた。

マネーサプライの増加率は、1990年には11.7%、1991年には3.6%、1992年には0.6%となっている。ただし、マネーサプライ増加率の減少はマイナスになるほどのものではなかった。

政府は、日銀の公定歩合の急激な引き上げに続き、不動産の総量規制、地価税の創設、固定資産税の課税強化、土地取引の届け出制、特別土地保有税の見直し、譲渡所得の課税強化、土地取得金利分の損益通算繰り入れを認めないなどの対策を打ち出していった。

さらに、バブル崩壊後の政治状況は、1992年の東京佐川急便事件に端を発した金丸信の議員辞職、経世会分裂、小沢一郎の新生党旗揚げなどの政界再編、細川政権誕生による自民党55年体制の崩壊、政治改革、細川首相の電撃辞任、羽田孜の短期政権、さらに、自社さ連立政権による村山富市への政権交代など、大混乱の状態だったため、政治はバブル崩壊後の経済状況に十分な対応ができなかったこともバブル崩壊が深まった原因と言えるだろう。

株価暴落

日経平均株価は、1989年12月29日の大納会に、終値の最高値38,915円87銭を付けたのをピークに翌1990年1月から暴落に転じ、湾岸危機と原油価格高騰や公定歩合の急激な引き上げが起こった、1990年10月1日には一時20,000円割れと、わずか9か月あまりの間に半値近い水準にまで暴落した。1993年末には、日本の株式価値総額は、4年間で1989年末の株価の59%にまで減少した。

不動産バブルの終焉

1980年代末期の日本での不動産バブルは、価格上昇の原資は主に国内のマネーだけであった。大蔵省が行った総量規制で銀行の不動産向け融資が沈静化し、地価が大幅に下がり始めバブルが崩壊した。

それまで土地神話のもと、決して下落することがない、と言われた地価が下落に転じ、以後、2005年に至るまで、公示価格は下がり続けた。2005年以降は、一部の優良な場所の公示価格が上昇に転じている。

日本全体の土地資産額は、1990〜2002年で1,000兆円減少した。バブル崩壊で日本の失われた資産は、土地・株だけで約1,400兆円とされている。内閣府の国民経済計算によると日本の土地資産は、バブル末期の1990年末の約2,456兆円をピークに、2006年末には約1,228兆円となりおよそ16年間で約1,228兆円の資産価値が失われたと推定されている。

ローン地獄

バブル崩壊直前に高値で住宅を購入し、以後の価格下落で憂き目を見る例も少なくなかった。資産価格が下落したにもかかわらず固定資産税が高止まりしたままだったり、バブル崩壊後の低金利へローンを借り替えようとしても担保割れで実行できないなどである。

高値で買った同じマンションの別室がバブル崩壊後に破格値で売り出され、資産価値下落の補償を求める訴訟も起こされたが、大半は自己責任として補償を得られずに終わっている。

アフターコロナで起こり得ることは?

2020年1月以降、2ヶ月の間に世界中の株価は急落したが、世界中の中央銀行の過去に例のない金融政策が行われたことで、3月後半以降、急速に株価は大きく上昇した。東京五輪を期待した不動産価格上昇は過去5年ほどの間にあったが、これが今回暴落するような状況には至っていない。

テレワーク化のオフィス需要減で、商業不動産の価格は下落する可能性が高いが、刷られすぎる紙幣からのリスク分散も継続して続くことが予想され、暴落することはないだろう。

海外に目を向けた場合、マイナス金利の運用難の中で資金が集まった新興国、中国の不動産価格の暴落には注意を払う必要があるだろう。歴史は必ず繰り返されるのだから。

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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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