政治混乱

インドネシアのテロ情勢、過去に起こったテロを元に解説

インドネシアに進出する日系企業や駐在員の数は、近年増加している。インドネシアの経済成長も目覚ましく、今後も日本経済にとってインドネシアが魅力的な市場であることに変わりはない。

しかし、駐在員や出張者の安全を考えると、インドネシアのテロ情勢には引き続き注意しないといけない。

インドネシアにおけるテロに要注意

日本の外務省は、インドネシアに滞在する日本人に向けて、日々テロ注意情報を発信している。外務省も同様にインドネシアにおけるテロに注意するよう呼び掛けている。

インドネシアでは、2016年1月にジャカルタでイスラム国を支持する武装勢力による襲撃テロがあり、地元のイスラム過激派「ジェマー・アンシャルット・ダウラ(JAD)」や「東インドネシアのムジャヒディン(MIT)」による、警察署やキリスト教会などを狙ったテロ事件が今でも続いている。JADやMITへの対テロ特殊部隊による摘発作戦も、日常的に行われている。

JADやMITはどこに?

しかし、MITの活動はスラウェシ島にほぼ限られ、2016年1月以降、邦人が多く滞在するジャカルタやバリ島でJADやMITによる大規模なテロは発生していない。だが、JADやMITの関係者がどこにいるかは分からず、依然として潜在的なリスクがある。

インドネシアにおけるテロの歴史、事件一覧

インドネシアでは過去の歴史上でも大きく分けて3つのテロ事件が起きている。

アルカイダとの繋がりがあるイスラム過激派「ジェマーイスラミア(JI)による犯行

2002年10月:バリ島・ディスコ爆破テロ(202人が犠牲、日本人2人)
2004年9月:ジャカルタ・オーストラリア大使館爆破テロ
2009年7月:ジャカルタ・マリオットホテル爆破テロ(2009年7月)

など、過去に欧米権益を狙ったテロを繰り返してきたが、インドネシア当局の摘発や幹部殺害が功を奏し、組織として弱体化した。

インドネシアには潜在的なテロの脅威が依然としてある

しかし、近年、一部のインテリジェンス専門家からは、JIがインドネシア全土で再びネットワークを拡大しているとの情報もあり、インドネシアには潜在的なテロの脅威が依然としてあるといえる。

こういう情報からも、イスラム国やアルカイダの支持組織がテロの標的に狙うような場所、すなわちインドネシア政府施設や軍・警察施設、また米国大使館やその他の欧米大使館、イスラエル大使館などにはできるだけ近づかない、長居しないといった危機管理意識が重要となる。

また、外務省などが常にテロ関連情報を発信しているので、そういった情報を常に入手することも重要となる。

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国際政治学者、大学教員でありながら、実務家として安全保障・地政学リスクのコンサルティング業務に従事する。また、テレビや新聞などメディアでも日々解説や執筆などを積極的に行う。
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