デジタル証券の発行・管理プラットフォームを提供するSecuritize Japan株式会社が、株式会社LIFULL(ライフル)と共同で、株式会社エンジョイワークス社の「葉山の古民家宿づくりファンド」を、国内初の一般個人投資家向け不動産STOとして実施すると発表がありました。
この取り組みでは、不動産クラウドファンディング事業を展開しているエンジョイワークス社が投資家からの出資に対してセキュリティトークンを発行し、その利便性を図るものです。
セキュリティトークンとは!?
ここでいうセキュリティとは、そのままの安心・安全というもので、さらには担保物件、有価証券のことを言います。この場合、ブロックチェーンによって管理された有価証券でデジタル化したものであり、その資金調達方法がセキュリティトークンオファリング(STO)となります。
今までによく行われていたICOは、そのほとんどがユーティリティトークン(何らかの実用性を持ち、主として特定のサービスにアクセスするためのトークン)でした。
そしてこれまで日本でセキュリティトークンオファリング(STO)は行われていたものの、あくまでプロの投資家向けであり、証券会社や投資信託委託業者、銀行、保険会社などが対象でした。
国内初めてと言われる個人向け不動産STO
セキュリティトークン化することでのメリットは、利便性や安全性が高まることです。
具体的には、ブロックチェーン上のトークンにより第三者の証明の必要がなく自身の持ち分保有を証明でき、譲渡時にはスマートコントラクトを介し、暗号資産とのDVP(Delivery VS Payment)により、売買の一方当事者による債務不履行を防ぐことが可能です。
これはブロックチェーンの特性を生かしたものなので
透明性がある
改竄(かいざん)されにくい
デジタルなので分割可能
受け渡しが容易
になるのです。
普通の不動産売買を考えたときにどうでしょう?
複数で一緒に購入したり、ファンドで購入した場合など受け渡しは困難ではないでしょうか。スピードの面においてもかなりの時間を要します。そういった意味では不動産とSTOの相性はかなりいいものです。
プロジェクト詳細
■ プロジェクト名
葉山の古民家宿づくりファンド 〜日本の暮らしをたのしむ、みんなの実家〜
■ 事業者名 株式会社エンジョイワークス 不動産特定共同事業許可[神奈川県知事 第9号]
■ 募集サイト ハロー!RENOVATION
これは都心近くにいつでも行ける田舎をもとう!というコンセプトで神奈川県の御用邸もあり、別荘地としても有名な葉山で行っています。
そして3つの課題解決を目的としています。
空き家問題としての実践的解決
未来を見据えた昔ながらのコミュニティの再編
SDGsの達成事例の具現化
少子高齢化が進む中で、空き家問題は深刻です。空洞化が進むことで防犯上の問題、さらには放置することで街の景観も損ねます。そのため、このような古民家再生プロジェクトは空き家を資産に変えるモデルケースとなりえます。
そしてデジタル化が進む中、近所付き合いや交流が希薄になっているのも問題あり、ここでは世代を超えたコミュニティの構築を測ります。それがSDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」にも繋がるものでしょう。
スピード感があるユニークな取り組み
インターネットを介した、スピード感のある一般向けのSTOが登場したことは非常に喜ばしいことです。
セキュリティトークンを用いてファンド持分を譲渡することも可能なので、今までにあった金融商品の課題の一つの、参加するハードルの高さを超えて、市場に流動性をもたらすことを期待します。
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