株式

【 日経平均はこう動く 】日銀ETF買い入れとその影響

最大の日本株保有者日銀

「日銀がETF買い入れを行なっています。」

このような言葉を報道などで聞いたり、見たりしたことはないでしょうか?

日銀とは、日本の中央銀行のことで、政府の子会社です。日本銀行は、わが国唯一の「発券銀行」で、「物価の安定」と「金融システムの安定」という2つの目的を達成するため、様々な業務を行っています。銀行ですが、個人は利用することは出来ません。政府や銀行や金融機関の銀行という位置付けです。

そんな日銀は、日本株の最大保有者です。日銀が買い支えるから、日経平均株価が落ちないという構図、今回はこの影響について解説します。

政府の子会社が買い支える

日銀が日本株の最大保有者となったのは、2020年11月25日。時価ベースで45兆1,600億円となり、GPIFの保有額を300億円程度上回りました。これは、東証1部上場企業の時価総額の約7%にあたります。

日銀は、東証に上場する企業のみを組み入れた指数に連動する銘柄、つまり「ETF」を買い支えています。政府の子会社である日銀が日本株を買い支える、これは2010年10月28日が始まりです。

日銀のETF累計買い入れ額は昨年10月末時点で35兆円に達しており、日銀はETFの買い入れを通じ、東証1部上場企業の2割弱に当たる約400社で事実上の大株主となっており、現在も買い入れが続いています。

なぜ、日銀はETF買いを続けるのか

日銀が買い支えるのは、景気刺激策、物価を安定させることが目的です。インフレ率2%を目標に、アベノミクスで大規模な金融緩和が行われたのは記憶に新しいですが、黒田日銀総裁の任期中(2023年4月任期満了)には達成しないとの見通しが発表されました。

結論としては、8年経ってもインフレ率2%を日銀のETF買いでは達成していません。ではなぜ買い続ける必要があるのか?日銀が買わなくなると、誰が買い支えるのか?という点が懸念されます。買い支えられないと海外勢の売りなどが入り、日経平均株価が下落、それこそさらなる景気の悪化となります。

直近3ヶ月の日銀ETF買いの時期と日経平均株価への影響

日銀がETF買いを行うと日経平均株価はどのような影響を受けているか?チャートを用いて確認してみましょう。直近3ヶ月のETF買い入れは以下の通りです。

2月26日:501億円
3月4日:501億円
3月5日:501億円
3月22日:501億円
3月24日:701億円
3月30日:501億円
4月21日:701億円

青の縦線を引いた部分が、上記の買い入れが行われた日程です。


トレーディングビュー:日経平均CFD1時間足

チャートをご覧いただくとお判りいただけると思いますが、マーケットと対話しながら買い入れを行なっていることが分かります。下げたら買われる、このような傾向です。ETF買い入れが行われた日のTOPIXの前場下落率は以下の通り。

2月26日:501億円:▼1.92%
3月4日:501億円:▼1.26%
3月5日:501億円:▼1.09%
3月22日:501億円:▼1.11%
3月24日:701億円:▼2.21%
3月30日:501億円:▼1.06%
4月21日:701億円:▼2.17%

1%台で501億円、2%台で701億円と非常に分かりやすい買い入れとなっているのが理解出来ます。(1月までの買い入れ基準はTOPIXの前場下落率が0.5%超の時)

日銀の存在感が、買いを呼ぶ

上述したように、日銀のETF買いがある程度パターン化されている傾向は、マーケット参加者で知っている人が多いでしょう。日銀はETFを買い入れるタイミングを公表している訳ではありませんが、単調な傾向が見受けられます。

こうなると、逆に売りにくい現状があります。仮に売りを行なっても「日銀の買いが入ってくるのではないか」という憶測から、怖くて売りを長期保有出来ない現状があります。特に個人は、大口に逆らう意味などありません。そうなると、買いが買いを呼び、日銀が買い入れなくても買われる状況となるのではないでしょうか。

専門家の中には、「日銀が買うことで株価全体が押し上げられ、投資家は個別企業の価値を分析して売買する意味が薄くなった。これほどつまらない市場はない。」と話す人もいます。ただ逆にいうと、この現状をどう個人投資家は受け入れ活用するかということです。

日銀の購入ベースに変化

日銀はコロナショックとなった昨年3月に、年間購入額の上限をそれまでの6兆円から12兆円、上場不動産投資信託(J-REIT)の上限を900億円から1,800億円へと、倍増させました。これに対して今年3月に、年間「6兆円」という具体的な金額を取り下げています。

ただ、だからといって買い入れが行われないのではなく、具体的な数字は明示せずとも、買い入れそのものは続ける姿勢を示していますので、今後の動向を見守る必要があります。各国でテーパリングの言葉が上がる中、まだまだ金融緩和の出口も見えていないのが日本の現状です。

2021年4月1日からETFの銘柄別の買入額を見直し、TOPIXに連動するETFが100%となっていますので、ご確認ください。
日本銀行:ETFの買入れの運営について

ABOUT ME
Hatanaka
Hatanaka
投資歴16年。過去には様々な投資案件を行ってきており、為替FX、暗号資産(仮想通貨)分野に精通しており、現在は、トレーダー講師としても活躍中。
AI TRUSTメルマガへ登録しませんか?

毎週1回情報をまとめてお送りします。

AI TRUSTでは日々の金融市場に影響を与えるニュースを独自の視点から解説を行っています。是非ご自身の投資指標としてご活用ください!!