Defi運用を行うべきなのか?
バイナンス等の大手取引所でも、寝かしているそれぞれの暗号通貨を利用して運用する方法は、様々な種類が出てきています。暗号通貨を長期保有をしつつ、独自トークンやBTCなどを利息で継続的に得ていくことができるのであれば、効果的に利用しない手はありません。
ただし、ここには幾つもの落とし穴がありますので、それを理解した上で、そして自らの許容できるリスクの範囲内で行なっていくのが良いかもしれません。
さらには重要なポイントとして、皆さんそれぞれの、投資家としての暗号通貨投資への取組具合によってこれも変わってきますので、
まずは「自分がどのような立ち位置で暗号通貨投資を行なっているのか?」
この点を改めて考えてみてから実際にDefiを行うのかどうかを決めていきましょう。
Defiを暗号通貨取引提供側の立場から考えてみると
Defiを下記の4つの提供側から考えてみましょう。
①欧米金融機関
②グレースケール及びファンド
③暗号通貨取引所
④新たなDefiの提供者
では、順番に説明していきます。
①欧米金融機関
それぞれの金融機関の顧客に向けて、顧客が興味を持ち、暗号通貨への投資を積極的に考えているならば、自社で取り扱わなければ、他の金融機関に顧客を奪われる可能性が高いです。リスクが高く、本来は顧客に勧めたくはないとしても、他の金融機関に顧客を奪われるリスクが高いと考えれば、そしてどの金融機関も暗号通貨関連投資商品を取り扱いをするようになれば、取り扱わないこと自体がリスクとなってしまいます。2021年半ばの今の市況では、どの金融機関も ” 積極的に顧客に勧める!という行為は行わない ” でしょう。
ただし、これは市況の変化、そしてブロックチェーンの技術の浸透と実社会での活用によって変わってきます。Defiに対して驚異と感じる金融機関は増えており、ある時点を境にして、大手金融機関自体がDefiを積極活用する時代は、遠くない未来に訪れると考えられます。
②グレースケール及びファンド
彼らは各国の当局のルールに則り、新たな投資商品を提供するだけです。暗号通貨の価格が継続上昇すれば、より大きな資金がそこに集まります。そうなればより多くの手数料が入りますから、費用対効果があうだけ、合法に最大限の宣伝も行うでしょう。
これによってより多くの投資資金が集まり、集まった資金で市場で暗号通貨を購入し、それにより価格上昇が起これば、この循環が続くことが一番なのです。” 厳密で積極的な賭博場の胴元 ” といえるのではないかと考えられます。
③暗号通貨取引所
こちらはいうまでもなく、顧客からの預かり資産、暗号通貨が増えれば増えるだけ手数料収入を増やすことができます。新しいDefiを提供すればするだけ、収益機会が増えていきます。暗号通貨業界を広く見渡した時、” 最も積極的な賭博場の胴元 ” といえます。
そして彼らは他の暗号通貨取引所に負けないような、Defiの品揃えを今後も迅速に行なっていくでしょう。より多くのDefiから、よりリスクも低く、自分にあった商品を選択することも可能になりますし、この分野の成長には期待したいところです。
④新たなDefiの提供者
より多くの暗号通貨投資家の興味を集め、実際に投資家に積極活用してもらえれば、Defiプラットフォームは大きく成長し、その独自トークンの価値も大きく高まることになります。それによりプロジェクトの関係者は、独自トークンを初期から保有していることで、ゼロから莫大な資産を築き上げることができますから、大きなリスクがあろうとも、顧客の殆どが損をする可能性が高くても、積極的に告知し、利用者を増やそうとするでしょう。
” 裏カジノや野球賭博の胴元 ” のようなものかもしれません。そしてここには提供者側だけが知っている落とし穴や罠も潜んでいる可能性もあります。” 錬金術を探し続けるデジタルカジノファンの御眼鏡にかなう ” ように、新たなDefiの仕組みを作り続けるでしょう。
そして、ここからはこれらのプラットフォームを利用する参加者側、皆さんの立場で考えてみましょう。
【ポイント】暗号通貨市場をどのように捉えるのか?
様々な暗号通貨投資家の立場を考えた場合、参加する立ち位置により、取り組み方は全く異
なっています。
今回は下記の4つの立ち位置からについて説明していきます。
①古くからの暗号通貨長期投資家
②新興暗号通貨投資家
③Adventure investor デジタルカジノファン
④投機家 デジタルジャンキー
では、それぞれ順番に説明します。
①古くからの暗号通貨長期投資家
実際のところ、日本の殆どの古くからの長期保有型の暗号通貨投資家というのは、ブロックチェーンやそれぞれの暗号通貨の本質的な技術など理解もしておらず、単に分散投資先として暗号通貨には高い可能性がありそうだし、実際に暗号通貨市場が成長しているし、ニュース等でもたくさん報道もされているから、” とりあえず資産の一部を使って投資した ” という層でしょう。
この層は、
あまり難しいことはわからないし、”手間もかからず、楽で、その上で、他の投資よりも儲かるのであればそれが一番”
と考えているのでしょう。
投資額自体は当初は大きなものではなく、数万円から数十万円から始めており、暗号通貨市場の上昇により、その資産は当初と比較してかなり増えていると考えられます。市場全体の上昇や下落の段階で追加資金を入れた人も多いでしょう。そして意外とこの程度の考え方で取り組んでいくのが、暗号通貨投資での本質的な成功への近道とも言えるのではないかと思います。
②新興暗号通貨投資家
過剰流動性バブルの中で、昨年半ば以降に参加した暗号通貨投資家の多くは、今の市場の価格水準では含み損を抱えていることが予想されます。2021年から参加した投資家はほぼそうなっているでしょう。昨年から参加している投資家の多くも、価格が大きく上昇した今年に入り追加投資も行ったことは、暗号通貨の出来高をみても明白です。
じっくり耐えれば上記の長期投資家の仲間入りもできる
と考えられますが、焦りと中毒性により感覚が麻痺すると投資が投棄に変わっていきます。
③Adventure investor デジタルカジノファン
暗号通貨取引はボラティリティも非常に高く、一種のデジタルカジノでもあります。
活発に売買、取引を行う層というのは、自分だけが見つけられる法則 ” 錬金術 ” を探している
ともいえます。
新たなDefiを見つけ、理解して先駆けて運用してみることを趣味的に行っている人も多く、Defiとの愛称は良いと思われます。日本においてはこの層はもともとは低い割合だったと考えられますが、昨年からの暗号通貨市場全体の上昇により ” 新たな億り人 ” が誕生したこともあり、この層は確実に増えています。
④投機家 デジタルジャンキー
2021年4月以降の相場の急落により、この中の多くは資産の多くを毀損することになったでしょうが、だからこそ、
一発逆転を狙って、ハイリスク・ハイリターン(実際の多くはハイリスク・ノーリターン)の投機に走っていきます。
新興暗号通貨投資家の中でもここにハマってしまう人も多いと考えられます。Defiの中でも著名なプラットフォームではなく、あえて新興の、そしてリターンが異常に高い(報酬は独自トークン)ものばかりを狙うようになります。そしてたまにそれが高いリターンが得られたりすれば、そこから抜け出すことは難しくなります。競馬で万馬券ばかりを狙うようなものですね。
あなたは上記4つのうちのどこに当てはまりますか?
細かく分ければ当然これ以外にも様々な種類の投資家層があります。ブロックチェーンの技術的な活用に興味があり、その延長線上で投資をしている人もいますし、ボラティリティの高い市場でトレード目的で暗号通貨市場を選択する投資家もいます。大きな資産を持ち、分散投資の一つとして主要暗号通貨を保有し、低リスクのDefiで運用する資産家の方もいます。
Defiを行う上で重要なポイントは、下記の2点です。
・市場の下落で含み損、損失を出したとき、焦って取り戻そうとして投機をしないこと
・トレードの損失を埋めようとしてデジタルジャンキーにならないこと
このような状況に陥っていないか? 改めて自らの投資行動を見直してみてください。
Defi提供側の真意は?
活発に取引する熱烈なデジタルカジノファンや投機家に対して、
” 相場が膠着して退屈なタイミングにこそ旨味のあるゲーム ” を提供して、常に暗号通貨ブームを維持することがひとつの目的だと考えられます。
複雑なDefiは熱烈なデジタルカジノファンの一部だけが恩恵を受ける?
日々継続してクリプト系ニュースや、暗号通貨相場を見ている熱烈なデジタルカジノファンであれば、相場が膠着した時には、流動性プールや新たなDefi商品に資金を突っ込み、相場が動きそうなタイミングでは急いで流動性提供を解消したり、Defi取引を止めて、動く方向にレバレッジをかけて相場を張る、ということも可能になります。これが成功し続ければ、Defiを活用して大きな利益を上げることもできるでしょう。
多くの暗号通貨投資家に向いているDefiはトークンの数を増やすこと
一般的な投資家がDefiを無理なく利用する方法としては、持っているトークンを預けて、そのトークンもしくはBTCや独自トークン(バイナンスで言えばBNB)を貰う方法です。利回り自体は小さくはなりますが、銀行等の金利と比較すれば圧倒的に有利です。
” 信頼できる大手取引所、Defiプラットフォームで有利な条件を見つけて素早く投資を行う!” これがDefi投資のシンプルな成功の秘訣だと考えられます。
流動性スワップの留意点
バイナンスでも流動性スワップに預ければ、トークンの種類によって利率は変わりますが、年間で15%〜20%を超えるリターンも得られます。ただし流動性スワップにはリスクがあります。
インパーマネントロスというリスク
インパーマネントロスとは、簡単に言えば、
” 流動性スワップで貰えるリターンよりも、元のトークンを何もせずにそのまま持っていたほうが得だった! ”
というものです。
元のトークンの価格が300%以上に上昇すると、かなり大きなインパーマネントロスが発生します。
仮にプールに預けて1年放置している中で、元のトークンが過去の新値を更新するようなことになれば、大きなインパーマネントロスが発生します。” 熱烈なデジタルカジノファン ” でなければ、流動性スワップ投資には向かないと言え、殆どの日本人の暗号通貨投資家には向かないものかもしれませんね。
” 流動性を提供して利回りを得る ” というのは結局どういうことなのか?
取引所の立場からすると、 ” あるトークンが急騰した際に発生するカバー取引の負担を外部に移転する再保険をやっている ” のではないかと感じます。毎日保険料(リターン)を払うので、いざという時にはカバーを手伝ってくれという話です。
HODLの大口保有者にとっては ” 収益を平坦化させるヘッジのような働きをするためのもの(急騰しない銘柄ばかりを掴んでいる局面でもプラスが得られる) ” と言え、小額の暗号通貨保有者にとっては、” 手間と労力の割にリターンが見合わないもの ” と言えるのではないかと思います。
進化し続けるDefiの中では、一時的な ” 錬金術 ” ができることもあるでしょう。しかし多くの人が参加する中で、それはどんどん色あせていきます。常に新しい ” 錬金術 ” を探し続けることは、熱烈なデジタルカジノファンであれば、挑戦し続ければ良いですが、自分にはウンザリですし、多くの投資家の皆さんも同様だと思います。
先週のAI TRUSTのメルマガでも書きましたが
” ブロックチェーンの各重要カテゴリーでのGAFAMを探し出し投資を行うこと ”
これが最も成功確率の高い暗号通貨投資法と言えるのではないかと考えられます。
重要なポイントは重要なカテゴリーであることです。ニッチな市場、カテゴリーは所詮マニアックに過ぎず絶対的な利用者数も限定されますし、コミュニティも広がりません。
暗号通貨市場の継続上昇の中で一時的なバブル化はしても、バブルが終わった時にはその多くは無価値化していきます。それぞれのカテゴリーのNO.1が、最終的にはそのカテゴリーの時価総額の多くを占めることになるでしょう。
AI TRUSTでは引き続き、ブロックチェーンの各重要カテゴリーのGAFAMを見つけ出していきます。
引き続きの記事、そしてメルマガでの新しい情報にご期待ください。
毎週1回情報をまとめてお送りします。
AI TRUSTでは日々の金融市場に影響を与えるニュースを独自の視点から解説を行っています。是非ご自身の投資指標としてご活用ください!!