コロナ特集

【新型コロナ】新興国・途上国の実態は悲惨

インド、公式発表の10倍の6300万人が感染の可能性

インド医学研究評議会(ICMR)は、国内で新型コロナウイルスの抗体検査を実施した結果、これまでに感染した人は6300万人以上に及ぶ可能性があることが分かったと発表しました。

抗体検査は全国700以上の村落や行政区に住む2万9000人余りを対象に、先月中旬から今月中旬にかけて実施されました。その結果、10歳以上の住民の約15人に1人が陽性反応を示しました。インド政府が2011年に実施した最新の国勢調査によると、同国の人口13億人のうち、10歳以上は9億6600万人余りとなります。このグループの15人に1人がすでに感染しているとすれば、感染者の累計は6378万人に達する計算となるわけです。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、9月末時点で当局が発表している新型ウイルス感染者は631万人、死者は約9万8000人です。実際の感染者は公式発表の約10倍に上ることになります。地区別にみると、都市部のスラム街に住む人の陽性率は15.6%と特に高く、スラム以外の都市部では8.2%、農村部では4.4%でした。

インドの感染状況をめぐっては、これまでも公式発表よりはるかに深刻ではないかとの指摘が出ていました。政府は5月からロックダウン(都市封鎖)措置を緩和し始め、経済再開にかじを切りましたが、専門家らは時期尚早と主張してきていました。

今回の背景には検査件数が他国に比べて少なく、もともと死者数や死因を当局に報告する体制が整っていなかったなどの事情があります。ICMRのバルガバ事務局長は29日、11月に予定されるヒンドゥー教の祭典「ディワリ」と冬の到来を前に、感染対策を強化する必要があると強調しています。

世界の新興国、途上国は同じ状況

インドでのこの状況を見ると、世界中の新興国、途上国では同様の状況にあると考えるべきであり、既に新型コロナの感染者数は現在の3500万人程度というレベルではなく、既に1億人をゆうに突破していると考えるべきなのかもしれません。そして新興国、途上国の感染が広がっている限り、世界での人の移動は制限されることになりますし、感染を抑えることは、コロナワクチン が世界中に普及した上で、接種されなければ、感染拡大は継続的に続くと考えるべきでしょう。

アジアの新興国の貧困層が拡大する

世界銀行が発表した東アジア・太平洋地域の新興国の最新の経済見通しの中で、同地域の貧困層が2020年に過去20年間で初めて、増加する可能性があると指摘しました。新型コロナの感染拡大で失業者が増え、手取りの給与が減ったりしているためです。世銀は1日当たりの所得が5.5ドル(約580円)以下の人を貧困層と定義し、東アジア・太平洋地域の20カ国超の新興国の状況を分析しています。新型コロナの発生前は同地域に住む約3300万人の人が、2020年に貧困層から脱することができると予測していました。

しかし、9月29日の見通しでは中国以外の東南アジアや太平洋の島しょ国で、貧困層が2020年中に950万~1260万人増えると推計し直しています。中国は最新の見通しでも貧困層が810万~960万人減ると見込むものの、悪化シナリオの場合、中国と中国以外の合計で貧困層は約450万人増えることになります。

世銀は新型コロナが「継続的に減ってきた貧困層の数を反転させ、新たな貧困階級を創り出している」と指摘をしています。政府の支援策が収入が減少した家計の4分の1にも行き渡っていない国があるとして、弱者救済策の重要性を強調しました。個人を認証するID制度などが充実する国は支援策が届くのも早かったと説明し、島しょ国などに制度改善を促しました。世銀は同時に、東アジア・太平洋地域の新興国の2020年の成長率見通しを0.9%と、半年前の2.1%から下方修正しました。これは1967年以来、最も低い成長率となります。先進国よりも早く新型コロナの打撃から立ち直った中国は2%成長を維持するものの、それ以外の国が3.5%のマイナス成長に陥ることが響いています。

観光に依存する国は特に景気悪化の度合いが大きく、タイは8.3%、フィジーは21.7%のマイナス成長に落ち込む見通しとなっています。新型コロナの感染拡大が続くフィリピンも6.9%の大幅なマイナス成長となる一方、比較的封じ込めに成功したベトナムは2.8%のプラス成長になると予測しています。新興国全体の2021年の成長率は基本シナリオでは7.4%を見込むものの、悪化シナリオでは4.5%にとどまります。世銀の今回の予測の対象には、インドなど南アジアの国は含まれておらず、新型コロナ感染拡大が続き、実際の予想感染者数を考えた場合、この地域のマイナス成長率はさらに大きなものになり、貧困層も拡大すると考えるべきでしょう。

金融市場への影響は?

実体経済のマイナス成長が予想より酷く、さらに長期化した場合、過剰流動性資金による実体経済と乖離した金融市場は、大きく上昇することはあまり見込めず、ボラティリティが高い状況が続くと考えるべきでしょう。

そして新興国、途上国での感染拡大が続けば、先進各国でも感染再拡大のリスクは高く、それによって経済活動が制限されるようになれば、市場の大きな調整リスクがあることも理解しておく必要がありますね。まずはこの秋から冬の北半球での新型コロナ感染拡大の状況を慎重にみていきましょう。

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チャーリーTAKA
チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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