過去24時間の市場ダイジェスト

S&P 500

S&P 500は7,798.99まで上昇し、前日比+0.65%で最高値を更新しました。7月PPIが前月比横ばいとなり、9月のFRB追加利上げ観測が後退したことが株式市場への追い風となりました。メモリー株のSanDiskやMicronが大幅高となったほか、MicrosoftやMetaなど大型テックも上昇し、金利への警戒が後退する中で再びグロース株へ資金が向かっています。

ナスダック指数

Nasdaqは26,803.03まで上昇し、前日比+0.81%となりました。PPIの落ち着きによる長期金利低下と、AI・半導体関連への買いが指数を押し上げ、S&P 500を上回る上昇率となっています。一方でCiscoが見通しを嫌気されて8%超下落するなど企業ごとの差も大きく、AI投資なら何でも買われる相場というより、業績と成長期待を選別する局面になっています。

米国10年債利回り

米10年債利回りは4.6410まで低下しました。7月PPIが市場予想を下回り、週間失業保険申請件数も20.9万件へ増えたことで、9月利上げの必要性がやや後退し、短中期の米国債に買いが入りました。ただし30年債入札では5.216%という2001年以来の高い利回りが付いており、「FRBの利上げ懸念低下」と「財政・国債供給による長期金利上昇圧力」は分けて考える必要があります。

ビットコイン

ビットコインは63,402.70ドル、前日比+0.01%とほぼ横ばいでした。株式と米国債がPPIを好感したのに対し、BTCは6万2,000~6万6,000ドル程度のレンジから抜け出せず、米金利低下への反応も限定的です。暗号資産市場全体にも強いリスクオンは波及しておらず、米株とのデカップリングというより、BTC固有の買い材料不足とポジション調整が値動きを抑えている状況とみられます。

過去24時間の重要経済・金融ニュース

米PPIは前月比横ばい 9月利上げ観測後退も基調インフレには粘着性

米労働省が13日発表した7月の生産者物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり、市場予想の上昇を下回りました。財価格が0.7%低下した一方、サービス価格は0.2%上昇しており、エネルギーなど川上価格の沈静化が全体を押し下げています。これを受けて市場が織り込む9月のFRB利上げ確率は35%程度まで低下し、株高・債券高につながりました。一方、食品・エネルギー・貿易サービスを除いた指数は前月比0.4%、前年比4.7%上昇しており、基調的なインフレまで急速に沈静化したわけではありません。つまり昨日のCPIに続いて「すぐに利上げする必要性」は弱まった一方、「利上げ局面が完全に終わった」と判断できるほどの数字でもありません。グロース株やREITには短期的な追い風ですが、次に確認すべきなのはPCEデフレーターと8月のエネルギー価格転嫁です。今日の株高は“利下げ期待”ではなく、まず“追加利上げを急がなくてよい”という安心感で説明するのが適切です。

米30年債入札は5.216% 「FRB安心」とは別に残る財政プレミアム

米財務省が13日に実施した250億ドルの30年債入札では、最高落札利回りが5.216%となり、2001年以来の高水準となりました。7月の前回入札5.058%から大きく上昇しており、インフレ指標が落ち着いても超長期の米国債を保有するには高い利回りが要求されています。これは現在の債券市場を理解するうえで重要な盲点で、FRBの政策金利見通しだけでは長期金利を説明できなくなっています。約40兆ドルに迫る政府債務、巨額の財政赤字、国債供給、インフレの長期的不確実性がタームプレミアムとして残っているためです。13日の市場ではPPIを受けて10年・30年利回りそのものは低下しましたが、新発30年債の調達コストは歴史的な高さにあります。これは住宅ローン、公益株、REIT、長期成長株などデュレーションの長い資産にとって、中期的には無視できない逆風です。投資家は今後、FRB会合だけでなく長期債入札の需要、財政赤字、30年債利回りが5%台を定着させるかを合わせて見る必要があります。

日米の金融政策に逆方向の圧力 日本PPI7.2%、9月の日銀利上げ観測強まる

日本では7月の卸売物価が前年比7.2%上昇し、米国とは反対にインフレ圧力の強さが改めて意識されました。中東情勢による原材料・エネルギーコスト上昇に加え、AI関連需要も価格を押し上げているとみられ、9月の日銀会合での利上げ観測が強まっています。市場では9月利上げの確率が約76%まで高まっており、7月末からの日米韓による円買い介入後、円相場を支えられるかは日銀自身の政策に焦点が移っています。米国ではFRB利上げ観測が後退する一方、日本では利上げ観測が強まるという政策方向の違いは、本来なら円高・ドル安要因になり得ます。ただし13日には円が159円台まで再び弱含んでおり、市場は日銀が実際に政策変更へ踏み切るかをまだ疑っています。日銀が期待に応えなければ再び円売りが加速する可能性があり、逆に利上げすれば日本株の金融・不動産、JGB、円キャリー取引への影響が広がります。今後数週間では、米国金利だけでなく「日米金利差のどちら側が動くのか」が為替・世界の債券市場を考える重要な軸になります。

米加関税交渉が期限目前で前進 8月19日の50%関税回避へ双方が合意模索

米国とカナダは、8月19日に予定される追加関税発動を前に交渉を加速させており、カナダ政府筋によれば米国側も期限までの合意に前向きになっています。トランプ政権は一部のカナダ製品に50%の関税を課す方針を示しており、対象は約200億ドル相当とされています。カナダのルブラン担当相と米通商代表部のグリア代表はここ3週間で複数回協議しており、13日にも交渉が続きました。これは単なる二国間問題ではなく、USMCAの再設計、北米自動車産業の原産地規則、鉄鋼・アルミなどのサプライチェーンに直結する問題です。特にGM、Fordなどデトロイト勢はUSMCA改定次第では数十億ドル規模のコスト増につながる可能性を警戒しています。一方、米国側にも北米サプライチェーンを壊してインフレを再燃させるメリットは乏しく、期限直前で妥協が成立する余地が出てきました。来週前半に向けては関税が実際に発動されるかだけでなく、自動車の域内調達比率など合意条件の中身が、米自動車・素材株を見るうえで重要になります。