2020年、暗号通貨に成長の望みはあるのか?
2018年、暗号通貨バブルが崩壊し、2019年、ビットコインの価格は夏までは急上昇するが、そのあとは冴えない動きが続き、多くの投資家が市場から去っていった。
ほとんど全てのアルトコインは春から夏にかけて一時的に価格は上昇するが、その後は大きく下落し、結果的にはバブル崩壊後の安値を更新し続けている。
ユースケースのないアルトコインは今後、更に無価値化していくことになるであろう。
暗号通貨バブルとは一体なんだったのか?
投資というものをそもそもわかっていない素人のにわか投資家が、中身もよく理解しないまま、ブームにのってたまたま購入したビットコインの価格が上昇することで儲かったため、その資金で再度売買を繰り返し儲かった。
儲かったから人に自慢をし、そこから口コミ、取引所のテレビCMを見て、新規の参加者、購入者が増えることにより、供給よりも圧倒的に需要が増えて、多くのトークンの価格が急上昇することになった。
何も理解しない素人がたまたま儲かり、新たに参加する素人も受給バランスで儲かり、爆発的なブームが来て価格が上昇した。
これが2017年の暗号通貨のバブルのシンプルな答えである。
そして2018年1月にそのピークは訪れた。
コインチェック社へのハッキング問題が世界を震撼させ、多くの人が様々なリスクを考え冷静に判断するようになり宴は終焉した。
市場への新規参加者が減り、継続的な売りが続く中で価格は下落し始め、ある時点から下げが加速することになった。
幻の資産は何処にいったのか?
余った資金が逆流するときにはあったはずの数字上の資産は幻に変わってしまう。
暗号通貨というのは一定の知識さえあれば誰にでも新規発行することができる。しかも、これは、自ら作るのではなく、世界には幾らでも簡単に新規トークンを発行してくれる開発会社があるのだ。
誰にでも無から有を作り上げることができる仕組みがERC20だとも言えるだろう。
そして、継続性、換金性は別問題として、1,000億円の幻の資産を作ることができる。
幻の価格が形成される仕組み
例えば、Aという暗号通貨を新規に発行したとする。
仮に1億枚、1円で発行するとして時価総額は1億円となる。
何処かの暗号通貨取引所に登録をし、売買できるようにした上で、身内のメンバーで売買を繰り返し、価格を10円、100円、1,000円と上昇させる。
1,000円の価格がついた段階で時価総額は1,000億円となる。
市場で上手にA暗号通貨を人気化させることが出来、1,000円で新規の買い手が付けば、手元にある通貨がどんどん換金できる。
新たなニュースを出しつつ、Aの人気化を保つことが出来れば、市場価格が形成されていくことになる。
2017年の上昇では何も理解もしていない新規参加者の買いがアルトコインの価格をおしあげたのだ。
しかし、多くのプロジェクトはホワイトペーパーに書かれている内容と実態が伴わない。
株式市場に上場する企業であれば、時価総額=会社の価値は企業の所有する資産や収益から形成されていく。
多くのブロックチェーンプロジェクトは、それぞれの暗号通貨はそもそも収益を上げることを目的にしておらず、それぞれのプロジェクトのテーマによる社会の変革を目的としている。
多くのプロジェクトは既に死滅している
プロジェクトが保有する初期にICOで集めた資金が枯渇すれば、プロジェクトの運営継続自体が行えない。
新規の買い手が現れず価格が1円まで下落すれば時価総額は1億円となり、0.01円まで下落すれば時価総額は100万円となる。
高値では1,000億円の時価総額があったプロジェクトでも、100万円、10万円、1万円と新規の買い手が現れなければ価値は限りなくゼロに近づく。
無から有を作れたとしても、 あっという間に無に帰っていく。
あったはずの時価総額は幻なのである。
紙幣もまぼろし?
上場する企業の価値は裏付けされる資産や収益からの配当がある。
現在世界はマイナス金利が膨れ上がっているが、各国が積み上げる借金、中央銀行が発行する紙幣の裏付けは何処にあるのか?
紙幣の裏付けはそれぞれの国への信頼だけなのである。
マイナス金利のもたらすモラルハザードが広がる中で、その紙幣への信頼が失われたときにどうなるのか?
バブル崩壊は何処にでも起こるのである。
株式市場、債権市場、為替市場の市場規模は暗号通貨と比較できないくらい巨大なものである。
更に金融派生商品として数京円、数十京円単位まで巨大化しており、相場が大暴落すれば幻のお金は全て溶けてなくなる。
デジタル上で発行された各国の信頼に裏付けられたマネーも所詮、幻なのである。
そして損失・借金だけは常に現実としてついてまわることになり、負債として、次の時代に残されていくことになるのだ。
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