暗号通貨

暗号通貨投資、2つのハイプ案件破綻に注意を!!

ハイプ案件は暗号通貨投資ではない

日本でも2016年頃から、いくつものハイプと言われる案件が流行り、破綻すればまた次が出てくるといういたちごっこの状況です。改めて誰もが理解しなければならないこととして、ハイプ案件は、暗号通貨投資ではなく、ただの詐欺案件だということです。 暗号通貨を絡め、ビットコインなどの暗号通貨を参加するための決済に使うことで、詐欺の実態をわからなくさせることが目的ににあり、決して暗号通貨投資と言えるようなものではありません。

ハイプ案件に参加し、儲かっているという人がいますが、これも非常に馬鹿げた話であり、そこに本当の実態などなく、次に騙される人がいるから儲かっていると言うだけの話であり、ハイプ案件で損をしたとしても、もしその人が誰かに紹介しているとすれば、損をした人も被害者ではなく、加害者の一人だと言うことを理解しなければいけません。

” この案件はまだ紹介されて間もないから、今だったら儲かると! ” というような勧誘をする人たちもいるようですが、これは初めから詐欺案件だけど、今なら儲けて逃げられると、他人が騙されることを前提に参加しているわけで、とても投資と呼べるような話ではなく、そこに参加すること自体が、自らのリテラシーの低さを恥ずかしいことだと考えるべきなのです。

日本で既に1200億円以上が集まっている?

2つのハイプの名前はあえて書きませんが、アービトラージを活用した方法で宣伝しているものになります。古くから紹介されているものの方は、既に国内で20万人以上が参加をし、総額で1,200億円以上が投じられているようです。世界の規模はわかりませんが、2,000億円を余裕で超えているのかもしれません。日本国内で1,200億円という規模は、破綻すれば、大きな社会問題化することは確実でしょう。

2つの案件とも、この夏から内情はかなり火の車の状況のようで、商品市場の取引が好調という触れ込みで、月額45%のリターンを保証した案内がされていたようです。しかし冷静に考えてみてください。仮に2,000億円の資金が集まり、それが順調に運用され、顧客側に45%が保証されたとすれば、MLM形式で紹介者に別途仮に20%配られ、運営自体に5%かかったとすれば、合計で70%の運用益を確実に出さなければならないということです。

2,000億円の70%の利益となれば、1ヶ月で1,400億円となります。1年間では1.68兆円となります。なぜこれだけ巨額な利益を出せる運用ができるのであれば、わざわざ個人から少額の資金を集めているのでしょうか?

これだけ高いリターンが出るのであれば、巨額な資金をヘッジファンドが喜んで出してくれます。そもそもこれだけ高い運用ができるのであれば、自社資金で運用完結すれば良いだけの話です。

ヘッジファンドの帝王でさえ今年は大きな損失

ヘッジファンドの帝王と言われるレイ・ダリオ氏でさえ、2020年はボロボロの運用状況で、同氏の1480億ドル(約15兆6000億円)規模のヘッジファンド会社、ブリッジウォーター・アソシエーツは今年大きな損失を出しています。旗艦ファンド「ピュア・アルファ・II」の8月時点での年初来成績はマイナス18.6%なのです。15兆円以上を、世界の超一流頭脳が集まって運用をしていてこの有様なのです。 月45%を保証するようなことなどどれほど馬鹿げた話なのかを冷静に考えてください。

運営者が崇高な理念のもとに、より多くの人に利益を享受してほしいから! そんな言葉も言っているようですが、それを鵜呑みにするとすれば、単なる馬鹿です。それぞれにまともな実態のある本拠オフィスなどありません。数千億円単位で運用し、高い利益を出しているとすれば、世界でも著名な拠点、オフィスをもっていなければ信頼性に全く欠けることになります。

オフィスに支払う家賃が無駄?そんなバカな話はないでしょう。これだけ高いリターンが出ているとすれば、オフィス賃料など雀の涙です。

そもそもそのような額の運用などできない

9月にはいり、暗号通貨市場は何度も大きな下落場面がありました。アルトコインは15分で15%という暴落も起こり、世界中の取引所で動いていたBot、自動売買システムのほとんどがこの暴落にひっかかり、取引所の滑りによって損失を出しています。

世界最大の取引所のバイナンスの先物市場であっても、数億円単位の取引が設定価格では全く成立しませんでした。数千億円の巨額資金をどこで運用するのでしょうか?

商品市場、コモディティであれば大丈夫?

そんな馬鹿げた話はありません。商品先物市場を扱う世界の中小証券会社、そしてFX会社の多くは顧客の注文を全て呑み、自社がリスクを受けて相対取引をしています。高い利回りを顧客が継続すれば、その時点でシステムをわざと滑らし、顧客が負けるようにしむけます。

それでも顧客が勝ち続ければ、そのシステム自体を止めて、自動売買ができなくなるようにします。さらには出金規制をかけて、お金を引き出せないようにします。数千億円を預かれるような証券会社は超大手でしか現実的には不可能ですし、そこで大勝ちしているファンドがあれば、これは世界中の金融業界のニュースとなり、話題となります。これまでそのような話は一切世界中で聞いたことがありません。

こちらは日本の商品先物市場取り扱い額の2019年の上位5社です。

1)野村ホールディングス 1兆8351億円
2)大和証券グループ本社 7205億8600万円
3)SBIホールディングス 3514億1100万円
4)東海東京フィナンシャル・ホールディングス  647億7200万円
5)澤田ホールディングス  566億8600万円
1位の野村ホールディングスでさえ、月額で1,500億円ほどなのです。

今回のハイプ案件の1社の2,000億円のうち、1,000億円が商品先物市場で扱われているとすれば? どれだけ馬鹿げた巨額な数字になるのかは明確で、巨額な預かり資金を中小の証券会社が受けられるはずなどあり得ないのです。

MT4で証券口座で日々自己のトレードがみれるから安心?

このような謳い文句もあるようですが、これも大きな勘違いというか、悪質な方法と言えます。MT4の画面など、いくらでも見せかけ上で作ることができます。証券会社の信頼性がなければ、極端な話、ハイプの運営元が10万ドル程度で証券会社そのものを買ってしまい(世界にはいくらでも証券会社、FX会社を運営するためのシステムが売られています。)、それを好き勝手にいじって画面を見せることができるのです。

ありがちな話として、運用している証券会社やFX会社を破綻させて、システムそのものは非常に順調だったのに、預けていた先が破綻してしまい、このリスクは流石に見破られなかった! そのような言い訳で最後は終わる形も想定すべきでしょう。

出金規制があること自体がおかしい

世界の信頼できる暗号通貨取引所、証券会社、FX会社であれば、預けた資金に対して出金規制をかけるようなことは、当たり前ですが一切ありません。自動売買システムを動かしているので動かしている最中には出金できない、というのは出金規制をかけるひとつの理由になりますが、新規の資金流入が継続的にあるのであれば、その分を出金希望者に渡せば良いだけの話です。

紹介ボーナスの支払いが最優先されるでしょうから、それが間に合わないからこのような出金規制をかけるわけで、馬鹿げた利回りを紹介している時点で破綻はすぐに来ると考えるべきでしょう。

なぜここまで厳しい警告文章を書くのか?これだけの巨額な規模のものが破綻をすれば、暗号通貨市場への悪影響が出ることは間違いありませんし、多くの人が暗号通貨に対して怪しいという気持ちを持つことになりかねないからなのです。

もしご自身がこのような案件に参加されているとすれば、今すぐ出金をし、投じた資金を確保するようにしてください。傷口を少しでも防いでいきましょう。