リスクオフ要因が増えています
現在7月10日、世界的に新型コロナ懸念が拡大してきています。これはデータでも明らかですが、米国では感染が再拡大しており、フロリダ州では新型コロナウイルスの新規入院患者と1日の死者数が、いずれも過去最多を記録し、アリゾナ州の新規感染者数は4057人と、6日ぶりの大幅増となっています。
NYでは、ロックダウンの再発動の噂もあります。そして、我が国、日本でも首都東京では、感染者数224人とこちらも過去最高数。緊急事態宣言が発令されていたときよりも、多い感染者数となっています。
緊急事態宣言中で一番多かったのが、4月17日の206人。過去最多となっている要因に関しては、PCR検査の拡大で、検査数が伸びた分だけ新規感染者も増えているという情報も出ていますが、どちらにしても数は増えています。
これらがネガティブな情報となり、投資家がリスクを取りたくない状況の「リスクオフ」要因になる可能性が高いです。
リスクオフでは、基本的に株は売られ、現金もしくは、他の金融商品へ逃避する動きが出ます。現在、株価は堅調に推移しており、ナスダックは過去最高を記録するなど、堅調な展開が続いています。
ただ、”経済回復見通し”が強めの中での株価の回復の中、違和感を覚える人も少なくありません。ロックダウン再来などの情報で、一気に積み上がっていた株価が暴落してもおかしくはありません。
国内個人投資家の増加
日本では今回のコロナ禍で、新規で投資を始める人が増えてきており、ネット証券の口座開設数も順調に伸びています。
近年はネットの情報リテラシーは向上しており、投資は、以前に比べて敷居は低くなっています。人によっては、知識も広く得ており、密な情報の元で参加するという方も多くいます。
ただし経験値は一気につみあがるものではありません。「個人の投資家の参加が増加すれば、相場はそろそろ転換する。」なんてことも業界内ではいわれており、2017年の仮想通貨ブームがいい例ではないでしょうか。
意味もわからず、とりあえず儲かるということで、飛びついた人たちはどうなったでしょうか?
2017年12月中ばの1BTCの価格は約220万円で、当時は過熱感はかなりありました。ブームに飛びついて、1BTCを購入した人は今どうなっているのか? 現在の価値は100万円ほど。220万円で参加していれば、資産は半分以上目減りしていることになります。
「あれは、たまたまじゃない?」と思う方もいるでしょう。「自分に限ってそんなはずはない」と思う方もいるでしょう。しかし、プロと呼ばれる人たち含め全ての人に言えることは、” 明日のことはだれにも分からない “ です。
ただし、分からないからやらないではなく、分からないという前提で、経験を積み、投資事例を増やし続けることで自分独自の統計が増えます。投資は確率論でもあり、損失が出れば仕切り直すことも必要です。
そしてこれらの経験値を増やし続けることは、長く投資をしていく上で非常に重要なポイントとなります。目先の利益ではなく、「損も利も含めて長く経験を重ね投資を継続する」これを是非イメージしてみてください。
初心者は、”買い”しか知らない
外国証拠金取引、いわゆるFXをされている方は、ご存知かと思いますが、投資には、買って利益を上げるだけではなく、 ” 売り ” で利益をあげることも可能です。
細かい仕組みを説明すると、頭が混乱する方も多いと思いますので、ここは初心者さん向けというイメージでお伝えすると、取引所では、売買する際に、ロング(買い)、ショート(売り)というボタンがあります。この売りが可能というのは、ショート(売り)で入ることもできるということです。
不況での暴落は、トコトン売る
世間が不景気だからといって、投資で稼げない訳ではありません。当然不況であれば、株価は暴落するでしょう。そして、経済も低迷するでしょう。
ただそこには先ほどのショート(売り)をうまく理解し、活用することで得られる利益もあります。
ただし一つご理解いただきたいのは、ショートで目先の利ざやを抜くだけの行為であって、投資で社会に貢献している訳ではありません。どちらかといえば、言い方は悪いかもしれませんが、ゲーム的要因で、ただ利ざやを取る行為であるということです。
売りをトコトン行うことによって資金を増やし、そして本格的に増えた資金で次の景気拡大に向けた流れが来た際に、長期保有するのもいいでしょう。
コロナショックは、絶好の売り場だった
2020年2月末〜3月にかけて起こった株価の大暴落。その後コロナショックと名付けられましたが、その間は連日株価は安値更新、そして記録的な下げ幅を継続しました。
通常の投資であれば、下がれば買いがセオリーでしょうが、買っても買っても下げていき、そして最後には資金がなくなり撤退、このような方も多くいたでしょう。
しかし逆にあの状況を逆手にとり、絶好の売り場と判断し、売り目線を継続した人は大きな収益を上げたのではないでしょうか。
これは僕の話ですが、基本的にビットコイン以外は、売り目線が多いです。理由は過去の経験にもあるのですが、売りの方が早く利益を得られるのです。下り最速なんて言葉もネットでは使われますが、ロング(買い)=ロングタイム、ショート(売り)=ショートタイムからも分かることがあります。
・ロング(買い)=ロングタイム ⇒ 長い時間をかけて取りに行く
・ショート(売り)=ショートタイム ⇒ 短い時間で取りに行く
チャートを見ても分かるように、下落の方が早い傾向にあります。
例えば、1週間かけて上昇していた相場が、わずか1日の下落で元の価格に戻るなんてこともザラにあります。コロナショックの例でいえば、2017年トランプ大統領就任から、丁寧に押し目を作りながら上昇をしていたNYダウが、わずか1ヶ月で全てを帳消しにする下落を見せました。
違和感のある現在のマーケット
現在のマーケットは違和感を覚えている専門家が多くいます。
これは、リスクオフ、オンが経済と緩和で板挟みになっていること、そして通常の流れが通用していないケースとなっているからです。
投資の世界では過去の経験が活きないというケースもあります。例をあげますと、先ほどの株価暴落のケースですが、リスクオフの際は円高に振れることが多いのですが、ドル円はドル高となりました。ドルを買われることもリスクオフなので、それはそれで考えられます。しかし円買いが起こった際もドル円の下げ幅は限定的でした。この原因としては、公的機関の買い入れなどで、マーケットに歪みが生じている可能性もあります。
簡単にいえば、大きなお金を政府が入れることで、市場を抑え込んでしまっているということです。このような不自然な状態はいずれ解消されることも多々ありますので、その辺も頭の片隅に入れつつ、” 売り “ という投資手段も覚えておきたい場面ですね。
もちろん、売りがよく分からないという方は、出来るだけ引き付けて、買い場を待つことも重要です。このような状況での危険な投資は、値頃感で投資してしまうことですので、この点も注意を心がけてください。
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