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【 米中対立再燃 】米中問題で経済、金融市場はどう巻き込まれるのか?

米中の対立が激化

米国貿易問題は一旦収束を見せていました。しかしそれは2020年の米国大統領選挙を控えてのこと。さらに2020年は1月から中国武漢が発生源ともいわれている「新型コロナウィルス」が世界を変えてしまいました。今もなお世界中ではコロナの感染に苦しく人々が多くいます。

■2020年5月末データ

世界新型コロナウィルス感染者数
・560.1万人
世界の新型コロナウイルス死者数
・349,554人
世界の回復者数
・222.0万人

パンデミック宣言、そして金融市場でいえば2月下旬から3月の歴史的な大暴落、世界経済は世界のロックダウンによる首都封鎖で麻痺しました。さらに米中の対立が激化しているのが、米国の圧倒的な感染者数。。

感染者数が最も多い国、死者が最も多い国が米国となっており、経済でも大打撃となりました。2016年から堅調に上昇基調にあったトランプ政権による政策も新型コロナウィルスが一瞬にしてかき消してしまうほどの威力でした。

4年間築きあげたものが、わずか3ヶ月足らずで帳消し、いやそれ以上の惨事となっています。ではなぜそれで米中の対立が激化するのか?これにについて経済、金融を中心に今回は書きたいと考えています。

世界が認めた「中国の初動の遅れ」

諸説ありますが、新型コロナウィルスは中国武漢市の首都封鎖から始まったという見方が多いです。ただその情報の少なさは日本だけではなく世界中が感じていたことではないでしょうか。これは中国国民も同様で「武漢で今、何が起こっているのか・・」と疑問を呈した部分でしょう。武漢市封鎖の報道が出たのが、1月23日。そのとき発表されていた死者数が17名。

しかし、SARSと比べて10分の1であるとの報道も多数で世界中は「単なる感染症」と捉えていたのではないでしょうか。何よりも中国の情報が入らないことで対応が遅れるのは当然のこと。そして世界中に一気に広がりました。ここまでの流れを僕と同じように認識している人も少なくないはず。中国側にもいい分があるのでしょうが何せ情報が入ってこないというのは事実です。

時は流れ・・

世界中の感染が少しずつ収束を見せはじめた頃にトランプ大統領をはじめ世界各国のトップによる中国批判が始まりました。日本でも安倍内閣総理大臣が「ウィルスは中国から」といった発言をしています。ここでも強く声を上げるのが米国トランプ大統領であるためどうしても米中の溝は深まります。当然強く声を上げるには理由があります。

” 米国が一番の被害者 ”

これに声を上げずして大統領選での勝利はあり得ません。中国側が非難するように「政治的な意図がある」ということはどの国でもいえる事実でしょう。国民の怒りの矛先はまず政府に向かいます。政府はその怒りの矛先をどこにぶつけるか?ここに中国批判が強まる理由があります。

金融市場の動きは上昇傾向にあるが実体経済は伴っていない

3月に底をつけた形で米国株、日経平均なども戻しが入る展開となっています。下落幅を半値以上戻してきていますが、これに実体経済が伴っていない事実はだれもが理解しています。世界中で大企業ですら倒産し、失業者が溢れかえる中で株価が好調という現状は普通の観点で考えると ” 経済と乖離している “ としか言いようがありません。

現在株価が上昇している理由は最悪の事態ロックダウンの解除、日本でいえば全国が緊急事態宣言が解除されようやく「明るい兆し」が見えはじめたという状況です。しかしこれは数字ではなく兆しであることでここで失われた需要が一気に拡大することはむずかしいでしょう。米中関係が激化することにより、株価も再度下値を試しにいく可能性は考えられますが、この辺はトランプ大統領も強く攻められない部分でもあります。

2020年11月大統領選:中国を強く批判すれば株価下落のリスク

経済、政治的両方の立場から考え慎重にことを進めていく必要性があります。中国側はこれを理解しているでしょう。さらに株価の上昇に金融政策や経済政策が考えられます。これもどこまで効果があるのか?はこれから先のデータを見ない限りすぐに答えは出ません。分かっていることは ” すぐに世界は立ち直れない ” この状態にあるということです。

さらなる火種、中国による香港への「国家安全法」

中国でいえば新型コロナウィルスだけではなく昨年の逃亡犯条例の改正案を火種にした香港デモがあります。詳細は割愛しますが、簡単に説明しますと中国が香港を法律で裁けるようになるといった内容です。

これにた対し、危機感を感じた香港の人たちはなんとしてでも食い止めようとデモを起こしました。香港警察は中国よりであてになりません。ここで香港デモのリーダーが助け舟を求めたのが米国です。香港デモに関しては米国だけではなく、英国など世界からも避難の声が上がっており、そんな最中新型コロナウィルスで一旦休戦となっていました。

いきなりの「国家安全法」

逃亡犯条例ではなく、全人代で中国は香港にたいして国家安全法を審議する旨を公表。国家安全法が通れば、香港の行政は実質中国の傘下という形となり、香港の上に中国の警察や裁判所がいるというイメージです。これが決まると逃亡犯条例という一つの条例以上に強烈な内容で「一国二制度の終わり」ともいえます。そんな内容が通ってしまえば香港の自由はもちろんのこと、中国に乗っ取られてしまうといっても過言ではありません。これにはトランプ大統領も激怒。そして中国側は「関与するな」と。。

香港デモは1000人規模で行われ逮捕者が180名以上も出る事態となっており、逃亡犯条例のデモとは違う危機感を感じます。米中問題の中に香港情勢も入っている状況となってきています。香港はホワイトハウスに向けて10万名を超える署名を集めています。香港が米国にトランプ大統領に助けを求めているのは明らかでしょう。そして世界の議員200名以上からの署名も集まっています。日本人議員は今のところ1人も署名がないというのは、中国の国家安全法にたいしての答えでしょうか。

米中問題は世界を巻き込む大爆弾

米中貿易問題・・ このようなイメージでこの問題を捉えていては遅れを取ります。世界の経済、金融市場はもちろんこの二国に大きく影響を受けるでしょう。日本もこのような選択を迫られる日は近いです。「中国と米国どっちにつくのですか?」と。

すでに米国側についているのが香港の件や新型コロナウィルスの件でも強く声を上げている国でしょう。そしてそこで静かにしている国は中国側と考えてもいいのではないでしょうか。トランプ大統領はファーウェイなど中国企業にたいしても制裁を加えていっています。

もちろん中国側も黙ってはいません。ここで株価はもちろん将来の世界経済の覇権を握る企業が頭角を表すと考えておくのが自然の流れです。国同士だけの争いではなく企業も関係してきます。当然企業が関係してくれば金融、経済にも大きな影響を及ぼします。

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Hatanaka
投資歴16年。過去には様々な投資案件を行ってきており、為替FX、暗号資産(仮想通貨)分野に精通しており、現在は、トレーダー講師としても活躍中。
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