森会長女性蔑視発言、一気に世界に広まり波紋
森会長が、女性蔑視発言をしたとして、日本だけではなく、世界から差別発言とされ集中攻撃にあいました。この空気は、消えることなく野党立憲民主党や一般人による署名が集まり、ボランティアを辞退する人が相次ぎ、混乱を呼びました。
しかし、森会長の発言、行動をみると、あまりにも酷いメディアの煽り、いわゆるメディアリンチとも呼ばれる側面も見られています。今回は、情報が一気に広がる時代が故に知っておいていただきたいポイントを解説しますので、どうぞお付き合い下さい。
2月3日朝日新聞、誤解を呼ぶタイトルで報道
ことの発端は、朝日新聞の記事です。タイトルは、”「女性がたくさん入っている会議は時間かかる」森喜朗氏 “ です。これを見る限り、森会長が女性の会議は時間がかかるといったように捉える人も多いでしょう。しかし記事を読み進めると、少し違った内容となっています。
森会長の発言
「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」
森会長が話したある方の意見
「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困ると言っておられた。だれが言ったとは言わないが」
記事を読み進めると、確かに「女性」に絞って話しているところには、当然批判は出ますが、タイトルにあるあたかも森会長が女性の会議は全て時間がかかるかのような内容ではなく、敬意を払った内容もあり、タイトルが過激であり、偏った捉え方、そこから一気に炎上した可能性も否めません。
記事全文はこちら
https://www.asahi.com/articles/ASP235VY8P23UTQP011.html
国民感情に火をつけ、メディアが煽る
この報道の翌日に、森会長は即記者会見を開きたいと話され、記者会見で発言の撤回をされています。しかし、記者会見では森会長に対してイラっとするような、記者の質問に少し不満を持った返しとも受け捉えられる場面もあり、これが逆ギレ記者会見とされ、一気にメディアは拡散しました。
森会長の年齢は、83歳。非常に礼儀に厳しい方のようで、失礼な内容には反応してしまうという側面も見られます。謙虚であれというのが、求められることでしょうが、それは森会長が全面的に悪い前提での話です。森会長の立場で考えると、切り取った報道をしたマスコミに、「で?いつ辞めるの?」といったような質問をされ少し感情的になったのではないでしょうか。
さらに報道で、国民を煽るような報道、切り取られた内容は、世界に広がります。こうなってくると、空気的に何をいっても言い訳になってしまいます。気になったのが、Twitterのハッシュタグでの炎上。これは、婦人団体が広めたものであるということがあとで分かっています。
便乗する立憲民主党は、何がしたかったのか?
政治家にもこの問題は波及します。菅首相は、衆議院予算委員会でこの問題にたいし、「国益にとっては芳しいものではない」と発言しています。立憲民主党はここぞとばかりにパフォーマンスをしています。立憲民主党蓮舫議員のTwitterでこのような内容で、表現しています。
今日は衆参の仲間で白いスーツ。
アメリカの女性参政権運動のシンボルで、組織委員会の会長への抗議の意味を込めています。 pic.twitter.com/kbVLU6ObPi
— 蓮舫@RENHO・立憲民主党 (@renho_sha) February 9, 2021
なんどもいいますが、森会長に落ち度がなかったとは思いません。しかし、これだけ痛烈に差別問題に批判をするのであれば、中国のウイグル問題は同様にやるべきという声がネット上で上がっていますが、今後に注目です。
どさくさの聖火ランナー辞退報道
空気が一気に森会長批判へ傾く中で、気になった報道があります。これは、僕自身も内容を見ずに、タイトルだけで、勝手に勘違いしていました。それは、藤井聡太二冠が、東京オリンピックの聖火ランナーを辞退する意向との内容です。
ただこれは、2020年10月ごろ、家族から聖火ランナーを辞退したいとの意向が伝えられたとのことで、今回の森会長の件と全く関係がありません。しかし、このようにどさくさのタイミングで掘り返したように過去の内容をぶつけてくるのがメディアであるということを痛感し、記事全文を読み、なんなら別の人が書いた同じ記事も読み精査する必要性を感じました。
昨年秋辞退かいな。
タイトルだけ見て、森会長の件なのかなと、コントロールされていたことにこの方のツイートで知る。 https://t.co/It3o2auCHE— はたなか@投資道 (@hatanaka_angou) February 11, 2021
森会長辞任、相談役へ
11日の時点で辞意表明の意向と報道されました。報道によると、後任を初代Jリーグチェアマンの川淵三郎氏に打診し、川淵氏も引き受ける意向を示しており(後、辞退の意向を表明)、森会長は相談役として就任を要請する意向が明らかになっています。
東京五輪委員会会長の話が来た時、森会長は、無償なら受けるという話をされていたようです。ただ組織的にそれは成り立たなかったようです。高齢で体力的に厳しく、さらには人口透析を受けながら、世界と日本を元首相という立場やこれまでの人望をフルに活かし、日本での五輪成功のために突き進んでいた森会長の功績は、東京五輪がどのような形になっても、覚えておく必要があります。
Twitter上では、「#森喜朗さんありがとう」というハッシュタグが上がっており、今回のメディアリンチに危機感、違和感を持った人も少なくないのではないでしょうか。
*森会長の発言を擁護するものではありません。
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