ジャパニーズ・ウイスキーの価格はどうなるか?
ここ最近値上がりが続いたジャパニーズ・ウイスキーだが、少量生産の本当に希少価値のあるものを除き、一部のウイスキーに関しては、ヤフオクなどの価格を見ても、いっときよりも値段が下がった傾向がでている。
これはにわか転売業者、個人転売者が目先の資金を確保するために換金売りをしている事が予想される。アフターコロナの時代、価格が安定的に上昇するウイスキーは厳選されることになるだろう。
しかし、多くの個人投資家にとっても、コレクションという意味も含め、ジャパニーズ・ウイスキーは資産分散の対象に十分に値するものと言えるだろう。
価格高騰するジャパニーズ・ウイスキー
ウイスキーの中でも、ここ最近特に価格の高騰が著しいのが国産のジャパニーズ・ウイスキーだった。価格の高騰する理由としては、主に以下の4つが挙げられる。
1.ジャパニーズ・ウイスキーの世界的評価が向上
日本の国産ウイスキーは、スコッチやアイリッシュと比較して歴史が浅く、150年ほどの歴史しかない。しかし、2000年頃から世界のコンテストでも高い評価を得られるようになったことから、次第に注目を浴びるようになった。
近年では、「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」や「ワールド・ウイスキー・アワード」といった、世界的に権威のあるコンテストでも最高賞を受賞する機会も増え、世界的な評価が高まっている。
2.日本国内のウイスキーブーム
かつてはウイスキーをソーダで割ったハイボールと言えば、おじさんが飲むお酒の代名詞的存在だった。
しかし、2010年頃から若い世代を中心にハイボールブームが起き、ウイスキーを飲む世代が拡大した。
また、NHKの連続テレビ小説「マッサン」の放映により、ウイスキーへの関心がさらに高まり、国内市場の拡大にもつながった。
3.訪日外国人観光客の増加
訪日外国人観光客の増加も、国産ウイスキーの人気に拍車を掛けていると推測できる。日本を訪れた観光客が、ウイスキーを買って帰るという機会も増えているのだ。
内閣府知的財産戦略推進事務局によると、2017年のウイスキー輸出額は約136億円で、酒類に占める輸出金額の24.2%にも及んでいる。2018年のウイスキー輸出額は148億円と前年に比較し10%程度の伸びを見せている。
2008年のウイスキー輸出額は約14億円だったことを踏まえると、たった10年で10倍近く輸出金額が増加したことになる。
4.原酒不足による商品の品薄状態
ウイスキーを求める需要に対し、供給が追いついてない背景もある。熟成させたウイスキーを作るためには10年以上の歳月がかかるため、今から増産をしても市場に出回るには10年以上先になる。
実際に、サントリーの「白州12年」「響17年」、ニッカウヰスキーの「竹鶴17年」「竹鶴21年」「竹鶴25年」などは、原酒不足のために販売が休止されている。
どのウイスキーの価格が上昇したのか?
価格が高騰しているウイスキーに共通して挙げられるのは、熟成年数が長いジャパニーズ・ウイスキーである。代表的な例としては、以下の銘柄が挙げられる。
山崎・白州・響 サントリー・ウイスキー
日本を代表するシングルモルト「山崎」「白州」、ブレンデッドウイスキーの「響」は、毎年世界の権威あるコンテストで高い評価を得ており、国内外問わず人気が高まっている。
熟成年数が20年を超えるような商品には、数十万円もするようなプレミア価格がついているボトルもある。2018年1月27日、 サザビーズ香港にて開催されたワインオークションにおいて、 サントリーシングルモルトウイスキー「山崎50年」1本が約3,250万円にて落札された。
2011年、 サントリーは数量限定でこのウイスキーを150本のみ、 1本100万円で発売していた。
竹鶴・余市・宮城峡 ニッカ・ウヰスキー
NHKの連続テレビ小説「マッサン」のモデルにもなった、竹鶴政孝が創業したニッカウヰスキー。ブレンデッドウイスキーの「竹鶴」やシングルモルトウイスキーの「余市」「宮城峡」などは、世界の権威あるコンテストでの受賞歴も多く、ボトルによっては数十万円を超えるプレミア価格になっている。
希少価値の高い国産ウイスキー
2大ウイスキーメーカー以外でも、コンテストで受賞歴があるものの生産数が限られているボトルなどは希少価値が高く、軒並み価格の高い傾向にある。
例えば、埼玉県秩父市に蒸留所のあるベンチャーウイスキーの「イチローズモルト」、キリンシーグラムの御殿場蒸留所で作られる「富士山麓」、鳥取県倉吉市にある松井酒造の「倉吉」、そして著者も愛飲するマルスウイスキーの「駒ケ岳」シリーズなどは、ボトルによっては数十万円以上の高値をつけている。
イチローズモルトが約1億円で落札
2019年8月、香港のオークションで、イチローズモルトで製造されたウイスキーの54本セットが競売にかけられ、719万2千香港ドル(約9,750万円)で落札された。英競売会社ボナムズが発表した。
同社によると、日本産ウイスキーの落札額では過去最高という。落札されたのは1985~2014年に製造された「イチローズモルト」シリーズの54本セット。それぞれ異なるたるで熟成され、ボトルのラベルにトランプのカードがデザインされている。
今回の落札額は、ボナムズが15年に実施した同シリーズの競売での落札額379万7千香港ドルの2倍弱となった。たった4年で価格は倍に上昇したわけだ。ジャパニーズ・ウイスキーが近年、海外で人気を集めていることが裏付けられた格好となった。
アフターコロナの狙い目は?
日本には既に多くのウイスキー蒸留所ができている。各蒸留所でしか買えない限定ウイスキーは希少価値が高く、10年寝かしておけば相当な価格上昇は期待できる。
そして定価が高くても、販売本数の少ない希少価値の高いウイスキーが一番の狙い目となる。アフターコロナの旅行先として日本国内のウイスキー蒸留所を巡ることは、旅行を楽しみながら元を取る、賢い方法と言えるかもしれない。
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