週間市場動向

カリフォルニアの山火事にみる将来の日本の危険性

カリフォルニアの山火事の被害が拡大していますが、2023年8月に起こったハワイのマウイ島の火災を思い起こさせます。

当時は島西部の観光地ラハイナは2,200以上の建物が損壊、約9平方キロが焼けるなど大きな被害を受けました。

カリフォルニアの山火事 インフレ率上昇へ?

今回のカリフォルニアの山火事で、焼失した多くの物件が無保険だった可能性が高いそうです。

その理由は、多くの保険会社が市場からすでに撤退しており、災害の多い州では保険に入ることがますます困難になっているからだそうです。

カリフォルニア州では最近まで、当局が保険料の上限を設定していました。保険料の高騰に歯止めをかける一方で、利益が出ないとして多くの保険会社が同州から撤退しました。

今回の山火事で保険料はさらに高騰し、引き受けを拒否する保険会社も増えることになりそうです。

ルイジアナ州やフロリダ州といったハリケーン多発地帯では、近年の災害を受けて、保険料が2倍以上に急騰しています。

同様のことがカリフォルニア州で起こるでしょうし、これはアメリカのインフレ率上昇にもつながります。

山火事に限れば、米史上で最悪の被害額となり、被害や経済的損失が既に21兆円から23兆円に上ると分析されていますが、しかしこれでは収まらないように思っています。

高級住宅地が立ち並ぶエリアなわけですが、これらも一切消失してしまっているわけで、これらの多くの家は火災保険には入っているでしょうから、それで建て替えは賄うにしても、保険会社の支払い保険金は軽く兆円を超えてくると思われます。

これによって何が起きるか?

保険の契約更新時には保険料金は大きく値上がりすることになります。

家計費の負担が大きくなります。

賃貸住宅でも家主はこの保険金を借主に負担させるため、家賃の値上げを行います。

大量の家が燃えてしまいましたので、新規で跡地に住宅が建てられますが、既に人手不足の建築業界での大量の需要発生ですので、大幅に建築コストは上昇します。

そして、これにより、不動産価格自体も上昇することになります。

さらに言えば大量の人手不足を補うために高い賃金を支払いますので、人件費も上昇します。

家を建てたくても順番待ちになりますので、一時的には賃貸物件に住む必要が出てきますから、賃貸需要のバランスが崩れ、家賃は大きく上昇します。これらは全てインフレを後押しすることになります。

今回の原因も地球温暖化に根源がありますが、トランプ氏は地球温暖化などないと言っていますし、今回の山火事についてもいまのところ一切発言がありません。

このあとも地球温暖化などないと言い続けるのか?

それを支持するアメリカ人は本当にバカじゃないかと思います。

日本の将来の危険性?

今回のカリフォルニアの大災害は、巨大災害の多い日本にとっても深刻な問題として捉えるべきです。

能登地震の復興は遅々として進んでいませんが、巨大地震が次に起こった際は保険会社が支払い不能になる事態もありそうですし、それを想定して、このあとは保険コストが急増する可能性は高いです。

南海トラフの巨大地震が起きると、震度7の激しい揺れや10メートルを超える大津波が太平洋沿岸を襲い、最悪の場合、死者は32万人を超え、経済被害も220兆円を超えると想定されています。

保険支払いの増加は結果的にこれも家計を圧迫し可処分所得が減ることになります。ようは使えるお金はどんどん減っていくということです。

円離れの加速、円売りが起こる可能性が高い

東日本大地震が起こった時は、保険加入者への支払いのため、保険会社が海外で運用する資金が引き上げられると考えられ、強烈な円買いが発生すると海外のヘッジファンド等が円を買い、1ドル:76円台までの円高が発生しました。

しかし、南海トラフ巨大地震が起こった場合、220兆円もの被害を受ければ、ただでさえ巨額の借金を積み上げている日本ですので、円離れの加速、円売りが起こる可能性が高いです。そしてこれはさまざまな意味で日本にトドメを刺す形になると思われます。

ここからのリスク回避としては普段から震災に備えておくこともそうですが、日本以外に資産を分散する重要性を改めて理解し、行動することが重要なのです。

紙幣のばら撒きとBTC

12月に108,000ドル台の最高値をつけたBTCですが、日曜日午前の時点では94,400ドル台をつけています。

アメリカのマネーサプライはコロナ禍で一気にばら撒きが行われ、その後は2022年からは減少したものの、現在は増加に転じています。

そして、日本のマネーサプライは恐ろしいほどアメリカを上回りばら撒き続けられています。

インフレ=紙幣の価値がどんどん下がっている

このばら撒きにより過剰流動性バブルが発生し、さまざまな資産の価格が上昇しています。

日本でもコロナ禍以降さまざまなものの値段も上昇しています。

キャベツが1玉500円、1,000円といったニュースも流れていますが、こういった天候不順が影響して高騰しているものも確かにあります。

しかし、本質的に理解すべきは、インフレは物価が高くなることだと思いがちですが、ものの価格が高くなっているのではなく、紙幣の価値がどんどん下がっているということを改めて理解しなければいけません。

政府が発表している2%台というインフレ率を信じられますか?

肌感覚でいえば、10%、20%とさまざまな価格は上昇していると感じませんか?

東京のホテル宿泊費など、コロナ禍前の倍にはなっています。

そんな数字を発表すれば、政治への不信感はさらに強くなり、政権も維持できないでしょうから、都合の良い低い数字を並べているように思えます。

日本円の価値は半分に落ちている

日本円の価値はドルに対して円高時から比べれば半分に落ちています。

そしてこれに加えてインフレによって日本円の紙幣の価値が継続的に下がっているわけです。

日本人が海外旅行をしても高過ぎて何も買えない・・・

食事もせいぜいファーストフードにしかいけない・・・・

円という紙幣の価値がどんどんさがっているのです。

歴史上、全ての価値の裏付けのない紙幣は最終的にほぼその価値はゼロになっているのです。

一部の資産をBTCで保有するのも大事

BTCは大きなボラティリティの上下動はありますが、紙幣からの逃避は個人からだけでなく、昨年は現物ETFを通じ、機関投資家からも行われるようになりました。

エルサルバドルのようにBTCを基軸通貨にする国や、ブータンのように国家としてマイニングを行いBTCを増やし続ける国も今後は増えていくでしょう。

アメリカ、中国、イギリス、ウクライナも大量のBTCを保有しています。このような国家が今後増えていけば、需給バランスはさらに大きく変わることになります。

超長期的な目線で考えれば、紙幣に対してBTCの上昇は続くことは間違いないと考えますが、とにかくボラティリティが高いですので大きな波を掴むことが重要です。

昔の価格を知っている人からすれば、とても高過ぎて買えない・・・と思うでしょうが、紙幣の価値の減価からのリスクヘッジという意味でも、一部の資産をBTCで保有するというのは、混沌とした世界で生きていく上では非常に重要な選択肢だと考えられます。

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