世界を襲う熱波
日本でも体温を超えるような熱波が来るのが年々恒常化していますが、世界も酷い有様です。
米アリゾナ州フェニックスの24日の最高気温は華氏114度(摂氏45・6度)に達し、華氏110度(摂氏43・3度)以上はこれで25日連続(観測史上最長)となりました。
カリフォルニア州パームスプリングスでも華氏110度を記録。
地元メディアによれば、フロリダ州のマイアミでも一部地域で華氏106度(摂氏41・1度)まで気温が上昇しました。
すでに米国内では4000万人が猛暑の影響を受けていると報じられており、過去に例を見ない猛暑はじりじりとその範囲を広げています。
世界中で猛暑が続く
人工衛星で地上と海上の気温を観測する欧州宇宙機関(ESA)は、イタリア、スペイン、フランス、ドイツ、ポーランドで今後、極度に暑い気温が予測されるとしています。
欧州は地中海を中心に熱波に襲われ、連日、気温が40度を超える猛暑に見舞われています。
イタリア・ローマでは18日、昨年6月の過去最高気温40・7度を更新し、41・8度を記録しました。
シチリア島やサルデーニャ島でも、46~47度まで気温が上昇しました。
中国北部のトルファン市郊外(Sanbao)で、日中の気温が16日には52.2度まで上がりました。
これまで中国では、同じくトルファン市郊外(Erbao)で2017年7月17日に50.5度が観測されています。
今後この記録が検証され、正式なものとなれば、中国の国内記録となります。
アルジェリア政府は24日、同国で猛暑に伴う山火事により34人が死亡したと明らかにしました。
気温が48度に達する中、強風にあおられ、内務省によると97カ所で火災が発生しています。
アルジェリアでは例年、夏に森林や野原で火災が発生しますが、今年は地中海沿岸諸国で記録的暑さを記録したことで被害が深刻化しました。
24日に気温が50度近くに達した隣国チュニジアでも、当局者は森林470ヘクタールが焼けたと述べています。
地球は7月初め、2016年の記録を破って最高気温を更新しました。欧州連合(EU)の気象観測サービス「コペルニクス」によると、世界の平均気温は史上初めて17度を超え、7月6日には17.08度となりました。
石油や石炭、ガスといった化石燃料の燃焼による温室効果ガスの排出が続いていることが、地球の温暖化傾向に寄与しています。
地球温暖化をなぜ人類は止められないのか?→ リンゲルマンの実験
リンゲルマン効果(またはリンゲルマン効果)は、フランスの農業エンジニアであるマクシミリアン・リンゲルマンによって初めて認識された現象で、個々の努力が集団の一部として働くときに減少することを示しています。
これは、集団のサイズが増えるにつれて、個々の貢献が減少する傾向があることを示しています。
リンゲルマンの実験は、人々が一緒にロープを引く力を測定することで行われました。彼は、個々の人々が単独で引く力と比較して、彼らが一緒に引く力が相対的に小さいことを発見しました。
つまり、集団の一部として働くとき、個々の人々は自分たちが単独で働くときよりも少ない努力を提供する傾向があるということです。
この現象は、社会的などの理由から、個々の人々が集団の一部として働くときに自分の努力を制限する傾向があると説明されています。
これは、自分の貢献が他の人々によって認識されにくい、または自分の努力が集団の全体的な成果に大きな影響を与えないと感じるためかもしれません。
リンゲルマン効果は、組織の生産性と効率性に影響を与える可能性があり、そのためには、個々の貢献を評価し、認識することが重要であると認識されています。
人頼み、人任せが一番の問題
リンゲルマンの実験での結果を見れば明白ですが、個々人、個々の企業の影響力が全体に及ぼす影響がほとんどないとそれぞれの人が考えれば、そこに意見をすることさえやめてしまうということです。
地球温暖化対策についても、世界中で広がったインフレによって、かなり後退してしまっているのが現実です。
コストが相対的に安い、石油、ガス等の化石燃料利用に戻ってしまっています。目先の利便性、快適性を追い、本質的な解決から逃げてしまっているのが現状なのです。
結論から言えば、残念ながらCO2削減問題は全く解決できず、地球環境は加速度的に悪化することを想定しておくべきでしょうね。
日本人は特にこの傾向が強い
人任せ、人頼みという点について言えば、日本人は特にこの傾向が強いように考えられます。政治に対しての興味が低く、既に多くの人が諦めモードにあるように思います。
政府によるばら撒きを期待し、そこで発生する先々の負担については考えることもしません。そして政府は問題を全て先延ばしします。
これも結論から言えば、日本という国は衰退し続けるしかなく、円という通貨は継続的に大きく価値を下落させることにつながると考えられます。
日本はアルゼンチンのようになる?
日本はトルコのようなインフレの恒常化する国になる可能性が高いと以前には書きましたが、アルゼンチンのようになるというのが正解かもしれません。
アルゼンチンはかつて世界5位の先進国でした。それが現在は、GDPは1/8まで下落し、途上国に落ちぶれてしまいました。
インフレ率は100%を超え、犯罪率が多く、強盗に至っては東京の2,000倍と言われています。
昨今の日本のかつては考えられなかった強盗の発生は、今後は更に増加していくことになるでしょうね。
世界で水不足はますます深刻に
世界の異常な熱波とともに心配されるのが水不足です。日本で暮らしていて、水不足を身近に感じたことは少ないかもしれません。
しかし、2050年には深刻な水不足に陥る人口は39億人になると予想されています。
そして水不足は紛争に直結します。たとえばナイル川では、エジプト、スーダン、エチオピア間でダム建設と水配分について紛争が起こっています。
水不足により、飲料水や灌漑用水など暮らしや産業にとって必要な水が十分に調達できない状況に陥りますので、世界的な食糧不足の恒常化に繋がっていく可能性も高いと考えるべきでしょう。
インフレの恒常化
熱波・エネルギー大量消費・水不足・食糧不足 これらをつなげて考えれば、やはりインフレは恒常的なものになると考えるべきだと思います。
そして、ここに加わるのが人任せ体質の日本人。
日本という国の衰退、アルゼンチン化、日本円の継続下落。食料、エネルギーの買い負け。本当に厳しい未来像しか想像できません。
個々人では残念ながら解決できない問題ばかりですが、少なくとも自らが、家族がこれから訪れる難題からリスクを最小限にする形だけは作っていきたいところですね。