香港ドルとUSドルはペッグしており、一定の狭いレンジで価格は推移します。
現在は1USDは7.8HKDです。
実は過去何度かHKDがドルペッグから乖離し、機能しなくなることが予測され、HKドルは売られています。
香港ドルの米ドルペッグは継続できるのか?
そして、今回も2つの大きなヘッジファンド、機関投資家がHKドルをショートし始めています。
資産家ビル・アックマン氏は香港ドルの米ドル・ペッグ制の崩壊に賭けていることを明らかにしました。
米ヘッジファンド運営会社サバ・キャピタル・マネジメントの創業者で、ポートフォリオマネジャーを務めるボアズ・ワインスタイン氏は、同業パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント創業者のビル・アックマン最高経営責任者と同様に香港ドルの米ドルとのペッグ制崩壊に賭けていることを明らかにしました。
現在のアメリカは高いインフレ率が続いていますのでFOMCでは継続的な利上げを行なっています。経済が落ち込み、失業者が増加するリスクがあっても、FRBはインフレを止めることを優先しています。
アメリカのインフレ率は8%近い水準にまだありますが香港のインフレ率は2.1%でしかありません。6%のインフレ率の差があるにも関わらず、ペック制度のために金利は同じ水準です。
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抱える幾つかの矛盾
ペッグ制を維持する為には、アメリカが利上げを行えば香港も同様に利上げを行う必要があります。
2022年の香港のGDPは前年比3.2%減になる見込みであり、マイナス成長の中での利上げ継続ですから、実態的にはスタグフレーションです。
中国人民銀行は利下げを発表
そして、中国人民銀行は25日、市中銀行の預金準備率を0.25ポイント引き下げると発表しました。預金準備率の引き下げは今年2回目です。新型コロナウイルスの感染拡大と不動産不況の長期化に苦しむ国内経済への支援を強化します。ここにも完全な矛盾が存在します。
中国本土は経済悪化に対応する形で利下げが行われているのに、経済悪化の香港では利上げが行われます。
この矛盾に対して香港ドルが継続的に売られており、香港政府が現在一生懸命買い支えをしています。
今は問題なくペックが維持されていますが、先々はペック制度がなくなる可能性は充分にあり得ると考えておく必要があります。
香港ドルのドルペッグが解除されるとどうなるか?
香港ドルのドルペッグが解除されると香港ドルは当然大きく下落することになります。
経済が悪化していますので、香港は独自に利下げを行うことになります。
米ドルと香港ドルとの金利差が拡大しますので、シンプルに米ドル高が香港ドルに対して進みます。
多くの日本人は香港に銀行口座を持ったり、長期積立投資を行なっている人も多いですが、HKDでこれを行なっている人は、今のペッグが維持されているうちに香港ドルを米ドルに全て変えてしまった方が無難だと思います。
せっかくの円安ドル高で為替利益を享受しているつもりでいたのが、そのメリットが吹っ飛んでしまうのは意味がありませんので。
マカオのペッグ制度はどうなる?
ちなみに香港の隣のマカオのパタカは香港ドルにペッグしています。1HKD=0.97パタカです。
香港ドルが米ドルとのペッグが外れた時にパタカがどうなるのか?
シンプルに香港ドルとのペッグが続けられることになるでしょうね。
マカオの2022年第2四半期の実質GDPは前年同期比39.3%のマイナスでした。2020年同期比ではなんと66.3%のマイナスです。
マカオ経済の中心はカジノビジネスですから、コロナ禍での移動規制の中、外国人旅行者はほとんど訪れることができませんのでこの極端な数字は当然の流れになります。
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このような経済悪化の中で、当然失業率も5%にまで上昇しているのですが、香港ドルとのペック制維持のために同様に利上げを行なっています。
不動産環境においてはマイナス影響が幅広く大きく出ますので、当然のことながら、マカオの不動産投資は全て昨年から今年で終了しました。
マカオ経済は2000年代以降カジノ解放で大きく発展し、不動産価格も当時と比較すれば10倍以上まで上昇しました。しかし、ドルペッグ制度崩壊リスクも考えた場合、そろそろ潮時だと思います。
日本のインフレも加速!!
昨日は東京都のインフレ率が発表され、3.4%となんと40年ぶりの高い数字となりました。
インフレが日本でも加速します。
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