経済ビジネス

アジアで加速する格差拡大

新規感染者数30万人を超え過去最高に

世界保健機関(WHO)の集計によると、新型コロナの新規感染者数が全世界合計で13日は過去24時間に過去最多となる307,930人を記録しました。インドで引き続き高水準で増加しているほか、欧州でも拡大基調にあります。新規感染者数の上位はインド(約94,000人)、米国(約46,000人)、ブラジル(約44,000人)、スペイン(約12,000人)と続いています。

米ジョンズ・ホプキンス大の集計では、累計での世界の感染者数は2,880万人を超え、死者は92万人余りになっています。国別の累計感染者数は米国の651万人超、インドの475万人超、ブラジルの431万人超、ロシアの105万人超の順で続いています。

このような状況下の中、財政面で余裕のない新興国、途上国では国民全体の所得が落ち込む中で、総貧困層化に進む国も出てきており、国家として、10年、20年という単位で過去の成長の道を後戻りして待っている状況も見えます。今日は新興国の経済の現状について理解をし、そこから考えられるリスク及びチャンスについても理解をしてみましょう。

20年前に逆戻りしたトルコ

トルコでは2カ月にわたるロックダウンは6月に終わりました。しかし現在、国からの支援を頼みになんとか今の生活を送っているトルコ国民は400万人を超えています。そしてその一方で、さらに多くの非正規労働者が金銭的な支援をほとんど受けられないままでいます。

エルドアン大統領政権は恐らく早ければ11月にもレイオフの一時禁止措置を解除すると見られますが、その先の展開については今のところ全く見通しが立たず、暗い展開が続くことが想定されます。

最も厳しい打撃を受けているのは、トルコ国民のなかでも、エルドアン政権による福祉政策の恩恵を何年にもわたって受けてきた層です。この政策により、トルコ国内の所得格差の急速な縮小に貢献してきました。

しかし新型コロナ禍の現在、トルコの貧困層の人口は2,000万人近くへと倍増し、格差縮小の進捗という点では20年も逆戻りする結果になるという予測もでています。

これでは、イスラム主義を基盤とするエルドアン大統領の与党・公正発展党の成功も実質的に帳消しということになります。アベノミクスでGDPを拡大させた日本ですが、新型コロナ禍で大きくGDPを減らしたように、世界各国が同様の状況に陥る中で、新興国、途上国での影響はより深刻さを増しているのです。

持続不可能な政策

エルドアン大統領は7日、政府による1,000億リラ(約1兆4200億円)の支援プログラムが低所得世帯を助けていると付け加えています。この支援スキームは、多くの正規労働者の賃金を部分的に補い、約200万世帯の困窮家庭に現金給付を行います。

主要野党が市政を担う複数の大都市では、これ以外にも現金や食糧の給付を行っています。しかしトルコでは、低熟練労働者の3分の1が非正規で日々の現金収入を得ており、民間セクターは中小企業が中心です。経済はきわめて脆弱な状態に置かれています。

パンデミック対応のかなりの部分を支えている中央銀行の準備金は急激に減少しており、トルコリラの下落は加速し、過去最低水準となっています。

さらにはリラ安が基本的な輸入品の価格上昇を招く形となり国内ではインフレが深刻化しています。エルドアン大統領は労働者を保護するため、レイオフ禁止措置の解除を11月までではなく2021年半ばまで延長することはできますが、そのためには財政上の負担が生じます。

現実的な問題として、トルコの財政状況を考えれば、これらの政策は持続可能ではありません。

最新のトルコ国内での調査では、先月は仕事のあった人のなかでも、半数近くが冬までに失業することをとても心配しているとの回答を締めており、これから秋・冬を迎える中で、新型コロナの第二波が大規模に起これば、さらなるトルコ安につながり、デフォルトリスクも高く、国債価格の暴落リスクにも備える必要があるでしょう。

テロリスクの高まりと中東リスク懸念

南アジア、中東でのテロ活動は活発化しており、さらにはここに来て、UAE,バーレーンが相次ぎイスラエルと国交改善化させたことにより、イランの孤立化リスクも懸念され、テロの先鋭化にも注意すべきでしょう。大きなテロによる金融市場のショック安も想定する必要があります。

アジア新興国の状況はほぼ二極化

世界的に新型コロナウイルス問題が収束しない中で、その影響度によってアジア新興国での格差がはっきりと出てきています。アジア新興国はもともと中国との関連が強いのが特徴のひとつですが、ここ1、2年のあいだに、中国経済の減速、米中貿易摩擦、新型コロナウ問題と悪材料が立て続けに起きた中で、先進国以上に各国ともダメージを受けている状況にあります。

年初あたりの時点では、各国ともにほぼ横並びで低迷していましたが、3月後半あたりからかなり格差が広がりつつあります。中国、台湾、ベトナムの3カ国は新型コロナ感染拡大を早期に食い止めることができ、経済の落ち込みを最小限に食い止めています。

直近多くの制限が解除されており、月次の経済指標や工場の稼働状況などからみても、経済活動の正常化が明確になりつつあります。実際、中国では鉱工業生産指数、製造業PMI指数など、多くの経済指標はここ数ヵ月で明らかに改善しています。

ベトナムでは5月末時点での新型コロナを原因とした累計死者数はゼロで、コロナ封じの優等生と評価されています。直近、4月、5月には2度にわたって移動制限などいくつかの規制が緩和・解除されました。ベトナムでも経済活動は平常時に戻りつつあるといえます。

出口が見えない国々

しかし、インド、フィリピン、インドネシアなどは、継続的な感染拡大が続き、経済は深刻な状況に陥っています。特に最近は各国内でのテロも頻発化し、渡航リスクも高い状況にあり、観光業はさらに深刻な状況にあります。これらの国に共通しているのが、貧富の差が大きく、かつ、財政状況が脆弱であることです。

直近、世界ではブラジルや中南米国などの国の感染者増が顕著になっていますが、アジアでも感染者増が目立っているのはほぼ同じような問題を抱えている国で、回復までには時間がかかりそうです。

中でも特に不振が目立つのがインドとインドネシアです。インドでは都市封鎖が再三にわたって期間を延長されていますが、現在は1日あたりの感染者が94,000人と感染拡大はさらに悪化している状況で、収束する兆しは一切みられません。過去何度かにわたって経済対策パッケージを公表しましたが、インドの財政事情から考えると野放図な財政拡張策は難しく、当面景気の低迷が続きそうです。

インドネシアも政権発足当時は、ジョコ大統領に対する期待感の高まりから「ジョコノミクス」とはやされましたが、ここ数年は景気低迷が続く中で、期待感低下につながっています。原油をはじめとする国際商品市況の大幅調整による鉱業部門の不振や異常気象による農林漁業関連の生産低迷も、景気低迷要因のひとつとなっています。

インドと同様に、直近の混乱によって雇用・所得環境は著しく悪化しており、これまでの経済成長のけん引役であった家計消費が急減速しています。ジョコ政権は当面きびしい政策運営を余儀なくされそうです。

留意すべきポイント

多くのアジアの国々はこの後の秋・冬での、インフルエンザ流行と新型コロナ感染拡大の複合リスクへの影響を考慮すべきであり、各国の財政状況の余裕の無さを考えると、感染者数の急増、死亡者数の急増、さらには経済数値の悪化は即座に為替安に結びつきそうです。

そしてそこから新興国各国の通貨安懸念につながる恐れがありますので、この点を注意しましょう。アジア各国の通貨危機まで陥るリスクはほぼないと考えますが、万が一そのような流れにつながれば、ビットコインへの逃避が起こることも想定しておくと良いでしょう。

各国での感染拡大により、渡航規制は当面続けられることは確実ですから、アジア各国からのインバウンド旅行客の流入は一切あてにできず、関連株式銘柄は継続的な業績悪化が続くと見るべきでしょう。投資セクター別の投資選別は重要になりますね。

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