経済ビジネス

過剰流動性バブルは続くが細心の注意が必要

過剰流動性バブルが続く中で世界の金融市場で高リスク資産が膨張しています。その一因として、既存の金融規制の枠組みの外にある、シャドーバンクがカネあまりの中でリスクの高い取引を膨らませていることがあります。

過剰流動性バブルは続くがリスクには要注意

米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとの取引で、一部の大手金融機関が多額の損失を出したように、市場環境が変わればこうしたリスクが損失として大量に顕在化する懸念があります。格付けの低い企業の債権発行の条件も下がっています。

米クルーズ船大手、ロイヤル・カリビアン・クルーズが発行した、社債の金利水準は2月に米S&Pグローバルが「シングルB」に格下げしたばかりにもかかわらず、利回りが5・5%と昨年5月時点の約11・7%に比べて約半分に下がりました。同社のように格付けが投資適格級(トリプルB)に満たない低格付け債の発行が急増しています。1~3月の発行額は約22兆9000億円と、四半期ベースで過去最高でした。市場推計で残高は2兆ドル、220兆円を上回ります。

ローン担保証券(CLO)にも要注意

複数の低格付け企業へのローン債権を束ねたローン担保証券(CLO)の発行も目立っています。これはリーマンショック時の金融危機の発火点のひとつでしたが、発行残高は2020年に6623億ドルと5年で5割増えています。

株式市場では、企業買収のみを事業目的とした特別目的買収会社(SPAC)の上場数が右肩上がりです。しかし先日ブルームバーグでは、米証券取引委員会(SEC)が会計ルールに関して発した警告を受け、特別買収目的会社(SPAC)少なくとも6社が今週、財務報告に関する書類を提出したと報道しています。

このうちの4社は過去に監査を受けた分について、「もはや信頼してはならない」との文言を含めており、今後もこうした提出が相次ぎそうです。甘いルールで上場したSPAC企業ですが、会計不祥事が相次げば、SPACバブルは完全に崩壊することになるでしょう。

ファミリーオフィスも引き続き要注意

ファミリーオフィスの資産規模は世界で約5兆9000億ドルで、ヘッジファンドの約3兆6000億ドル、ベンチャーキャピタルの約1兆3600億ドルなどを上回る水準です。そしてファミリーオフィスには大手金融機関がシャドーバンクとして賭場の役割をし見えないリスクを巨大化させています。

英グリーンシル・キャピタルや、アルケゴスと市場を揺るがす事例が続き、市場の警戒感は確実に増していますので、次に大きな問題が表面化した時には市場の急落は予想できることです。

高リスク資産への投資がここへきて一段と膨張している背景には、コロナ危機に伴って主要国の中央銀行が実施してきた大規模な金融緩和があります。これによって過剰流動性バブルが発生しているわけです。引き続き過剰流動性バブルは継続します。

しかしこのあと、アメリカの景気の過熱感が強まり、長期金利が跳ね上がるような事態になれば、高リスク資産をめぐる市場環境が一変し、リスクマネーが一気にこの市場から引き上げることで、高リスク市場は暴落する恐れがあることもしっかりと理解をしておきましょう。

中国の不良債権も巨額に

中国の不良債権規模もかなり大きくなっているようです。中国最大の不良債権受け皿会社で国有企業の中国華融資産管理は、2020年の業績を4月30日の期限までに発表できないとの見通しを明らかにしました。同社を巡ってはこのところ社債のデフォルト(債務不履行)を起こすとの懸念が強まっています。

中国の場合、それを世界には隠しつつ、処理を進めている面がありますので、それがうまく機能しない場合、中国でのバブルが崩壊し、それが世界の過剰流動性バブルの終わりの引き金を引くリスクも高いということも、理解しておくと良いですね。

中国不動産バブルの限界も近い

崩壊する崩壊すると長らく言われ続けた中国不動産バブルもいよいよ限界も近いでしょう。
既に所得と不動産価格の差は開きすぎており、賃貸に出したところでまともな利回りも望めません。不動産価格の急落が都市部で始まれば、つるべ落としのように下落する恐れもあります。日本のバブル崩壊の比ではない規模の崩壊が起こる恐れもあります。

当然その時には世界中の金融市場にショック安をもたらせます。中国の国民の不満を外部に向けさせようとしたとき、一番の格好の餌食となりそうなのが日本です。バイデン政権との関係を密にした結果、中国からは完全に日米は一体化してみられており、地政学的リスクは高まることになります。これにより日本株は他の先進国市場より大きなショック安につながると考えておくべきでしょう。

AI TRUSTでは今あるリスクに目を向けていきます

過剰流動性バブルが続く今だからこそ、俯瞰的な視点から市場リスクを読み解くことが重要だと考えています。誰もが浮かれて踊るバブル道場だからこそ、その先にある大きなリスクをしっかりと理解した上で、市場の上昇を自らの資産構築に活かすべきなのです。

先週のツイッターでも、暗号通貨市場の節目の変化を見事当てましたが、今後もこのような情報は頻繁に発していきますので、引き続きツイッターの投稿にも注目してください。

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チャーリーTAKA
チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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