バブル相場警戒は、金融緩和だけではない
長期金利の上昇や、米国の巨額財政出動などでドル円の上昇や株式相場、仮想通貨(暗号資産)相場のさらなる上昇が期待されるなどの動きが大きく出ていますが、ここで意識されるのが、バブルではないか?という観点です。バブルは弾けないと分からないですが、巨額マネーがマーケットに入り込んでいることは確かです。
ただ、バブルである、ないに限らずに一方向にマーケットが動いている際に注意すべき点があります。災害や戦争などのリスクです。今回は、急激なリスクオフについて解説します。
米国追加経済対策1.9兆ドルまだ上昇するとの見方強い
米国で追加経済対策が可決されています。現在、下院に修正案を通してバイデン大統領の署名待ちといったところですが、3月中旬までには動き出すでしょう。この巨額財政出動が、マーケットが織り込んで動くかは、不明です。
織り込んでいるのであれば、いったんの下落も考えられますが、どちらにしても普通に考えると、長期的には上昇の流れ継続です。今回の柱は、個人への給付金1,400ドル(約15万円)ですが、個人が資金を得ると過去株や仮想通貨へ流れていますので、期待が大きくなるところです。
新型コロナウイルス、感染者数も減少
3月8日、東京の新規感染者数は114人と月曜日は毎回他の週と比べて休みを挟むことから、新規感染が少ない傾向がありますが、それでも感染者数は減少しています。これは、世界的にもいえることでワクチンの普及もあり落ち着きを取り戻しつつあります。そうなると次に期待されるのが、経済活動の復活です。
日本では、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県以外の緊急事態宣言は解除されました。投資では心理が大事です。投資家がなんとなく「楽観的」になることで、買いが入りやすい地合いともなることがありますが、現在はネガティブ材料というよりもポジティブ要因が多いように見受けられます。
一方向に視線が向くと梯子が外される
注意点も当然あります。ドル円は、多くの投資家が100円を割れるだろうとの見方で見ていました。しかし、現在は109円をつける勢いです。これは、菅首相の考えなど日本が関係していたり金利の上昇等もありますが、人々がそのとき、多く同じようなことを考えると後からひっくり返ることがあります。
ですので全てに思い込みは注意で、” いつどうなるか分からない “ という前提を持ちながらも次なる一手を模索し続けることが投資家に求められることです。
誰にも分からない地政学・地質学リスク
どれだけ楽観的な動きでも、突如転換する内容があります。それが災害や戦争などのリスクです。
・地政学リスク:軍事的、社会的な緊張の高まり
・地質学リスク:地震、大雨洪水、大規模火災などの自然災害
想定外の出来事は、当然「想定外」ですので、誰にも分かりません。ただ分かっていることは、過去になんども起こっているということです。そこで金融市場は大きな転換が起こります。一時的な暴落もありますが、売りが売りを呼ぶ可能性もありますので、この辺りのリスクヘッジは常に意識されてください。
直近で気になっているのが、ニュージーランドの地震です。日本時間の5日早朝に発生したマグニチュード8.1の大きな地震のあとも、周辺で規模の大きな余震が相次いでいます。そして、ニュージーランドで過去、カンタベリー地震という地震が2011年2月22日にありました。2011年といえば東日本大震災が起こった年です。
東日本大震災は、3月11日ですが、このカンタベリー地震との関連性、そして今回のニュージーランド沖の地震との関連性も懸念されています。この辺りを意識し、当然命を守る備えも合わせて行っておく必要があります。日本の直近でいえば、2月13日の夜に福島沖で大きな地震が発生、福島・宮城で震度6強がありました。いつ、何が起こるかは分からない、でも過去にはなんども起こっていることとして、備えをしっかりとしたいところです。
相場は乱高下する(日経平均株価、ドル円)
2011年3月11日の震災直後のマーケットの動きを見てみましょう。まずは、日経平均株価。震災にあっている当事者日本人が大変な中、日経平均株価は大きく売られています。これは、東日本大震災で日本が厳しい状況になるだろうとみた海外勢の売りと考えられます。
引用:トレーディングビュー・日経平均株価週足
ドル円でいえば、災害発生時には一気に円高に触れる中で次は急騰しています。非常に大きな乱高下を見せていることが分かると思います。これは、日本人プレイヤー不在の中でストップ狩りの動きではないかと考えられます。
引用:トレーディングビュー・ドル円週足
このようなことを知ると「自分たちが大変な中でひどい奴らだ」と思われるかもしれません。しかし、我々も気づかないうちにリスクを利用してトレード、投資していることがあります。災害、戦争、テロは世界中あちこちで起こります。いつ起こっても対処できるような心構えは、今のマーケットの状況がどうであれ常に意識しておきたいところです。
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