コロナ特集

【アフターコロナ】 インターネット広告市場 にもコロナの逆風が

インターネット広告市場にもコロナの逆風が

インターネット広告業界に新型コロナの逆風が吹き付けている。世界最大の広告市場の米国では2020年1~6月期に市場規模が前年同期比2%縮小する見通しとなった。

市場の成熟に加え、インターネット広告自体が経営基盤の弱い中小企業への依存度が高まっていることが響いている。新型コロナは不況に強いといわれてきた業界の転機となる可能性がある。

しかし、テレワーク化が進むことにより、自宅で今まで以上にパソコンの画面から様々なサイト、ページをみる時間が増えることにより、広告機会はどんどん増すことになる。

米ネット広告業界団体インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)が3月末に実施した調査によると、広告主など約400社は3~4月にネット広告への支出を当初計画より38%減らすとの結果が出ている。

Facebookやツイッターは?

支出削減の影響は広告を主な収益源とするネット企業を直撃し、米ツイッターは1~3月期の業績見通しを取り下げた。米フェイスブックも広告事業は弱含んでいるという。新型コロナで世界中の多くの都市がロックダウンする中で、多くの事業では今、広告を打つメリットはない。

ネット各社のそれぞれのサービスの利用実績は悪くなく、フェイスブックによると、新型コロナの影響が大きかった地域では2月、メッセージサービスの利用が前月より50%以上増えた。外出規制の強化などによりネットを使う機会は増える傾向にある。ただ収益を支える広告が伴わない状況にあるわけである。

ただしロックダウンが解除されたあとのことを想像すると、テレワーク化の浸透により、サービス利用は継続して増えている状況の中で、広告機会を大きく増したことにより、アフターコロナのタイミングでは、収益を大きく伸ばす可能性が高いのではないだろうか。

広告主、業態により大きな差異

米広告調査会社マグナによると、電子商取引などの広告は伸びる可能性があるものの、旅行、外食、映画は厳しいと伝えられた。米ホテル大手のマリオット・インターナショナルが広告の凍結を表明するなど、新型コロナの影響は広がっている。ホテル業界の宿泊率は前年比90%以上ダウンしているところも多く、ロックダウンの中、広告を打つ意味は皆無だろう。

マグナは1~6月期の米ネット広告市場が2%縮小するとの予想を示し、2020年通年でも4%増と低い伸び率を見込んでいる。通年で25%減の新聞広告、14%減のラジオ広告などと比べるとコロナの影響は軽微と言えるが、2008年の金融危機などを乗り越えて高い成長率を保ってきたネット広告業界にとって転機となる。

2010年代初めには世界のネット広告市場は年率20%以上のペースで拡大したが、直近では成長率は10%程度まで下がっている。2018年にネットはテレビを抜いて最大の広告媒体に浮上したが、企業の予算削減の影響を受けやすくなっている。

アフターコロナの時代、広告も大きく変化する

アフターコロナの世界では、業績が大きく落ち込んだ企業の多くは、広告に対してより慎重になり、今までよりも高い費用対効果を求めることになる。テレビ、ラジオ広告は更に激減することが予想でき、ターゲットが絞り込まれるインターネット広告は需要を大きく増すだろうが、広告費用削減により、広告単価自体は落ちていくことも予想できる。

経営基盤が弱く、新型コロナの影響を受けやすい中小企業の利用が増えていたことも逆風になっている。フェイスブックは細かい配信先の絞り込みにより予算が少なくても広告を出せるようにして顧客企業の裾野を広げた。ネット広告2強のもう一社であるグーグルも、中堅中小企業担当の営業グループの成長が目立っていたという。

アフターコロナの時代は、例えば飲食業、食料品販売などでは宅配ビジネスが大きく成長する可能性が高く、より絞り込まれた広告が必要とされるだろう。

新型コロナがいち早く流行し収束の兆しがみえてきた中国では、ネット広告の落ち込みが想定より軽微にとどまり、外出規制に伴い企業がほかの媒体からネットに予算をシフトする動きもでている。アフターコロナの時代、広告も大きく変化することになるだろう。

アフターコロナの広告は?

日本のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌等の媒体別広告費は、各媒体が前年から下落し続けている。それらの広告費項目の下落する中で毎年二桁%の成長を遂げていたのがインターネット広告費である。

2018年はついに、インターネット広告の構成比が、テレビ広告の構成比を上回った。アフターコロナの時代、インターネット広告は更に大きく全体での比率を高めることになるだろう。企業はよりターゲットを絞り込み、効率の高い媒体を求め続けるだろう。

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チャーリーTAKA
チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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