経済ビジネス

食糧不足は途上国だけの問題ではない

新型コロナは食糧危機を加速させた

「すぐに行動を起こさなければ何億人もの子供と大人に長期的に影響を与える世界的な食糧危機が差し迫っている」。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は昨年、世界に向けてメッセージを発信しました。

新型コロナウイルスで景気の悪化が続き、8億2000万人以上とされる飢餓人口が急増する可能性を危惧したものです。食糧不足問題は実は途上国、新興国だけの話ではなく、気候変動による影響もあり、日本にも今後大きな影響を与える恐れがあります。この問題の最新の状況を今回はまとめてみます。

サプライチェーンの遮断という新たなリスク

新型コロナが経済にもたらす苦しみに加え、ロックダウンとサプライチェーンの遮断は食品の流通に深刻な問題をもたらしました。突然の外食敬遠で食材需要が消失し、行き先を失った牛乳や卵など、大量の農産物が廃棄されています。これによって食料生産者が廃業する事態に追い込まれれば、経済活動が元に戻ったときに、食料が先進国でも足りなくなってしまうというリスクがあります。

地球温暖化による影響は?

世界の食糧リスクが顕在化しています。2050年までに世界人口は20億人増え、97億人と予想されています。地球温暖化は、大雨や乾燥に姿を変えて、農耕地や牧場を襲っています。昨年大発生したバッタ群や中国の洪水は、食糧枯渇の未来を連想させ、新型コロナの影響で既に8億人以上が飢餓状態にあり、人口が急増する中で、問題はより深刻化することになるでしょう。

中国では食べ残し禁止

中国の飲食店では客に食べ切れる量の注文を呼びかけるキャンペーンを昨年から開始しています。
米国と対峙する超大国の最高指導者が、国民の「食べ方」にまで言及する姿は異様にも映ります。確かに昨年の夏は中国には異変が生じていました。農耕地が広がる長江流域で洪水が発生。アフリカ豚熱による豚肉価格の高騰も続き、南部ではラオスからバッタが襲来していました。

これらの「災害」が今すぐ中国の食卓に甚大な影響を及ぼすわけではありませんが、国民14億人の胃袋をいずれ支えられなくなる事態は外交戦略上でも大きなリスクとなります。米中摩擦も背景にあるでしょう。

中国の懸念の一つは国内物価が上昇し、社会が不安定化していくパターンです。米国との貿易戦争において食糧が弱点にならないよう、事前に補強しておこうという政策だとも考えられますが、世界にとってみても、中国の14億人の胃袋が世界中の食料を食べ尽くすリスクを考えれば、良い政策とも思えます。

食料自給率は引き続き低いままの日本

食料自給率とは日本で消費される食料の内、日本で作られた物の割合のことを言います。日本の食料自給率は2018年の段階で38%と言われており、単純に考えれば残りの62%は海外からの輸入に頼っていると言うことになります。

そのため輸入元となる国で不作となれば食料価格の高騰と言っただけでなく食料自体の確保が難しくなることも考えられ、食糧不足を引き起こす可能性さえあります。新型コロナ禍でのマスクや消毒液不足も、日本のメーカーが中国国内で作っているものが輸出規制を取られたことも昨年ありましたが、食料に対しても同様のリスクを今後考えていくべきでしょう。

人口が減少する日本とは反対に世界の総人口は増加していますが、今後は温暖化による異常気象や水不足と言った問題が深刻し、世界的な食糧不足になると予想されているため、日本の食料自給率の低さは今まで以上に重大な社会問題と考えるべきでしょう。

食料自給率はなぜ下がったのか?

戦前は国内生産が主な米・野菜などを使った食事が中心でしたが、戦後の復興に伴い食生活が欧米風に変化していきました。国内生産が少なく、外国からの輸入頼りの小麦を使ったパン、飼料や原料の多くを輸入に頼る畜産物(肉類)や油脂類の消費が増加したのです。日本の食料自給率の低下には、こうした“食生活の変化”が大きな影響を与えています。

畜産物の生産には、その何倍もの飼料穀物を家畜に与える必要があり、例えば、牛肉1㎏の生産にはその10倍にあたる11kgの穀物が必要とも言われています。戦後、日本で肉の需要が増加したことで急激に穀物需要が増加=穀物の輸入が増えたことも、自給率が低下した大きな一因と言えるでしょう。

ビヨンドミートが急拡大

ビヨンドミート、代替肉とは、その名の通り、豚肉や牛肉、鶏肉といった動物の肉を使わず、植物などの別の素材で代替したものをいいます。この代替肉について、特に菜食主義者の拡大、環境面の配慮などから、急速にその市場が拡大しつつあります。

そしてビヨンドミートを摂る人が増えれば増えるだけ、畜産物の消費量は相対的に減ることになります。結果的に穀物に余裕がでることになり、食糧不足、食糧危機を抑える大きな効果もあると考えられます。

ビヨンドミート市場は今後も継続的に世界で拡大すると考えられますから、これを手がける上場企業の株価は継続成長する可能性も高く、投資先として注目すべきでしょう。

個人が考えるべき食糧不足解決策

ソーラーパネルを使った室内水耕栽培というのは趣味と健康を兼ねた取り組みになると思います。夜間もソーラー発電から得られた電力を使うことで、電気代もかからず野菜に必要十分な照度を与えることができます。

人手不足の農家のお手伝いをしながら、取れた作物を頂くというのも、健康的な上でストレス解消にもつながると思いますね。何にせよ、これからの時代、農家の方々と親しくなるということは、何よりの人的資産になる可能性もあると考えられます。

AIの農業での利用にも注目

AIを徹底活用した工場農業も急速に拡大するでしょう。そしてこれが世界の食糧不足の解決につながる可能性も高いです。この分野の先端企業も投資先として着目していくべきでしょうね。

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チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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