2026年7月25日 過去24時間の市場動向と経済ニュース
今日のポイント
指数は横ばいでも、市場内部では「AI投資を回収できるのか」と「原油・関税による再インフレ」を同時に織り込み直す動きが進んでいます。
過去24時間の市場ダイジェスト
S&P 500:7,411.98(+0.05%)
S&P 500は前日比0.05%高と、ほぼ横ばいで取引を終えました。
AI投資への警戒からテクノロジー株が下落した一方、原油価格の反落がインフレ懸念をいったん和らげ、指数全体を支えました。
セクター別では不動産が2.4%、素材が1.4%上昇し、半導体株から金利敏感株・景気循環株への資金移動もみられました。
指数の小幅高だけを見るよりも、内部ではAI関連から他セクターへのローテーションが進んだ一日と捉えるべきです。
ナスダック指数:24,975.82(-0.64%)
ナスダック指数は0.64%下落し、S&P 500に対するアンダーパフォームが続きました。
Intelは市場予想を上回る業績見通しを示したものの7.9%安となり、フィラデルフィア半導体指数も4.5%下落しました。
AI需要の強さではなく、設備投資の増加に対して十分な利益とキャッシュフローが得られるかが評価軸に変わりつつあります。
来週のMicrosoft、Meta、Amazon、Apple決算では、売上成長以上に設備投資額とフリーキャッシュフローが注目されそうです。
米国10年債利回り:4.6790%(-0.51%)
米国10年債利回りは一時4.713%と約1年半ぶりの高水準をつけた後、4.6790%まで低下しました。
中国主導による米国・イラン協議再開の観測で原油価格が反落し、エネルギー起点のインフレ懸念がやや後退しました。
ただし、新たな関税や米PMIで確認された販売価格の上昇が利回りの下値を抑えており、本格的な債券買いには至っていません。
来週のFOMCを前に、原油価格の変動が利上げ観測と長期金利を左右する不安定な状態が続いています。
ビットコイン:64,098.67ドル(-1.57%)
ビットコインは一時6万6,000ドル近くまで上昇しましたが、米国株の取引開始後に6万4,000ドルを割り込みました。
AI・半導体株の下落が暗号資産にも波及し、アルトコインを含む市場全体でリスク削減の動きが広がりました。
米現物ビットコインETFでは7日連続の資金流入が途切れ、直近では2億2,510万ドルの流出も確認されています。
原油反落や金利低下だけでは上昇を維持できず、現状の反発が長期資金より短期ポジションに支えられている可能性には注意が必要です。
過去24時間の重要ニュース
AI投資の「回収力」に疑念 Intel好決算でも半導体株が急落
7月24日の米国市場では、Intelが予想を上回る売上高・利益見通しを示したにもかかわらず、株価は7.9%下落しました。
同社が今後2年間の設備投資拡大を示したことで、好業績よりもAIインフラへの支出増加が警戒されたためです。
半導体指数も4.5%下落し、AI関連株は「需要が伸びる企業」から「投資額に見合う収益を生み出せる企業」へと選別され始めました。
これまでAI設備投資は半導体・データセンター企業の売上を押し上げる強気材料でしたが、発注元のキャッシュフロー悪化は投資サイクルの持続性を損ないます。
一方、データセンターREITのDigital Realtyは業績見通しの引き上げで11%上昇しており、AI関連が一律に売られているわけではありません。
市場への直接的な影響はナスダック、半導体、クラウド、電力・データセンター関連に表れやすくなります。
投資家は来週の巨大テック決算で、設備投資額、減価償却費、AI売上高、フリーキャッシュフローの四つを比較する必要があります。
トランプ政権、60カ国に新関税 最高裁判決後も「関税の床」を再構築
トランプ政権は7月24日、EUや中国を含む60の貿易相手からの輸入品に10~12.5%の新関税を発動しました。
強制労働で作られた製品の流入を十分に防いでいないことを理由とし、通商法301条を法的根拠としています。
2月に最高裁が非常事態法に基づく相互関税を無効とした後、別の権限を用いて広範な関税制度を再構築した形です。
対象は米国輸入の99.4%に及びますが、石油・ガス、肥料、重要鉱物、航空機などには多数の適用除外が設定されています。
市場では予告済みとして反応が限定されましたが、関税が期限切れで消滅するとの期待は後退しました。
小売、衣料品、輸入消費財にはコスト増要因となる一方、国内製造業には競争条件改善の恩恵が生じる可能性があります。
今後は各国の報復措置に加え、「過剰生産能力」を対象とする追加調査が新たな関税に発展するかが焦点となります。
中国主導で米・イラン協議再開を模索 原油は100ドル台から急反落
中国の働きかけを受け、パキスタンとイランが米国との和平協議を再開する道筋を模索していると報じられました。
この報道を受け、ブレント原油は一時100ドルを超えた水準から96.78ドルへ3.88%下落しました。
ただし週間では約10%上昇しており、原油市場が本格的な停戦を織り込んだわけではありません。
イランを支援するフーシ派によるサウジ船籍タンカーへの攻撃で、ホルムズ海峡に加えてバブ・エル・マンデブ海峡にも供給不安が広がっています。
中国にとっては、中東原油の輸入と欧州向け海上輸送の双方を守る必要があり、今回の仲介には明確な経済的動機があります。
原油の下落は債券、航空、運輸、消費関連株にはプラスですが、再び攻撃が激化すれば数時間で反転しかねません。
投資家は協議が正式な外交日程に進むか、二つの海峡の船舶通行量が実際に回復するかを確認する必要があります。
米景気はサービス主導で加速 価格上昇は約4年ぶりの強さ
7月のS&Pグローバル米総合PMI速報値は53.6と、6月の51.9から上昇し、8カ月ぶりの高水準となりました。
サービス業PMIも53.6へ上昇し、ワールドカップや米独立250周年関連の消費が活動を押し上げました。
一方、製造業PMIは53.8へ小幅低下し、生産と新規受注の伸びは3月以来の弱さとなっています。
より重要なのは、供給遅延が約4年ぶりの水準まで悪化し、投入価格が14カ月ぶりの速さで上昇したことです。
企業の販売価格も2022年8月以来の強い伸びとなり、関税、エネルギー、輸送費が価格転嫁され始めています。
表面的には景気の底堅さを示しますが、サービス消費の一時的な押し上げと、製造業の供給制約が混在する内容です。
来週はGDP統計とFOMCで、成長率の強さよりも、価格上昇が追加利上げを正当化する水準かが焦点になります。
