出来高を見ればその仮想通貨の状況や今後の価格の予想までを行うことができます。
そこで本記事では、
「出来高とは何か?」
「出来高から分かる3つのこと」
について、実例を挙げて分かりやすく解説させて頂きます。
仮想通貨の出来高とは?取引量のこと
仮想通貨の出来高(Volume)とは、一定の時間内に取引所で行われた特定の仮想通貨の取引総額(取引量)を指します。
出来高は通常、取引所や市場ごとに報告され、トレーダーや投資家にとって重要な指標の1つになっています。
クリプトトレンドリサーチでは出来高から色々なものが見えるツールの開発を行っています。今回はそれらのツールの中から「出来高動向ツール」について説明しましょう。
上位120トークンについて、いま人気が集まっているトークンを見分けるため、 直近24hの出来高、昨日の出来高、過去7日・過去30日の出来高の平均、 をそれぞれ比較して、増加率・減少率を算出しました。
過去7日間で出来高(取引量)が増えた銘柄は?
例えば、DeFi関連銘柄について直近7日/30日比の順 に表示すると、 DeFi関連銘柄の中で直近1週間に取引量が増えた銘柄を確認することが出来ます。
また、DApp関連銘柄についてイベントの日付の順 に表示すると、 DApp関連銘柄の中でイベントへの期待が出来高の増加に結びついているかどうかを見ることが出来ます。
NEOは10%以上上昇
過去7日間で最も出来高が増えた暗号通貨はNEOでした。そしてNEOの過去1週間のチャートはこのようになっています。
今は市場が停滞期ですからこの程度の上昇率ですが、上昇期においては1週間単位で考えた場合、30%、50%を超えるような大きな上昇を見せる場合も多いです。
TRONは15%程度上昇
二番目に出来高が増えているTRONも出来高と伴い価格は15%程度上昇しているのがわかります。
暗号資産の出来高とは、一定の期間において取引が成立した金額の累計を指します。暗号資産が活発に売買されていれば出来高は増え、売買が活発でなければ出来高は減ります。
暗号資産の出来高とは、取引が成立した金額の累計を指しますが、具体的に出来高からは何が分かるのでしょうか。
出来高から分かる3つのこと
暗号資産のチャートにおいて出来高が増加した時には、下記3点のことが分かります。
① 暗号資産の取引が活発になっている
② 暗号資産の売買が成立しやすい
③ 価格の大幅な上昇か下落が見込まれる
①暗号資産の取引が活発になっている
暗号資産の出来高が増えているということは、取引が活発になっていることを意味します。特に出来高が急増している場合には、投資家の注目や人気が集まり、取引が過熱している状況であることが分かります。
② 暗号資産の売買が成立しやすい
暗号資産の出来高が増えるということは、暗号資産の売買が活発に行われていることを意味するため、暗号資産の取引が成立しやすくなります。暗号資産の取引を行いたい時には、出来高が増えた際を狙えば、すぐに取引が成立するでしょう。
③ 価格の大幅な上昇か下落が見込まれる
暗号資産の出来高が増えた時には、価格の大幅な上昇もしくは下落につながる可能性があります。なぜなら、取引量が増えている際には、価格に影響を与える何らかの理由が発生したために、投資家の大量の買い注文や売り注文が殺到していることが予測されるからです。
例えば、ある暗号資産に対して悪い噂が流れて、投資家が一気に売り注文を行えば、出来高は増えて価格は急落していきます。一方で、買い注文が集まって出来高が増えているのであれば、価格は上昇していきます。
出来高が急増していても、暗号資産の取引における「買いたい人」と「売りたい人」のどちらが優勢なのかは出来高だけでは判断できないため「暗号資産の出来高の増加=価格上昇」とは単純には言えません。
しかし、暗号資産の出来高が増えている時には、価格の大きな転換期がやってくる可能性があるということは分かります。
出来高が減っている時に暗号通貨市場で何が起こっているのか?
暗号資産の出来高が増えた時については解説しましたが、出来高が減るとどうなるのか気になる人もいるでしょう。
具体的には下記4点で、増える時に起こることとは逆のことが起きています。
①暗号資産の取引が活発ではない
② 暗号資産の売買が成立しにくい
③ 価格が停滞してしまう可能性がある
④ ひとりの取引が価格に大きな影響を与える可能性がある
①暗号資産の取引が活発ではない
暗号資産の出来高が減っている時には、取引が活発ではないということが分かります。
売り注文も買い注文もあまり入っていないことが多く、暗号資産市場の中ではあまり注目されていない通貨と言えます。
もしくは、売り注文か買い注文どちらかは多い状態で、どちらかが極端に少ない場合にも、取引は成立しないので出来高は減ります。
② 暗号資産の売買が成立しにくい
暗号資産の出来高が減っている時には、「買い手」も「売り手」も少ないか、どちらかが極端に少ないことが考えられるため、売買が成立しにくいです。
例えば、暗号資産の売り注文を行っても、買いたい人が多くないためにすぐに売買が成立しない可能性があります。
そのため、暗号資産の出来高が減っている時には、注文を入れても成立するまでには時間がかかるかもしれない、ということを押さえておきましょう。
③ 価格が停滞してしまう可能性がある
暗号資産の価格は、「買いたい人」と「売りたい人」の取引レートによって決まるため、出来高が増加していて売買が活発な時には価格は動きやすいです。
一方で、出来高が少なく取引自体が少ない場合には、価格は動きにくく停滞してしまう可能性があります。
④ ひとりの取引が価格に大きな影響を与える可能性がある
暗号資産を「買いたい人」や「売りたい人」が少ない状況では、ひとりの投資家が大量の売り注文をしただけで、価格が大きく下落する可能性があります。
出来高が増加している時には、多くの投資家が活発に取引をしているので、ひとりの投資家の注文が価格に大きな影響を及ぼすことはあまりないでしょう。
しかし、取引量が減少している時には、取引をしている人が少ないため、ひとりの取引が価格に大きな影響を与えてしまうリスクがあるのです。
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