裁量トレードとは、自動売買とは
FXトレードをされる方は、裁量という言葉をご存知の方も多いかと思いますが、裁量とは、自身の判断で取引を行うことをいいます。裁量は、手動で行います。
逆に設定をしたらあとは、ほぼ任せっきりの状態が自動売買といいます。自動で行います。その間をとっているのが、最初は裁量で判断、決済や損切りなどは自動で行うシステムトレードというものもあります。
今回は、比較しやすい手動の裁量と自動の自動売買について、それぞれのメリットとデメリットを僕自身の体験談も含めて説明しますので、どうぞお付き合いください。
プロの世界でAI化が進んでいる
プロの世界ではAI化が進んでいます。こう書くと「ほら、じゃあ自動売買がいいんだろ」と思われるかも知れませんが、そうではないという前提で読み進めていただきたいのですが、時代的にプロの世界では、ディーリングルームの風景は様変わりしているといわれています。
大手ヘッジファンドでも、人員を削減している報道もよく目につきます。これは、AIなど機械に置き換わっているからです。AIと自動売買は厳密には違いますが、同じと捉える方も多いでしょう。
世界がAI化、、だからといって自動売買が全てだとは言いきれない理由の1つとしては、プロが使っているシステムとは明らかに違うからです。もちろん、そんなものが安価で個人投資家の手に入る金額で出回るはずがない、という点を理解しておく必要があります。
自動売買のメリット、デメリット
僕自身、トレードをリーマンショック前から行なっていますが、何度か自動売買(風)を購入したことがあります。大きな資金を投じたものや安価なものまでありますが、結論からいってあまりいい成果は得られませんでした。
メリットとしましては、設定さえすればあとは勝手にやってくれますので、何もする必要がありません。当然それで利益が出続ければ文句なしなのですが、楽して稼ぐことは難しいですね。突然の相場の急変、最近でいえばコロナショックなどの予期せぬ事態への反応が難しく、損失が一気に膨らむこともありました。
自動売買
メリット
・勝手に売買をしてくれる
・感情的にならないで済む
デメリット
・世界情勢の動き、急変についていけない場合がある
・いつまでも続かない
AIの場合は、世界情勢の急変について反応するようにプログラムされているものもあります。例えば、ネガティブな売られやすい報道のキーワードを入力しておくと、報道がそのキーワードに偏り出すと売りを行うなどです。
これはプロの世界のシステムにはありますが、そうなってくると今度は同じようなものが出回り、その争い(どれだけ早く反応するか)が加速します。そうなると、そのキーワードでの反応をしない、もしくは逆にマーケットは捉えて動くようになってきます。
仮に、あなたが優秀な自動売買をゲットできたとします。しかし、それは長くは続かないと考えておく必要があります。そして、自動売買を活用するのであれば、絶対に「裁量トレードを理解しておく」必要があります。
自動売買がどういう理屈で動いているかを理解する
あなたが、会社の経営者だったとします。順調に利益を積み上げる優秀な社員が揃っています。あなた自身その会社の実態を知らずに経営者を続けているでしょうか。まずあり得ないですよね。社員の動きをチェックし、いかに最善のパフォーマンスを出せるように試行錯誤するでしょう。
これは、社員を “自動売買” に置き換えても同様です。紹介やネットなどで注目の自動売買を購入(採用)しました。評判通り優秀な自動売買であなたのテンションは上がります。ただここでのポイントは、、
・何がどう優秀か理解しているか?
・どのような仕組みで稼ぎ出しているか説明が可能か?
これが、最低限、自動売買を利用する際に必要なポイントです。経営でいえば、崩れた場合社員の良し悪しを理解しているのであれば、実態に対しての指示を的確に出し改善する必要があります。そのためにもあなた自身が第一線を常に把握しておく必要があります。
自動売買を利用するのも、考え方は同様です。任せっきりで放置しておくのが自動売買の良さだと考えているのであれば、それは大きな勘違いです。裁量トレードを理解した上で活用するべきだということです。
裁量トレードメリット・デメリット
結論からいいますと、個人的にはやはり勝負を決めるのは、どの時代も人間であると考えています。システムが大量導入されているプロの世界でもそれを作る、扱うのは人です。
システムには感情がありませんし、理解してトレードを行なっている訳ではありません。トレードを長く行いたいのであれば、必ず裁量トレードは学ぶべきと考えています。
裁量トレード
メリット
・身につけると大きな力となる
・自動売買の良し悪しが判断できるようになる
・思惑通りに利益が上がると達成感が得られる
デメリット
・時間や経験を要する
・売買タイミングを見逃してしまうことがある
・感情的になると損失が膨らむ
トレードをする理由は稼ぐこと
当然、トレードをされている方の中で「稼ぎたくない」と考えて行なっている人はいないでしょう。逆にうまくいけば「簡単に稼げるようになる」と考えている人は結構周囲にいます。
これに関しては否定はしませんが、アドバイスをするとすれば、正直そんなに甘くないと考えておいた方がいいです。安易に自動売買に何も理解せずに手を出す人の思考には、「お金さえ払えば稼げるようになる」といった考え方が見え隠れします。
裁量とうまく組み合わせて効率的に優秀な自動売買を起動させるのはいいと考えますが、楽して稼ぎたい感覚で手を出すと、いい成果は生まれないと考えています。とはいえ、日本人特有の「努力して苦労したら報われる」というものでもないというのが、トレードを難しくさせる部分です。
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