過去24時間の市場ダイジェスト

S&P 500

S&P 500は7,383.74、前日比2.64%安となりました。5月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回り、FRBが利下げを見送るだけでなく、年内に利上げへ動く可能性も意識されました。金利上昇に弱い大型テック株や半導体株を中心に売りが広がり、指数は9週続いた週間上昇を終えました。

ナスダック指数

ナスダック指数は25,709.43、前日比4.18%安となりました。前日のBroadcom決算をきっかけとした半導体株の売りが、Nvidia、Intel、Micron、AMDなどAI関連銘柄全体へ波及しました。半導体指数は2020年3月以来の大幅安となり、AI相場で積み上がっていた強気ポジションの巻き戻しが鮮明になっています。

米国10年債利回り

米国10年債利回りは4.5360%、前日比1.32%上昇しました。5月の非農業部門雇用者数が17.2万人増となり、市場予想の8.5万人増を大きく上回ったため、債券市場では早期利下げ期待が一段と後退しました。中東情勢に伴うエネルギー価格の高止まりもあり、FRBは景気減速よりもインフレ再燃を警戒せざるを得ない局面に入っています。

ビットコイン

ビットコインは61,302.01ドル、前日比3.47%安となりました。米金利上昇と株式市場のリスクオフに加えて、現物ETFからの資金流出やStrategyによる異例の保有BTC売却が重しになっています。週間下落率は15%前後に達しており、2022年11月のFTX破綻時以来となる厳しい調整局面です。

過去24時間の重要な経済・金融ニュース

米雇用17.2万人増、利下げ期待後退から年内利上げ観測へ

米国の5月非農業部門雇用者数は前月比17.2万人増となり、市場予想の8.5万人増を大幅に上回りました。4月分も17.9万人増へ上方修正され、雇用市場が年初の停滞局面から持ち直していることが確認されました。失業率は3カ月連続で4.3%にとどまっています。堅調な雇用は景気後退懸念を和らげる材料ですが、原油高によるインフレ圧力が残る中では、FRBが金融緩和へ動く必要性も薄れます。債券市場では利回りが上昇し、株式市場では割高感の強い成長株を中心に売りが拡大しました。次回FOMCは6月17日に予定されており、市場の関心は利下げ時期ではなく、FRBが金融政策の引き締め方向への転換を示唆するかに移っています。もっとも、賃金上昇率は過熱を示す水準ではなく、現時点で利上げを既定路線とみなすのは早計です。

AI半導体株から1兆ドル超消失、Broadcom発の売りが業界全体へ波及

米国市場では半導体株の時価総額が1日で1兆ドル以上減少しました。Broadcomの決算を受けて始まった売りが、Nvidia、Micron、AMD、Intelなど主要銘柄へ一斉に広がりました。Nvidiaは6.2%下落し、他の主要半導体株も7.9%から13.3%の下落となっています。半導体指数は2020年3月以来の大幅安となり、ナスダック指数も2025年4月以来の大幅な下落率を記録しました。AI関連株は直近まで急速に上昇しており、投資家のポジションが一方向に偏っていました。米雇用統計を受けた金利上昇が利益確定売りの引き金となり、個別企業の業績懸念を超えてセクター全体のバリュエーション調整へ発展しています。ただし、AI需要そのものが急減したわけではなく、今回の下落が中長期的なAI相場の終焉を意味するかは慎重に見極める必要があります。

イランがヒズボラ支持を再確認、ホルムズ海峡再開への道筋は遠のく

イランは6月5日、レバノンのヒズボラへの支持を改めて表明し、イスラエル軍のレバノン南部からの撤退を求めました。イランは、レバノンでの停戦を米国との和平合意とホルムズ海峡の通航正常化に向けた条件と位置付けています。ヒズボラは米国が仲介した停戦案を拒否し、イスラエル側も撤兵や軍事作戦の停止には応じていません。レバノン南部では空爆と攻撃が続き、停戦交渉は一段と複雑になっています。ホルムズ海峡の物流量は依然として平時を大幅に下回り、戦前には世界の石油・LNG輸送量の約5分の1が通過していた重要航路の機能不全が続いています。原油価格は当日こそ下落しましたが、早期の全面和平を織り込める状況ではありません。市場では、停戦期待による原油安と、交渉決裂懸念による急騰が交互に起こり得るため、エネルギー価格をインフレ指標と併せて監視する必要があります。

ビットコイン週間15%安、Strategy売却とETF流出が市場心理を冷却

ビットコインは6万1,000ドル台まで下落し、週間では15%前後の下落となりました。週間ベースではFTXが破綻した2022年11月以来の大幅安です。最大の企業保有者であるStrategyが、優先株の配当原資を確保するため、32BTCを約250万ドルで売却したことも市場心理を悪化させました。売却額自体は同社の保有規模に比べれば小さいものの、長期保有を象徴してきた企業がBTCを売却したという点が重く受け止められています。米国の主要ビットコインETFからは、6月4日までの1週間で27億ドルを超える純流出が発生しました。一方、半導体関連ETFには6月第1週だけで30億ドルを超える資金が流入しており、投資資金が暗号資産からAI関連株へ移動してきた構図も浮かびます。今後は価格そのものに加えて、ETFフローとStrategyの資金調達構造を継続的に確認する必要があります。