過去24時間の市場動向

米国株式市場では主要株価指数が揃って小幅に上昇しました。S&P500指数は前日比+0.25%の6,716.09、ナスダック総合指数も+0.47%の22,479.53で取引を終えています。中東イラン情勢による原油高への懸念がくすぶる中、航空各社が春の需要見通しを上方修正したことで旅行関連株が買い戻され、市場を下支えしました。米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日から2日間の金融政策会合に入り、物価高騰への警戒感はありつつも今回は利上げを見送るとの見方が優勢です。

米国債券市場では安全資産志向の買いがやや優勢となり、長期金利が低下しました。代表的な米10年国債利回りは4.20%前後と前日比でわずかに低下し、高止まりする原油価格や景気減速懸念を背景に債券への資金流入が見られました。市場では中東情勢による不透明感から利下げ観測も一部で浮上しており、FRBの金融政策の先行き不透明感が意識されています。

暗号資産市場ではビットコイン価格がおおむね横ばい圏ながら堅調に推移しました。過去24時間で+0.33%と小幅上昇し、約1か月ぶりの高値となる7万5千ドル近辺に達する場面も見られています。投資家心理は強気に傾いており、オプション市場では今後ビットコインが8万ドルを超える展開を織り込む動きも出ています。米ドル高局面でもビットコインは底堅く推移しており、機関投資家からの資金流入やショートカバーが価格を支えているとの指摘があります。

本日の主な経済・金融ニュース

原油価格が再び100ドル接近、主要中銀はインフレと景気にらみ綱渡り

17日の国際原油市場で原油価格が急騰し、米WTI原油先物は一時1バレル=100ドル近くまで上昇しました。イラン・中東情勢の緊迫化でホルムズ海峡が事実上封鎖され、イランによるUAE攻撃など供給不安が高まったことが背景です。原油高を受けて世界的にインフレ圧力が強まるとの見方が広がり、各国の中央銀行は難しい対応を迫られています。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行など主要中銀は戦争勃発後初めての金融政策会合を迎え、原油高による物価上振れと景気減速リスクの両方に目配りする必要があります。市場ではFRBが今回の会合で政策金利を据え置くとの予想が大勢ですが、原油ショック下で金融当局者は慎重ないしタカ派寄りの姿勢を示すとみられます。実際、豪州中央銀行(RBA)は中東情勢によるインフレリスクを理由にこの日まで2会合連続の利上げに踏み切っており、エネルギー価格高騰が世界の金融政策に与える影響の大きさが浮き彫りになっています。

メタ、従業員2割削減を計画 AI巨大投資でコスト圧迫

米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が全従業員の20%超に当たる人員削減を検討していることが分かりました。事情に詳しい関係者によれば、同社は人工知能(AI)分野への巨額投資に伴うコスト増に対応するため、大規模なリストラに踏み切る計画です。メタは現在約7万9千人の従業員を抱えており、仮に2割の人員削減が実施されれば、2022~23年に実施した「効率の年」と称するリストラを上回る過去最大規模の削減となります。ザッカーバーグCEOは生成AI競争で先行すべく、2028年までにデータセンター構築に6000億ドルを投じる計画を公表しており、AI人材確保のため巨額の報酬提示も行っています。経営陣は「かつて大人数を要したプロジェクトが、今や極めて優秀な少人数で遂行できるようになりつつある」とAI導入による効率化効果に言及しており、人員削減で生み出したリソースをAI分野に振り向ける狙いです。この報道を受けて同社株は上昇しており、市場では大幅なコスト削減による収益改善期待が広がっています。

ブラックロック、ステーキング報酬付きETH連動ETFを上場

世界最大の資産運用会社である米ブラックロックが、暗号資産イーサリアム(ETH)に連動しつつステーキング報酬を分配する新しいETF(上場投資信託)を立ち上げました。同社の「iShares ステーキング型イーサリアム信託」(ティッカー:ETHB)はナスダック市場で取引を開始し、初日に約1億ドル(約130億円)の運用資産を集める好調な船出となりました。このETFは投資家に現物のイーサリアム価格へのエクスポージャーを提供すると同時に、基礎となるETHをブロックチェーン上で預託(ステーキング)して得られる報酬を分配金という形で受け取れる点が特徴です。従来のETFと同様に証券口座で売買できる手軽さから機関投資家の関心を集めており、低金利環境下で利回りを伴う暗号資産投資手段として注目されています。ブラックロックの幹部は「ビットコインとイーサリアムの需要が圧倒的だ」と述べており、今回の新ETFはイーサリアムへの投資需要を取り込むことで、暗号資産市場のさらなる裾野拡大につながるとの期待も出ています。

NVIDIA、AI需要で2027年までに売上高1兆ドル目標を発表

米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)は、自社の人工知能(AI)向け半導体の累計売上高が2027年までに1兆ドル(約133兆円)に達する可能性があるとの新目標を明らかにしました。これは昨年時点で示していた2026年までの見通し(約5,000億ドル)を1年延長したもので、想定される売上規模はほぼ倍増します。同社の黄仁勲(ジェンスン・フアン)CEOが自社イベント「GTC」で行った基調講演で示したもので、生成AIブームによる計算需要の爆発的増加が背景にあります。NVIDIAは2026年以降に次世代GPU「ブラックウェル」「ルービン」などを投入し、データセンターや自動運転など幅広い分野での需要を取り込みにいく戦略です。市場ではすでにAI半導体需要の拡大を織り込んでいたこともあり、この野心的な新目標に対する投資家の反応は限定的でした。発表後のNVIDIA株は一時5%近く上昇する場面があったものの、その後伸び悩み終値では前日比+1.6%の上昇にとどまっています。今回の見通しは将来への強気のシグナルである一方、さらなる成長期待が高まることで投資家からのハードルが一段と上がる可能性も指摘されています。