先週、米国のシリコンバレー銀行が破綻し、12日にはニューヨークのシグネチャーバンクも事業停止を強いられました。
2行はステーブルコインのUSDCの主要上位取引行であり、USDCは週末は一時12%の乖離がありました。
しかし、アメリカ当局の預金の全額補償が発表され、安心感から今は完全に乖離無しの状態戻っています。これにより暗号通貨市場は急騰し、BTCは現在24,400ドル台まで回復しています。
しかし、株式市場の混乱は引き続いており、日経平均は3月9日の高値から1,500円以上下落しています。そしてアメリカ株では地銀の売られ方が物凄いです。
ファースト・リパブリック・バンクの株価は一時79%安と記録的な急落に沈み、あまりの変動に数回にわたって取引が停止されました。
ウェスタン・アライアンス・バンコープは一時85%安で上場来最大の下落率です。
パックウェスト・バンコープは60%下げ、過去最安値を更新しました。
地銀での取り付け騒ぎが継続したときに、どこまで当局が預金全額補償を行うのか?
破綻連鎖が起こらないかは継続して注意して見守る必要があります。
↓↓【米銀行が連続破綻】今週の金融市場はどうなる?↓↓
米CPIは本日夜発表
本日公表の2月の消費者物価指数(CPI)では、食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.4%上昇と3カ月連続で同率の伸びを示すと予想されています。
ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値によれば、前年同月比では5.5%上昇の予想となっています。
順調にインフレ率は下落
1月のインフレ率は6.4%でしたので、当局の目指す2%には程遠いものの、順調にインフレ率は下落しています。
今夜発表されるインフレ率が予想よりも低くなれば、FOMCでの利上げが低く抑えられることにつながりますので金融市場は素直に好反応を示すでしょう。
暗号通貨市場の一段の上昇も見込めると思います。
↓↓前回のCPIの発表後の市場の動きは?↓↓
2年債金利急落
米2年債利回りは昨日、約61ベーシスポイント低下しました。1日の低下幅としてはポール・ボルカー氏がFRBを議長として率いていた1980年代初頭以来最大で、1987年のブラックマンデー当時を上回りました。
1987年までさかのぼり、2年債利回りの2営業日での大きな下げをまとめてみると、
87年のブラックマンデー
89年のミニクラッシュ
2001年9月11日の同時多発テロ
08年9月のリーマンショック
最近の金融史に残る危機的状況が上位を占めていました。
今回の急低下はそれを大きく超えているのです。
金融混乱がすぐに収まると考えるのは時期尚早で、本格的な混乱がこの後くる可能性は高く、慎重に見ていくことが得策だと思います。
↓↓アメリカ経済の歴史 10年毎の振り返り↓↓
FOMCの利上げが止まるのか?
ここで直近の専門家達の今後の利上げについてのコメントをまとめました。
ゴールドマン・サックス・グループとバークレイズはFOMCが来週の会合で引き締めサイクルを一時停止すると予想。ゴールドマン・サックスは最近の米銀行システムへのストレスを受け、連邦準備制度が来週、引き締めサイクルを一時停止すると予想し、今後数カ月の金利の道筋を巡る不確実性に言及しました。
ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルは13日、FOMCは政策金利を0.25ポイント引き下げ、量的引き締め(QT)を停止するとの見方を示しました。
「迫り来る金融安定リスクに対応し、連邦準備制度が利下げするとわれわれは現時点で予想している。またQTの停止に動くと見込んでいる。QT停止はそうでない場合に比べ準備金の額をより潤沢に保つことに役立つはずだ」
PIMCOのダニエル・アイバシン最高投資責任者(CIO)は ” 小規模な米銀が抱える金融ストレスを理由に米金融当局は早ければ今月にも利上げサイクルを休止する可能性がある ”とコメントしています。
次週のFOMCで利上げが止まるようなことになれば、市場の安心感は広がり、地銀で起こっている取り付け騒ぎは収まり株価は急騰し、暗号通貨市場上昇の後押しになるでしょう。
今はどちらにも振れる可能性があり、今週は日々継続した市場ウォッチが重要になりますね。
AI TRUSTでは強く賢く生き抜く力を得るための様々なヒントをメルマガでも毎週配信しています。
今すぐこちらから登録をどうぞ!!