先週はCPIショックで暗号通貨市場は大きく下落し、更にMergeでのファクトセルが出て、ETHの価格は大幅に下落しています。19日朝9時時点でのETHの価格は1,335ドルとなっています。
過去3ヶ月のチャートを見ると、8月の半ばに2,000ドル前後が天井になり、CPI発表前にはMergeに向けた買いが続きましたが、CPIショック、ファクトセルで、8月の上昇前までの水準まで下落しています。
この後の市況次第では、1,000ドル前後までの下落も覚悟する必要もでてきました。
FOMCとは?
今週の市場の動きを決定することになるのは20日、21日に行われるFOMCです。まずはFOMCについて改めて詳細を理解してみましょう。
FOMCとは「Federal Open Market Committee」の略で、日本語では「連邦公開市場委員会」と呼ばれています。FOMCは米国の金融政策を担う最重要機関。12人の主要メンバーで構成されており、通常は会合を年に8回開催します。
世界一の経済大国である米国の金融政策を決定するFOMCの会合は、金融市場に大きな影響を与えることが多いため、投資家が注目する重要イベントです。FOMCで金利政策も決定され、FRB議長により発表されます。
12人のメンバーは、米連邦準備理事会(FRB)の理事が7名、ニューヨーク連邦準備銀行の総裁が1名、他地域の連銀の総裁4名で構成されています。ニューヨーク連銀以外の総裁は、1年ごとに交代で所属する仕組みです。
FOMCでどう市場は動くのか?
多くのエコノミストは20、21両日のFOMC会合で、100bpよりは小幅な75bpの利上げが決定される可能性が最も高いとみています。しかし、8月のコア消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなったことから、FOMCが大きく動くリスクもゼロではありません。金利先物の動向によれば、100bp、1%の利上げが行われる確率を約24%織り込んでいます。
CPIショックでの暗号通貨市場下落も大きく、先週土曜日は暗号通貨市場も買われたことで、この勢いが連休中、FOMCまで続くと考えていましたが、日曜日から本日にかけては一段安となっています。
本日夜のNY株式市場次第になりますが、FOMCまでは様子見、慎重な動きとなる可能性が高くなってきました。大きくNASDAQを中心とした米国株が下落するようであれば、暗号通貨市場も更に下に引っ張られる可能性も高いと考えておくべきでしょう。
当日の利上げが75bpで収まれば、そこから買い安心感から株式市場、暗号通貨市場も売られすぎからの押し目買いにつながる可能性が高いです。短期的な売買では狙い目になります。
100bpの利上げとなった場合、市場では再度のショック安になる可能性が高いと考えておくべきでしょう。
NASDAQも大きく下げますし、暗号通貨市場も下落します。
ただしあくまでもこの辺りも当初からの想定内の値動きです。
高いインフレはほとんど全ての金融市場を下落させ逃げ場無し
今起こっている世界中の高いインフレは、殆どの人にとって経験のないことです。特に長くデフレが続いた日本人にとっては、物価の上昇というのは30年以上ぶりのこととなりますから、市場がどのように動くのかはほとんどの投資家にとって予想が難しいです。
コアインフレが高い上昇が続くということは、積極的な金融引き締めが行われることを意味します。そしてこれにより、需要は短期的に減退し、大半の資産価格は下落することになります。インフレに強いというわれる商品市場も乱高下をし、多くの投資家が損を被っています。
最近はそんなことを言う人もほとんどいなくなりましたが、以前はBTCは金と同じようなインフレ資産だとみられてきました。しかし、これは幻想であり、今の暗号通貨市場はNASDAQとの連動性が高くなっており、更に言えばインフレ率・金利動向からの影響が大きいです。
年内はFOMCの利上げは続きますし、市場から資金は継続的に吸い上げられますから、利上げが落ち着くまでは金融市場全体の混乱、下落基調は続き、暗号通貨市場も重い展開が続くと考えるべきでしょう。
米金利と米国株の相関性
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