夢の年収1000万世帯?
年収によって生活は変わってきます。もちろん世の中お金が全てではありませんが、ある程度の収入がないと自由な生活が送れないと考えている人も多いのではないでしょうか。今回は、夢の年収1000万の表と裏について書いてみたいと思います。
年収1000万世帯
年収1000万円以上の世帯割合は、全世帯の10%以上、個人では4%と言われています。格差社会と言われる中で、さらに今後は、中間層がいなくなってくるとも言われています。年収1000万円と言えばどのようなイメージがありますか?
・セレブ
・自由
・贅沢な暮らし
・なんでも買える
・高級車
・ブランド品
最近選挙があった東京都知事の年収が、2000万円。東京都を背負っている人でもそれいくらいと考えると、いかに1000万円という数字がハードルが高いかというのが分かりますね。年収1000万のサラリーマンで言えば、手取りが50万円、ボーナスが100万円〜200万円くらいでしょう。
そして、共働きのケースが多いので、夫・800万:妻・200万などといったケースが多いようです。2020年の日本の最新の平均年収が、441万円(中央値、360万程)ですので、いかに1000万円が高所得であるかということです。
職業としては、大手企業のサラリーマン、医師や官僚などの専門分野が高所得が多く、また企業家などの経営者も入りますが、浮き沈みが激しいので安定した年収を継続するのは軌道に乗るまで厳しいと言えます。
1000万所得の苦労、税金
高額所得者は、納める税金も当然高額になります。住民税や所得税などの税金、社会保険 (健康保険・雇用保険・厚生年金)などがかかってきます。
これは、年収(基本給)から差し引かれますので、残った手取りでいえば、700万〜800万程度となります。ですので、「1000」という数字で日頃の生活をしていると後々痛い目にあうということですね。
高額所得者が、生き辛い世の中
大手企業の高額所得者と言えば、常にノルマや部下からのプレッシャーもあります。最近では、管理職にたいして早期退職を促す企業も増えてきています。
これは、年収の高さが企業からすればコスト負担になっていることが考えられますが、もちろん経験値と実績で年収は上がっていったのが現状でしょう。しかし、このご時世で企業側がついてこれていないケースもあるということです。
某大手新聞社は、45歳以上の人を対象に早期退職を募りました。それほど、人件費がかさむということで、それなら若い人材に安い人件費で仕事を回す方が、無難であるという考え方も見え隠れしていて、頑張れば頑張るだけ成果が出る・・ といった業種はこの時代では少ないでしょう。高額所得というプレッシャーも働く側からすると、生き辛い世の中になっているとも考えられるわけです。
年収1000万でも貯金ゼロ
高所得者層には、高所得者層の悩みが日常の生活からもあります。それは貯金にも現れています。収入が多い=貯金が多いではないということです。
年収1000万〜1200万円の単身世帯で、貯金ゼロは、実に”45%”というデータも出ています。貯金が出来ないのは、低所得者層とどうしてもイメージしがちですが、高所得者層の中にも、貯金ゼロで、月末の給料を心待ちにしている人が多くいるということです。
生活水準をどうしても変えられない
与えられた金額内でやりくりをしてくださいといわれたら、皆さんはどうでしょうか? ある程度、工夫をしたり、節約をしたりして過ごしますね。
では、年収1000万円で1年暮らしてくださいといわれたらどうでしょう?
もちろん、達成している方もいるでしょうが、平均世帯の人々なら舞い上がってしまうのではないでしょうか。まずは、欲しいものを買い、好きな物を食べ、子供に習い事などをさせる、これが生活水準の向上ですね。
このような、生活水準の向上は、当然の現象といえます。しかし、このコントロールが出来ていないと、いくらお金があっても足りない状況となります。東京でいえば、少しワンランク上のの住まいにするだけで、月々の家賃がかさみます。
そして、付き合う人たちも高所得者層が多いとなると、どうしても見栄も出てくるでしょう。中には、借金をしてしのぐ人もいるようです。1000万以上世帯には、1000万円以上世帯の悩みがあるのです。
お金を稼いでも、幸福度が上がりにくい金額
人は年収900万円を超えると、それ以上お金を稼いでも幸福度が上がりにくくなるといわれています。
ノーベル経済学賞を受賞した米プリンストン大学の心理学者、ダニエル・カーネマン教授の研究では、感情的幸福は年収7万5000ドル(約900万円)までは収入に比例して増えますが、それを超えると比例しなくなるようです。
映画やドラマなどでも、お金がなかった時代から一緒に過ごしているカップルが、望みを叶えた(高収入になった)後に、「あの頃の方が幸せだったね・・」といったセリフを聞いたことがありますが、貧しいなら、貧しいなりの楽しみがあり、実は、それはお金が増えると見えなくなってしまっているということなのかもしれません。
バランスを絶妙に保つことで幸福度は上げられるかもしれませんが、周囲からみえる様子とは違い、高収入世帯は今の生活に満足していないのかも知れません。
本当の高所得者:知り合い事例
僕の知り合いで、山などを保有していたり、年収が多いわけではありませんが、莫大な財産を築いている方がいます。
しかし、その方はだれがどう見ても、世間でいう「お金持ち」には見えません。着古したシャツに、何年も被り続けている帽子でせっせと畑をいじっています。
食べ物に関しても、日々の生活に関しても決して贅沢をしません。どちらかといえば、節約思考です。
どれだけ、資産を築いても、年収が増加しても、昔と変わらないスタンスを持ち続けられる人というのが、年収という目先のものではなく、トータル資産を築き上げることができるのではないかと感じさせられます。
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