お金の話

【 長者番付2021年 】世界で富の異変が起こっています

長者番付2021発表

米経済誌フォーブスから2021年版の世界長者番付を発表しました。長者番付とは、毎年公開されるもので、国における権力や支配的な地位によって富を所有している独裁者や王室などは除外した世界の個人資産番付です。リストに掲載されている個人の純資産は文書化された資産と負債の会計に基づいて算出され、米ドルによって表記されます。

4年連続1位、ジェフベゾス氏

2021年の長者番付けも、首位をジェフ・ベゾス氏がキープしました。保有資産1,770億ドルとなり、4年連続です。ジェフ・ベゾス氏は2021年2月2日に、アマゾンの最高経営責任者(CEO)を2021年7~9月期(第3四半期)に退任すると発表し、その後は会長に就く予定です。

圧倒的な強さ、イーロンマスク氏

大幅に順位を上げたのが、2位になった米電気自動車大手テスラCEOのイーロンマスク氏。
前年は31位からの、資産額を1,200億ドル超増やしています。年始には、ジェフ・ベゾス氏を一時抜き、首位にもなっており、その勢いはこれから先も続くことが予想されます。

常連のウォーレンバフェット氏が脱落

上位5位を常にキープしていた、株式会社の形態をとった投資ファンドのバークシャー・ハサウェイCEOのウォーレンバフェット氏。今回は前年4位から6位へと順位を下げています。

49歳のイーロンマスク氏の前年31位からの急上昇、90歳のウォーレンバフェット氏が順位を下げるのを見ると皮肉ないい方になりますが、時代の変化、世代交代を感じます。とはいえ、ウォーレンバフェット氏も960億ドルと前年度よりも資産を大きく増加させており、安定した成果を出しています。

世界の長者番付トップ10

世界の長者番付トップ10は以下の通り

1位:ジェフ・ベゾス/1,770億ドル(米国)
2位:イーロン・マスク/1,510億ドル(米国)
3位:ベルナール・アルノーと家族/1,500億ドル(フランス)
4位:ビルゲイツ/1,240億ドル(米国)
5位:マーク・ザッカーバーグ/970億ドル(米国)
6位:ウォーレン・バフェット/960億ドル(米国)
7位:ラリーエリソン/930億ドル(米国)
8位:ラリーペイジ/915億ドル(米国)
9位:セルゲイブリン/890億ドル(インド)
10位:ムケシュアンバニ/845億ドル(インド)

昨年2020年のジェフベゾスは、資産額は1,247億ドル、2位だったビル・ゲイツの資産額は1,034億ドルでした。これらのことから、いかに今年増えているかが分かります。

格差拡大

コロナ禍で世界が不況に陥る中で、格差は拡大しています。米国のビリオネアの資産総額は2020年3月からこれまでに1兆ドル以上も増え、増加率が34%を超えたことが明らかになっています。つまり、「コロナショック後に資産が増加している」ということです。

これは、世界中央銀行の大規模な金融政策による、株価などの金融商品の上昇や、コロナ禍で生活を見直される中で、うまく波に乗り売り上げを上げられているということが背景にあります。

米国のビリオネアトップ5の資産額の変化は以下の通り

1、ジェフベゾス(増加率:61.4%)
2020年3月18日:1,130億ドル
2020年11月24日:1,824億ドル

2、イーロンマスク(増加率:413.0%)
2020年3月18日:246億ドル
2020年11月24日:1,262億ドル

3、ビル・ゲイツ(増加率:21.8%)
2020年3月18日:980億ドル
2020年11月24日:1,194億ドル

4、マーク・ザッカーバーグ(増加率:85.9%)
2020年3月18日:547億ドル
2020年11月24日:1,017億ドル

5、ウォーレン・バフェット(増加率:30.8%)
2020年3月18日:675億ドル
2020年11月24日:883億ドル

格差がさらに浮き彫りになっているのは、米国の個人保有の資産額を見ると分かりやすいです。米国の個人保有資産は、現在全体でおよそ112兆ドル。

・上位1%の保有額:34兆2,300億ドル
・上位2%から10%の保有額:43兆900億ドル
・10%から50%の保有額:32兆6,500億ドル
・下位50%の保有額:2兆800億ドル

上位1%で112兆ドル中の34兆ドル以上を締めているという格差が生まれています。

日本の長者番付にも変化

日本人からは、29位に孫正義氏(454億ドル)、31位に柳井正氏と家族(441億ドル)が入っています。昨年の1位、2位が入れ替わった展開となっています。日本人のみの長者番付は以下の通り。

1位:孫 正義/454億ドル(ソフトバンク)
2位:柳井 正/441億ドル(ファーストリテイリング)
3位:滝崎武光/258億ドル(キーエンス)
4位:永守重信/87億ドル(日本電産)
5位:高原豪久/79億ドル(ユニ・チャーム)
6位:三木谷浩史/67億ドル(楽天)
7位:似鳥昭雄/52億ドル(ニトリ)
8位:重田康光/49億ドル(光通信)
9位:安田隆夫/43億ドル(ドン・キホーテ)
10位:伊藤雅俊/40億ドル(セブン&アイ・ホールディングス)
10位:森 章/40億ドル(森トラスト)
10位:野田順弘/40億ドル(オービック)

皮肉なコロナ禍の資産

フォーブスによると、長者番付リストに掲載された億万長者の数は爆発的に増えており、その中の8割超が1年前より裕福になっているという皮肉な成果となっています。世界をリードする人たちとはいえ、この辺りは資本主義とはいえ、問題視されないのか?経済弱者が増える現状を見ると疑問に思うこともあります。

ABOUT ME
Hatanaka
投資歴16年。過去には様々な投資案件を行ってきており、為替FX、暗号資産(仮想通貨)分野に精通しており、現在は、トレーダー講師としても活躍中。