アメリカ国内の新型コロナウイルスに感染者数は増え続け、今や世界でも1番の感染者数となっている。
今回の新型コロナで大規模な支援策を矢継ぎ早に発表しているが、このままいくとアメリカ経済自体が崩壊するリスクも懸念される。今時点、アメリカで起こっている事をまとめてみた。
アメリカ経済は既に崩壊状態にある
アメリカ国内では、現時点で既に破綻している企業もどんどん出てきており、この後、さらにこの現象は拡大するだろう。
日本でも同様の事が起こる可能性が高く、このあたりはしっかりと目を通しておいて欲しい。
ディーン&デルーカが破綻
ディーン&デルーカ(DEAN & DELUCA)を展開する米国Dean & Deluca Inc.が、米連邦破産法11条の適用を申請したとブルームバーグが報じた。負債額は約5億ドル
シェールオイル企業の破綻
米シェールオイル生産のホワイティング・ペトロリアムは1日、米連邦破産法第11条(民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。原油相場の急落による上場企業の破綻は初めて。時価総額は米国がシェールブームで沸いた2011年にピークの150億ドルを付けていた。 昨年末時点でホワイティングの負債総額は28億ドル、保有現金残高は5億8,500万ドル強だった。今後数カ月にエネルギー部門でさらにデフォルト(債務不履行)が増えると予想される。
自動車販売数は大幅落込み
GMの販売台数は前年同期比で7.1%、クライスラーは同10%余り、それぞれ減少した。フォルクスワーゲンや現代自動車、ホンダ、マツダなどは3月に40%を超える減少率となった。トヨタ自動車の販売台数は3月に前年比で37%減少。ホンダの3月の販売台数は前年比で48%減となった。
失業率はどうなっているか?
米国では新たな失業保険の申請件数が3月15日から21日までのわずか1週間で328万3千件と、前週の約12倍増と記録的な急増となった。ミシガン大学のジャスティン・ウォルファーズ教授の試算によれば、この調子で失業者が増加を続ければ8週間後の5月中旬には失業率が1933年の世界恐慌期に記録した米史上最高の24.9%と並ぶという。一方、セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁は失業率が6月までに30%に上昇するとのさらに厳しい予測を示した。
GDPは大幅に落ち込む
ゴールドマン・サックス・グループは31日、米失業率が15%に悪化し、4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)は年率34%減となるとの見通しを示した。
医療崩壊
ワシントン大学の研究者の分析予想によれば、米国における新型肺炎の治療でピーク時と予想される4月の第2週には全米で64,000床の新型肺炎患者用ベッドおよび19,000台の人工呼吸器が不足する。恐れられていた医療崩壊が現実になる。ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策調整官であるデボラ・バークス博士は、旅行や人の集まりを一切規制しない最悪のシナリオでは、160万から220万人が死亡すると明言している。
著名投資家ジム・ロジャーズ氏の発言
世界の株式相場は四半期ベースで2008年の金融危機以来最大の下落から回復を試みるものの、状況はさらに悪化するとベテラン投資家ジム・ロジャース氏は述べた。
「今後数年は、私の人生で最悪の弱気相場になると予想する」と語った。さらに、経済への新型コロナの影響は「多くのダメージを踏まえればすぐになくなることはない」との見方を示した。
株価はどうなる?
トランプ大統領誕生を言い当てた著名投資家のジェフリー・ガンドラック氏は、米株式市場が4月にさらに売り込まれ、3月につけた底値があっさり抜けると予測する。一部の市場関係者が推す米経済V字回復説についても、ほとんどあり得ないと斬り捨てた。
市民生活が崩壊する
英調査企業パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミストであるイアン・シェファードソン氏は、「2019年のFRBのデータが示すように、米世帯の40%が400ドルの緊急時用の蓄えさえ持たない。また、昨年のデータでは米世帯の53%が非常用資金をまったく持たない」と指摘しており、多くの失業者にとって生活困窮は1,200ドルの現金給付を受けたり、住宅ローン・学費ローンや家賃の支払いを数か月先にずらしてもらう措置で解決できる規模の問題ではない。今後予想される失業率を考えると、多くの市民生活が壊滅的な打撃を受け、崩壊することは確実となる。
小規模企業、店舗の多くが破綻する
小規模企業の半数は27日を持ちこたえられるだけの現金しか保有していないとの研究がJPモルガン・チェース研究所から出されている。移動規制が長期間に渡ることで、これらの企業、店舗の多くは破綻することになる。
住宅市場も壊滅的打撃
失業者の増加により、住宅ローンの支払ができない家庭が大幅に増加する。住宅ローン支払いの繰り延べで、仮に1,250万世帯が6か月間支払いを猶予されれば、金融機関や住宅ローンの債権回収会社を中心に最大1,000億ドルもの損失が生じる恐れがある。 そして支払い不能により多くの住宅は差し押さえられ市場で投げ売りされることになる。米不動産市場はどん底に落ちていく。
大企業も同様に破綻リスクに面している
スイスの金融大手UBSのストラテジストは、「1兆ドル以上の企業負債が返済不可能になっている可能性があり、レバレッジをかけて資金調達をしている格付けの低い社債や、売上高が10億ドル以下の中規模企業が発行するミドルマーケット債の発行体が倒産の危機にある」と発表。
米格付け調査大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは3月30日、前回の金融危機時の2009年から78%も膨れ上がり、6兆6,000億ドル規模に達した非金融セクターの社債に対する見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。
商業用不動産も凍りつく
全米規模のロックダウンで収入の道が絶たれたホテル業界が全体で860億ドル規模の借入金を返済できなくなり、商業用不動産担保証券の市場が凍り付き、商業用不動産価格が暴落する、市場がフリーズすることも予想される。
国家は破綻する
金融危機に関する研究の大家であり、『国家は破綻する―金融危機の800年』の共著者であるハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は、「いったん金融危機になってしまえば企業は従業員もサプライヤーの取引先も失い、素早く回復することはより困難になる。長引けば富の破壊は不可避となり、信じ難いレベルに達する」と懸念を表明している。
同大学のカーメン・ラインハート教授も、「1930年代の大恐慌以来、世界貿易が停滞する一方で世界的にコモディティ価格が崩壊し、同時に不況に突入する状況は今回までなかった。ロックダウンと社会距離政策は人命を救うかもしれないが、巨大な経済的犠牲を伴う。医療危機は金融危機になり得る」と警鐘を鳴らしている。
アメリカで今後起こり得ること
失業率が極端に高くなる中で、中小企業の破綻も相次ぎ、雇用すること自体ができないことも予想され、アメリカという国自体は実質雇用主となりインフラ整備等の事業を大々的に行う事は予想できる。アメリカの交通インフラを含む様々なインフラは手つかずの状態になっているものが多く、それを改善するには良い機会になるかもしれない。
フードスタンプという食料補助対策は更に拡大され、食料品、生活必需品は配給されることになるだろう。
不動産についても国が多くを買い上げ、それを住居として低価格で開放することも行うかもしれない。
このあたりの策を大規模に行うとなれば、220円規模の現在の経済対策とは別で、500兆、1,000兆円、2,000兆円レベルの経済対策となる。ドルは刷られ続けることになる。
世界中の多くの国からドルが流出する状況の中で、世界中の多くの国がドルを欲している。アメリカは大規模経済政策を行うことで、経済崩壊は逃れられるかもしれない。
しかし価値の裏付けのないドルが世界中に大量にばら撒かれることで、ドルの価値、世界中の紙幣の価値はどんどん下落する可能性はますます高くなった。破壊的なインフレ、ハイパーインフレとスタグフレーションが世界同時、多発で起こるリスクが高くなっている。
この後どうなるのか?
それは日々の具体的な企業活動の実際の数字を見て、長期的に判断する必要があるが、これは非常に難しい点も多い。
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