大衆心理とは
投資やトレードをする人は、大衆心理を意識しています。チャートを使ってトレードする上でも、PC画面の向こう側にいるマーケット参加者の考え、心理を意識することは重要です。
そんな大衆心理ですが、これがどういう状態かと説明しますと、「自分以外の集団の意見に流されてしまう状態」をいいます。
この大衆心理の厄介なところが、「仮にそれが間違っていても、大勢が揃って支持すると説得力が増す」というところです。
説得力の部分を投資でいえば、仮に大勢の投資家の心理が買いに偏り、それはマーケットにとって間違った方向であっても一時的に大きく買われるということです。
投資以外でも通常の生活でも大衆心理、群衆心理は日々みられます。通常で見られる大衆心理を事例を用いて説明し、そのあと投資についてを解説します。
メディアジャック
日常生活で最近起こっている目立つ内容と言えば、新型コロナウィルスの件ですね。この内容でも大衆心理が大きく動かされています。
マスコミが、一つの情報を一気にジャックしたときは要注意です。メディアジャックが意図的に行われているかどうかの判断は多くの人はしません。失礼な言い方をすれば、そこまで深く考えず、マスコミの流す報道=正しいと信じているからです。
当然、正しい報道もあります。しかし、意図的に動かされている、もしくはマスコミですら裏が取れていない情報は、山のようにあるのです。それがメディアをジャックすれば、国民はそれを信じてしまい、それこそが真実に変わることもあります。わかりやすいメディアジャックでいえば、エンタメ報道がそうです。
芸能人の情報は、視聴率が取れるという側面もありますが、同じタイミングに、裏でとんでもない大切な法案が通されていることもあります。これが、大衆心理を狙った報道です。
ショック・ドクトリン:マスコミが騒ぐ裏で起こる重要な真実とは?
不安を煽ったマスク、トイレットペーパー騒動
最近は日々テレビをみていて、新型コロナウィルスの報道を見ない日がありません。新型コロナウィルスは未知のウィルスですから、専門家の間でも意見が分かれており、なかなか統一がない状態です。しかし、国内で一気に新型コロナウィルスの報道がされた際に、同時に話題になったのがマスク不足です。
これは、マスクをすれば感染予防になるといった正しい報道から来ていますが、ここから一気にマスクが買われ在庫不足となりました。その空の棚を報道で流すとどうでしょう。
「みんなが買っている、自分ももっと買っておかないと」
といった感じで、買いが買いを呼びました。朝からドラッグストアには長蛇の列、ネットでは高額で転売されるも売れに売れました。転売に関しては法規制が入りましたが、実際の大衆心理で一気に国民が動いた分かりやすい事例となりました。
コロナの際のトイレットペーパー騒動も大衆心理
さらには、意味不明のところから発生したトイレットペーパー騒動。これは、オイルショック時に買えなくなったということから来ていますが、人々は最低限の生活を守りたいという中で、特に不足していたわけでもないトイレットペーパーが、国内だけでなく海外でも同様に買われ、一時需要と供給のバランスが大きく崩れ、売り手が追いつかなくなりました。これらが大衆心理という状況です。
https://ai-trust.info/mask/
投資、トレードで起こる大衆心理とは
さて、上述は人の恐怖や、商品不足への不安などでの心理の現れですが、ここからは、同様なことが投資でも顕著に現れるというお話です。
現在がまさに分かりやすい例ではないでしょうか。コロナ禍で株価は大暴落しました。しかし、投資をしたことない人々の間で、「今が買い時」という心理が働いた、もしくは働かせた人たちがいるのではないでしょうか。
ニュース報道でも、金融政策で投資マネーがじゃぶじゃぶと流れる・・ これは事実でもありますが、ここで買いが膨らんだのは、投資家の心理もあるでしょう。
大衆心理を理解して投資をし、理解して撤退する
株価は好調です。3月末から買いで入った人は、見事にその後の大衆心理も後押しして、利益を得る機会に恵まれているでしょう。
しかし多くの著名投資家は、経済悪化の中でのこの状況に違和感を覚えています。「ここまでの上昇に意味があるのだろうか?」と。新型コロナウィルスは収束する兆しすら見られません。
経済は、”最悪期よりも良い”という期待感での上昇ですが、ここには心理的な要因もかなり含まれています。この大衆心理でいえば、「これだけ株価は買われているけど、一向に経済はよくならない、そろそろヤバイのではないか?」といった心理に傾きつつあります。
これは、だから売りとか買いとかではなく、大きく一方向に傾いたときは要注意であるという認識をしていただければと思います。もちろんその心理を意識しつつ、チャート分析を用いてトレード、投資も可能です。
上がると思う人が多ければ上がり、下がると思う人が多ければ下がる
多くの人が上がると思えば買われます。もっと上がると思えばもっと買われます。そして上昇します。そして逆も然りです。下がると思えば売られます。もっと下がると思えばもっと売られます。そして下落します。この中に大衆心理が入っているということです。
例えばドル円が、100円や105円から買われやすいのは何故でしょうか?
これは、GPIFが買っているということもあります。それを知って買っているという人もいます。さらには、節目は買われやすいと思って買っている人もいます。このように、「買われる情報が多い」ことで、そのようになりやすいということです。大衆心理をうまく味方につけて投資をすることは非常に重要です。
なぜ買われているのか?売られているのか?マーケット参加者の気持ちになって考えてみてください。これを繰り返すことで、今は危険な状態かもしれないといった判断や、逆にここは攻めるときだ、などの判断が自然と身についてきます。
マーケットの原理原則を理解し、自分自身の原理原則を作り上げて見ることで、危機回避能力が磨かれるのです。
毎週1回情報をまとめてお送りします。
AI TRUSTでは日々の金融市場に影響を与えるニュースを独自の視点から解説を行っています。是非ご自身の投資指標としてご活用ください!!