コロナ特集

スウェーデンの集団免疫実験は成功するのか?

スウェーデンの集団免疫人体実験に国内から反対も

ロックダウンを行わない独特の新型コロナ対策で知られるスウェーデンで、感染者が増え続けている。米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によれば、5月21日時点での感染者数は下記の通り。

感染者:31,323人
死亡者:3,831人
死亡率:12.2%

これは、感染者が1,000人を超える国の中で6番目に高い割合で、現在の感染拡大の中心地で死者数も最多のアメリカの約5.8%、ウイルスの発生源とされる武漢市がある中国の約5.5%と比べても2倍以上の高さなのである。

新型コロナの感染拡大を抑える対策としては、北欧諸国も含むヨーロッパの多くの国が国内全域でのロックダウンを行い、厳しい移動規制を敷いている。こうしたなか、スウェーデンは全国的な移動規制や外出制限をしないという独自路線を貫いており、ストックホルムの通りの人でもカフェの客入りも普段通りに行われている。その緩い対策は、世界的にも論議を呼んできた。

ドナルド・トランプ米大統領は4月30日朝、公式アカウントにツイートを投稿し、この中で下記のように主張している。

封鎖措置を取らなかったスウェーデンは、その決定の手痛い代償を払っている。同国では死者数が2,462人にのぼっている。近隣のノルウェー(207人)、フィンランド(206人)やデンマーク(443人)よりもずっと多い。アメリカは正しい決断を下したのだ!

圧倒的に高い死亡率

スウェーデンはこれまでに31,323人が新型コロナに感染したと報告しており、このうち3,831人が死亡している。感染者の死亡率はノルウェーの6倍近く、同じ北欧のフィンランドやデンマークと比べても3倍近くにのぼる。

かつて中国以外で最も高かったイランの感染者死亡率の約6.3%も、スウェーデンの半分ぐらいである。感染者数を見ても、スウェーデンの感染者数はデンマークの2倍以上、ノルウェーの3倍近くで、フィンランドの4倍以上に達している。

そして感染者の回復状況も思わしくない。スウェーデンは4月に何度か感染者の回復を報告しており、最も多かった25日には一気に455人が回復したと発表しているが、それ以外の報告は行われていない。その一方で、感染拡大が始まった3月上旬から、新たな新規の感染者の数は増え続けており、同国の公衆衛生当局によれば4月29日には新たに681人の感染が確認された。

集団免疫の効果は?

新型コロナの感染拡大に対するスウェーデン独自の対策は、ウイルスにさらされる人の数を増やすことで集団免疫を形成し、感染拡大の第2波を防ぐという作戦の一環だとされている。

スウェーデン公衆衛生局の疫学者であるアンダース・テグネルは4月下旬にBBCラジオの番組に出演し、「我が国の死者のうち少なくとも半数は、高齢者施設の中で集団感染した人々だ。封鎖をすれば感染拡大を阻止できる、という考え方は理解しがたい」と主張。

スウェーデンの方法は、ある意味で功を奏している。私たちの医療システムが崩壊に追い込まれていないことがその証拠だと述べた。

国内では批判の声もあがる

異例の対策には、国内の一部専門家から批判の声も上がっている。カロリンスカ研究所のセシリア・セーデルベリ・ナウクレル教授もそのひとりだ。今すぐストックホルムを封鎖する以外に選択肢はない。国が完全な混乱状態に陥ることがないように、状況をコントロールすることが必要だ。

外出制限をしないという方法は、これまで誰も試していない。それなのになぜ、国民の同意なしに、スウェーデンが初めてその方法を試さなければならないのか? と述べている。

16歳未満の子供は通常通り学校に通っている

スウェーデンでは、高校や大学は閉鎖されてオンライン授業になっているが、16歳未満の子どもたちは今も学校に通っている。レストランやバー、カフェやナイトクラブも着席スタイルのサービスは許されており、買い物は普段どおりにできる。
アフターコロナに実験結果が明らかになるだろう

スウェーデンの集団免疫が正しかったかは後々分かる

スウェーデンの選択した集団免疫が正しかったのかどうかは、アフターコロナの時代にはっきりすることになるだろう。そして、第二波、第三波が訪れた時に、効果は明確にわかることになる。良し悪しの議論は別におき、これだけの事を判断し実行すること自体の実践力、推進力には敬意を評したい。

アフターコロナでは、実践力・実行力が必要

アフターコロナの時代だからこそ、国だけでなく、個人にもこの実践力・実行力は必要なことなのである。外出自粛規制を言い訳に怠ける、フリーズ状態になっていれば、確実に取り残されてしまうことになるだろう。

アフターコロナの時代はニューノーマル2・0の時代である。消費者や企業が恐る恐る危機を脱し、次なる危機への蓄えを用意することで、需要が減り生産性の低い万が一に備えた経済となる。

そして、所得と富の格差は大きく広がることになる。各国の中央銀行が行うコロナ対策での多額の流動性供給のおかげで、投資家が株価回復の恩恵を受ける一方、低賃金のサービス部門労働者は、失業保険の給付を受けるのにも苦戦する状況であり、富の格差は既に鮮明となっている。

所得格差問題はどんどん広がっているという事実一億総中流社会 一億総中流とは、1970年代の日本の人口約1億人にかけて、日本国民の大多数が自分を中流階級だと考える意識を指す。 ...
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チャーリーTAKA
チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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