51歳:ブロックチェーンの可能性
マイニング事業からは撤退することになりましたが、その経験を活かし、ブロックチェーン関連ビジネスを周辺に広げる事になりました。
実はビットコインマイニングに関しても、2016年年末から2017年6月までの半年間だけ、ビットクラブという仕組みを紹介したこともあります。日本でセミナー等は行うこともなく、ウエブの中だけで紹介をしていきました。2017年にビットコインの価格が大きく上昇することには確信を持っており、多くの人がビットコインを理解し、投資を行う上で、入口にマイニングを置くことはひとつの方法として良いものだと思いますし、当時のタイミングであれば、MLM形式で広がるビットクラブにはボーナスでビットコインを稼ぐという魅力もありました。
ビットクラブに見る人の欲と他人任せ
半年間だけ紹介したビットクラブでしたが、参加したタイミングがまさにビットコインの上昇期でしたので、自分からの紹介で参加した全員が大きく収益を上げることはできました。
しかし、日本で本当に流行したのはその後で、多くの参加者は理解不足の中、なんだかわからないけど儲かる!的なのりで参加する人たちも多く、紹介することでボーナスを得られる仕組みだったため、紹介者の欲が働き、実態と全く乖離する大げさな表現で組織が膨れ上がりました。
その段階では、既に自分はビットクラブとは一切の関わりも持っていませんし、新規で参加を考える人には、ビットクラブに入るのはやめて、単にビットコインを購入するように助言していました。
現在ビットクラブはマイニングも停止しているようですが、そもそも途中の段階で、集まっている資金額とマイニングプールとのバランスがあっていないことに気が付かないのが愚かなのです。その点も当初から組織の中枢や、力を持つ紹介者達には指摘し続けましたが、紹介する立場の人間は、自らのボーナス欲しさに勧誘し続けます。
ボーナス欲しさの人の欲と、他人任せで儲けようとする新規参加者の欲。この2つをじっくりとみることができたことは良い経験になったと考えています。しかしMLMという形式についてはこのとき初めて行いましたが、今後二度と関わることはありません。
一部には素晴らしい方もいらっしゃいますが、参加する多くの人には魅力を感じられませんし、そもそも殆どのMLMはその仕組み自体がおかしいと考えていますので。
世界最大のカンファレンスを開催
2017年11月11日、品川の新高輪プリンスホテルで、当時としては世界最大規模のブロックチェーン・カンファレンスを開催し、大成功を収めました。世界中の著名プロジェクトのトップを数十名迎える日本で初のカンファレンスとなりました。数千名の来訪者が訪れましたし、ここで培った人脈は今も活きています。
その後は日本で初となるブロックチェーン専門誌であるCRYPTO CROWDの日本進出も手伝い、暗号通貨取引所も作り上げました。取引所は今も成長をつづけていますが、自分自身の役割は終了し、権利自体も全て手放しました。大きな成長のためには中国の暗号通貨投資家を大量に呼び込む必要があり、そのためには中国系の投資資金を入れる必要もあったのです。
苦労が一気に花開き、そして一気に閉じていく
マカオでリストラを行ったあと、新たに集中して立ち上げたビジネスがブロックチェーン関連でした。これは時代に本当にマッチし、当時非常に斬新で、日本でのビットコイン、ブロックチェーンの浸透に役立ったと思います。
このときできた資金で海外事業の多くを片付けることもできました。暗号通貨で持つ資産は一時的には莫大な金額になりましたが、2018年に起こった暗号通貨バブルの崩壊により、ビットコイン以外のアルトコインのほぼ全てが全くの無価値になりました。
自己破産、リーマン・ショック、ライブドア・ショックなど、様々な暴落を経験し、作った資産を吹き飛ばしてきましたが、無くなった額、規模という意味ではこのときが最大です。しかも最終的にほぼ無価値になりましたので、紙くずにもなりませんでした。暗号通貨など、そもそも形がないデータだけのものですから、本当になにもない幻の資産となりました。
起業心得27:新たなチャンスを見つけたとき、どのように取り組むのか?
様々な過去のビジネスの成功、失敗の積み重ね、そして我慢するときの忍耐力、更にはやり続ける継続力があるからこそ、新たな成功のチャンスを掴んだとき、それを爆発的な成功に変える事もできるのです。
“ 苦労は買ってでもしろ ” という先人の言葉に間違いはありませんね。
53歳:海外で展開したビジネスの終焉
ブロックチェーンとはなんだったのか?ブロックチェーンは確実に技術として浸透し、様々なプロジェクトや大手企業での継続的な開発も進んでいます。
ニューノーマル2.0の時代では、個人認証や人と直接会わない形での不動産物件内覧、株主総会への参加と議決など、様々な形で使われだしています。法的整備が進んだときには、世界中での利用も広がり、それぞれの開発会社、プロジェクトは大きく成長することになるでしょう。
多くのICOは偽物
そしてICOに関して言えば、新たな起業家の事業チャレンジのための、最も簡単で世界中から資金集めができる手段であり、一定の役割は果たしたのだと思います。
ただしあまりも調達が簡単だったため、世界中で紹介されるICOの殆どは偽物で、これは本当に大きな問題でした。しかし暗号通貨市場が好況のときには、ほぼ誰も本質的な意味合いを理解していないため、そんなICOであっても需給関係で価格が高騰しました。
取引所への登録自体、どのようなトークンでも可能でしたので、取引所に登録さえしてしまえば投資家への一定責任も果たせ、投資家もすぐに売却し大きな利益を上げることもできたため(最終的にはほぼ全員がババを掴む形)、一定期間はバブルが起こり、そして破裂しました。
しかし、一定数のプロジェクトは引き続き資産としての価値を持ち続けていますし、本当に社会に役立ち、必要とされるものについては、価値は今後は大きく増していくものもでてくるでしょう。しかし個人的には暗号通貨については、ビットコインだけを資産として持っていれば良いと今は考えています。
ブロックチェーンの活用に関しては、今後も世界の最新状況を見ていきますが、個人的にはこの分野よりもAI(人工知能)の可能性のほうが遥かに大きいと考えていますので、そちらに今は調査、開発、時間も集中させています。
IOT,環境改善関連、様々関わっている事業はありますが、自らの本質的な得意とする分野、業務以外のことはこれ以上直接的に携わることもないでしょう。
世界中の経済・金融情報をいち早く、そして幅広く収集し、それを理解して咀嚼し、よりわかりやすい形で多くの人に伝えること。これは非常に得意とすることですし、そこから予測できる先々の金融市場の動向、各国の状況による為替変動、各国の成長の可能性。
このあたりは全体を把握しつつ、大枠を理解した上で中長期的な動きを予測することも、過去ずっと的中させ続けています。ここは個人的にも最も興味を持っている部分でもありますので、日々調査、収集した上で、AI TRUSTでも記事としてシェアしていきますので、引き続きよろしくおねがいします。
起業心得28:人生とは?
新しい事業を考える楽しさ。事業を苦労して立ち上げ成功する楽しさ。新しく考えた企画が大成功を収めたときの達成感。大きな資産ができたときの満足感。今までの人生の中で様々な経験もしつつ、世界中も何カ国廻ったか数え切れないほど周りましたし、これからあとの人生は、重たいものは様々な意味で一切持たず、気楽な形で進んでいこうと思っています。
皆さんも起業家だけでなく、投資家として挑戦し続ける上でも、気楽に楽しみながらやっていきましょう。無理もせず、大きな背伸びもせず、挑戦するときは挑戦するにしても、無謀な博打は避けて、とにかく健康であり、何事も楽しく進めてほしいと思います。
自分自身にとっての最も大切な価値は何処にあるのか?これも時間の経過とともに変わってくるものですが、変わることが人として成長できているということなのだと思いますし、変化する自分自身も柔軟に受け入れていきましょう。
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