売りも買いもタイミング
「空売り」という言葉をご存知でしょうか。株式で言いますと手元に持っていない株式を、信用取引などを利用して「借りて売る」ことを指します。あまり難ししく考えると訳がわからなくなりますので、買いだけでなく、売りでもタイミングが合えば儲けることが可能ということは、覚えておくといいですね。
今回は、そんな空売りのテクニック、重要なタイミングについて解説します。最後まで、ご覧いただくことで売りに関しての知識が増しますので、どうぞお付き合いください。
バイザルーモア(ルーマー)・セルザファクト
バイザルーモア・セルザファクト(Buy the rumor, sell the fact)という言葉をぜひ覚えておいてください。日本語にしますと、「噂で買って事実で売る」となります。噂や期待で買われたら、事実で売られることが多いということです。ですので、投資家の方の中には、セルザファクトを狙って売りを行うテクニックを使う方もいます。
10月14日現在は米国の大統領選真っ只中ですが、米株は、あの手この手で期待感が出て買われています。行き過ぎでは?と感じている投資家の方もいるでしょう。そうなってくると、セルザファクトのタイミングが注目されるところです。
米大統領選の勝者は?どちらにしても売り懸念
共和党のトランプ大統領か、民主党のバイデン候補かと連日、海外や日本のメディアでも大きく取り上げられている米国大統領選。投票日の11月3日に向けて最後の追い込みが始まっています。10月2日に判明したトランプ大統領のコロナ陽性、そして第二回討論会の中止の決定など、コロナ禍が故にありえない波乱の大統領選となっています。
さらには、追加経済対策にたいして共和党、民主党の折り合いがつかずに平行線となっています。これは、ネガティブな内容ですが、株価を下げたくないトランプ大統領に対して、民主党の抵抗にも感じます。しかし、トランプ大統領はこの経済対策のもつれに対して「大統領選後に決定する」など、折り合いがつかないのは、民主党が応じないから=民主党が悪いというレッテル貼り返しを仕掛けています。
さらには、株価押し上げ材料となっていた新型ウイルスへのワクチンですが、ここにきて期待感の薄れが出てきています。このような目先の材料はたくさんありますが、最終的には米国大統領が誕生すると、上昇している株価は、どこかのタイミングで下落すると考えるのが自然の流れと見ています。
材料とチャート形状を読み解く
米株のみで考えると、上昇、下落材料は様々です。しかし、明らかに現在の上昇は、バイザルーモアでの上昇も含まれているのではないでしょうか。そしてそれを知る投資家のみが、セルザファクトで売りを仕掛けてくる、このような流れが想定できます。
当然マーケットは裏の裏をかく騙し合いですので、今回がそのようになるとは限りません。ただ急落して報道が出るとします。しかしそれは、後付けのことがありますので、まずはチャートを見て、空売りのタイミングをはかるのがいいのではないでしょうか。
そのタイミングとは、今回は株価がこのまま上昇、もしくはジリジリとした展開であれば、大統領選後の11月3日前後に出るのではないかと考えています。上昇傾向にある株価に売りが入ると、短期的でもある程度の調整となります。
株とFXの売りの違い
株でもFXでも売りは可能ですが、仕組みが少し違います。さらっと見ておいてください。
株の売り
・株を借りる(証券会社に)
・株を売る
・株を買い戻す
・株を返す
FXの売り
・売りたい通貨を売る
・証拠金を使う(FX会社)
・通貨を買い戻す
上記のように違いがありますが、特に ” 理解する必要はありません ” 取引所を開設して、そこに資金があれば、売りを行うことは可能です。売るという行為でも、利ざやを得ることが出来るということを理解しておいてください。
空売りでの費用
空売りで抑えておきたいのが、コストです。売りを行うと株式の場合は、貸株料がかかります。FXの場合は基本手数料無料となっていますが、長く保有するとスワップポイントがマイナスとなる通貨もあります。逆にプラスとなる通貨もありますので、この辺はチェックしておくといいでしょう。
しかし、費用がかかるからといって売らないのか?といえば、個人的には「利益が狙える場面であれば売りを選択」します。コストを意識するあまり、買いばかりに固執してしまうと、タイミングを逃してしまうこともあります。そして、売りは下り最速といわれるように、下落すると買いに比べスピードがあります。ここを意識して狙ってみるのもいいですし、大統領選だからどうこうではなく、売りを覚えておくことで幅広い選択肢が生まれます。
ただ買いも売りもややこしいと思う方は、あえて売り場のみを探すことに意識をおくことで売り手の気持ちや買い手の心理などが分かるようになります。仮に実行される場合は、はじめは少額、もしくはデモトレなどからはじめるなど、リスクを抑えて行うことをおすすめします。
毎週1回情報をまとめてお送りします。
AI TRUSTでは日々の金融市場に影響を与えるニュースを独自の視点から解説を行っています。是非ご自身の投資指標としてご活用ください!!