コロナ特集

【短期】世界でお金をばらまき続けると何が起こるか?

550兆円規模の経済対策の先にあるものは?

新型コロナ対策として、世界は協調し大規模経済対策を行っている。
その規模は3月末の段階で550兆円を超え、リーマン・ショック時を大きく超えている。

米国で先週成立した2兆ドル規模の大型経済対策は、自社株買いのために借り入れを増やし、現金を流出させた企業と投資家の救済措置にしかならないのではないのか?

まずは今後短期的に起こり得ることを幾つか予想してみることにしよう。

①金融市場は投資ではなく投機の場になる

株価の一時的上昇は550兆円にも及ぶ対策によるものである。 今の金融市場は投資ではなく投機の場になっているので細心の注意が必要である。 新規でこれだけの借金が世界に積み上がっていることのリスクを理解しなければならない。そして幾ら金を刷ってもコロナによる実体経済下落は防ぐことはできない。

②アメリカ連邦政府は金融市場の国有化を目指すのか?

連邦政府が金融市場の大部分を 国有化しようとしているのではという行動を取っている。 FRBは1日1兆ドルのレポ取引を行っている。

そして、無期限の量的緩和 1週間で6,250億ドルの債権を購入した。しかもそれを継続的に行うと宣言しており、このペースでいけば、連銀は1年で国債市場の2/3を購入することになる。市場の正常化が失われることになる。

③政府系ファンドは継続的に株を売却する

最近の世界的な株価下落により、非産油国を含めた世界の政府系ファンド(SWF)は 合計で約1兆ドルの含み損を抱えている。 中東とアフリカのSWFは 石油価格急落と新型コロナ感染拡大による財政悪化で、更に株式を処分する可能性が高くなっている。 これは今後の株式市場の継続的な下落の要因として注意する必要がある。

④ロシアは金を売る

金の価格はこの後は大きく上昇することは考えにくい。 過去数年の金の最大の買い手であるロシアが金購入を4月1日から停止する事を発表した。金の最大の金の買い手が今後は売り手に回る可能性が高い。

原油価格の下落でロシアは外貨不足に陥る可能性が高いため、外貨準備の為に保有する金を継続的に売却するのではないだろうか。

継続的な大きな売り圧力がかかる為、金の価格が今後は大きく上昇する確率は低く、横ばいでの動きになるのではないか。ただし、長期的な資産インフレが起これば話は変わり大きな上昇局面を迎えることになる。

⑤中国が米国債を換金する

中国は既に米国債を換金する動きに入っている。この点を今後は注意が必要となるだろう。新型コロナ蔓延により、中国は既に米国債を換金せざるを得ない状況に陥っている可能性が高い。これによりFRBが行う大規模金融政策が水の泡になる可能性もある。

⑥新興国から資金が逃げ出す

3月中旬までの8週間で新興国市場から逃げ出した資金の合計550億ドルに及ぶ。
これは既に、2008年のリーマン・ショック時の2倍に当たる規模となっており、今後も同様の流出が考えられ、それによる通貨の下落、国債金利の上昇リスクを考えておく必要がある。

⑦日本の金融政策は出口のない迷路にはいる可能性が高い

今は矢継ぎ早な金融支援が必要だが、日本での新たな借金の積上げは本当に大丈夫か? マイナス金利が広がる中で、地銀や郵貯など、今回の金融市場暴落で、巨額の不良債権を抱え込んでいる可能性も大きい。 急速な経済の落込みに対応することは重要だが、その先にある更に大きなリスクについても覚悟しなければならない。

⑧短期的に株価上昇をしても二番底が訪れる

550兆円もの大規模経済対策により一時的な株価な上昇はあるかもしれない。しかし新型コロナの経済への影響は遅行して訪れる。株式市場は継続的に下落し、二番底となる可能性が高い。
実体経済の業種別での影響度合いを見極めれば大きなチャンスともなる。クルーズ船産業などに消費が戻るのは最も遅くなり、株価は長期低迷の可能性が高い。

それに対し、AppleやIT関連企業など、テレワークを世界が進める中で、最初に収益は改善する可能性が高く、株価が下がっている今投資を行うのは中長期的に言えばチャンスと言える。チャンスのポイントを理解することが重要である。

新型コロナにはその場しのぎの対処療法は意味がない!

ロックダウンを行えば、零細企業の運転資金は枯渇し経済自体が壊れることになる。 大規模な金融支援策で紙幣を刷りまくれば、紙幣の価値は暴落し、今回こそインフレが来ることになるだろう。先進国も資産インフレでは収まらず、新興国、後進国ではスタグフレーションが起こることが予想される。

継続的に株価上昇が起こったとしても、それは企業価値の上昇ではなく、金融支援によるじゃぶじゃぶ刷られた紙幣の影響で、資産インフレが起こっていると理解すべきである。

各国の金融支援策が出揃ってきたが、既にリーマン・ショック時を大きく超えている。しかし原資は全て借金の積上げであり、最後はそれぞれの国民がその借金を返す必要がある。紙幣を刷りまくり借金して株価上昇しても儲かるのは資本家だけだということを理解しなければならない。

そして、新型コロナの影響で世界的に失業率は上昇し、世界で貧困層が増加することになる。そして、資産の二極化は更に広がることに繋がり、これは世界にとって大きなリスク要因となる。短期的な目線で8つの項目をあげてみたが、次回は中長期的な動きとして、今後の世界に起こりうることを予測してみることにしたい。

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