政治混乱

【中期】世界でお金をばらまき続けるとどんなことが起こるか?

世界インフレ

問題の先延ばしは繰り返される!

結局のところリーマン・ショックの問題先送りのしわ寄せが今訪れている。

当時の債務問題の殆どが先延ばしされ、更には膨れ上がって2020年1月までの資産バブルは崩壊した。そしてそこに550兆円を超える資金をつぎ込み金融市場を回復させようとしているが、新型コロナ蔓延に対してはこの効果は限られることになる。

以前に、お金をばらまき続けると何が起こるのか?の短期的な視点の話を「【短期】世界でお金をばらまき続けると何が起こるか?」でも話したが、今回はもう少し視点を広げて中期的に起こり得る可能性について21の項目でシンプルにまとめてみたので是非理解を深めてほしい。

中期的に起こり得る21の可能性とは?

①ゼロ金利、マイナスが世界で更に広がる

新規で行われる金融緩和策の多くはそれぞれの国の国債で賄われる。各国とも既に金利を大幅に下げており、ゼロ金利、マイナス金利で発行されることになる。マイナス金利の国債が今まで以上に膨れ上がる。

自国通貨を持つ国は、債務返済に充てる貨幣を無限に発行できるため、物価の急上昇が起こらない限り、財政赤字が大きくなっても問題ないというMMT理論が日本だけでなく、世界で試されることになる。

②世界中の多くの企業、店舗は淘汰される

金融政策でばら撒かれる資金が手元に入る前に資金繰りが詰まり破綻する企業、店舗が世界中で急増する。

③失業率が大幅に増加する

企業、店舗はリストラを一気に進め、世界中での失業率は大幅に増加する。
特に若い世代の失業率が更に悪化することが犯罪を増加させる。
治安の悪化は世界中でゲーテッドコミュニティを生み出す。

④非効率な政府主導による操作された金融市場は制御不能に陥る

各国政府が主導して行う大規模経済対策が新型コロナ対策として有効でなければ
さらなる経済対策が行われ、大々的にヘリコプター・マネーが配られることになる。
そして有り余る紙幣が金融市場を制御不可能なものに変えてしまう。

⑤紙幣の価値が継続的に下がっていく

裏付けのない刷られ続ける紙幣はそのたびに価値を毀損させていく。
そしてこれは中長期的なドルの崩壊を招き、その時点での信頼のおける通貨に逃避することになる。ビットコインや金も逃避先となる。

日本円については、改めて積み上がった国債についての疑問が上がることになるだろう。疑問の振れ方により結果は変わることになり、通貨がドルに対してどう動くかは現在はまだ読み切れない。

⑥パニック買いは定期的に起こる

多くの人が漠然とした不安心理を抱えている。新型コロナの悲観的なニュースだけでなく、人の移動規制、生産ラインの停止など大きなニュースが流れるたびに、世界中でパニック買いが定期的に起こることが予想できる。

⑦資産インフレが加速する

紙幣の価値が毀損する中で、紙幣から価値の有る物、資産への移動は加速する。
結果的に資産価値のある物、資産の価格は大きく上昇し、優良株はインフレ率よりも高い価値の上昇を示すことになる。

⑧資産の中でも二極化が進む

日本の不動産価格は一部を除き継続的に下落する。ゲーテッドコミュニティ化された地域、立地の良いマンションの価値はインフレ率より上昇する。

⑨スタグフレーションが起こる

アフリカ、中南米、中東、アジアの中でも財政基盤の弱い国々ではスタグフレーションが起こる。経済は低迷し不況が長く続く中で物価が上昇し、多くの国民の生活基盤を破壊していく。これらの国では当然のことながらパニック買いは恒常化し、物不足が起こる。

⑩富の二極化は再加速する

有り余る紙幣の流れを活用できる立場の企業、資産家、投資家は、紙幣の価値の下落よりも資産の増加が勝ることになる。そしてそれ以外の大多数の人々は、紙幣の価値の下落の中で、手元の資金繰りの為に下落する紙幣を継続的に使い、減らし、資産が限りなくゼロに近づいていく。

⑪社会保障、医療制度、年金制度が機能しなくなる

積み上がる国債、価値の下落する紙幣に対し、社会保障制度、年金制度は根本的に崩れていく。年金自体はもらえても、もらえる金額が物価に対しての価値が大きく毀損する。

高齢化、新型コロナ対策、医療崩壊・・・ 医療制度そのものが崩れるリスクもある。

⑫異常気象の恒常化、新たな病原菌の世界多発化

世界中で異常気象は恒常化し、2019年の日本を襲った巨大台風のように、大きな経済被害をもたらす。新型コロナのような新たな病原菌は多発化し、そのたびに世界で今回と同様の混乱が起き、現在の社会システムそのものを壊していく。

⑬EUが崩壊する可能性も

EUが拡大してきたのは、EU加盟国の市民のためではなく、EU幹部たちの権力拡大のためであった。多くの加盟国の市民がEUからの離脱を望む中、裕福な北部ヨーロッパと、経済基盤が弱く、新型コロナの被害の大きな南欧での対立が激化し、EUは崩壊の危機に立たされる。

⑭移民問題がヨーロッパで深刻化する

EU各国で極端な極右化政権が誕生し、移民への差別が今以上に激しく表面化する。
ドイツ銀行の崩壊からヨーロッパ各国の銀行が実質的な破綻につながるリスクが高く、国有化されていく。そしてこれはユーロの価値を大きく下落させることにつながる。
しかし同様に、ドルも円も紙幣を大量に刷りまくっているために、一番の負け組の通貨の価値が一番下落することになる。

⑮中国が崩壊するリスク

新型コロナの蔓延は、本当は中国では収まっていないと考えるべきである。国民の鬱憤は大きく溜まり、共産党体制への不信感も強い。不動産市場が大暴落すれば、自宅保有率が日本よりも高い中国では、住宅ローンが払えない家庭が殆どとなり、国家崩壊へとつながるリスクも高い。

⑯デフォルトする新興国が多発化する

資源国は生産ラインのストップや需要の低下により、原油、資源価格の長期的な低迷のために破綻する。アフリカ各国で蔓延するコロナは経済活動をストップさせ、多くの国を破綻させる。そしてアフリカの多くの国に戦略的な融資を続けた中国はここでも苦境に立たされることになる。

⑰アフリカでは内戦が起こる

新型コロナの蔓延、失業率増加、物不足、スタグフレーションがアフリカ各国を襲い、国民のストレスは最大化し、国家への不満につながり、内線が至るところで起こることになる。

⑱無宗教が支持される

今回のコロナの蔓延で宗教では何も問題が解決されないことが明確になった。宗教に依存していた多くの人を宗教への不信感に変え、無宗教、無神論に変わる人が増える。
そして信者を洗脳する新興宗教が既存宗教の代わりに台頭することになる。

⑲金融資本主義そのものが転換を必要としている

新型コロナにより、既存の金融システムそのものが破壊されるリスクは非常に高くなっている。リーマン・ショックでは問題の先延ばしを行い、根本的な解決をせず、各国が借金を積上げた。

今回も同様の処方を行っているが、何処まで機能するかは今の段階では何も判断できず、①〜㉑のことの多くが起こる可能性がある。金融資本主義そのものが転換を必要としていると考えるべきだが、その先に来るものが何なのかは筆者にはまだわからない。多くの人に公平な希望が見える未来が来ることを期待したい。

⑳人の価値感は変わるのか?

必要以外のものでも欲する消費型社会は確実に変わることになるだろう。
しかしどのような世の中になるにせよ、人が生きていく上ではお金が必要となる。

快適で便利な生活を手にした多くの人類が、それを手放すだけの価値観を新たに手に入れられるとは思えず、世界中でインフレ、スタグフレーションが起こった上で、世界中の紙幣の価値が1桁、2桁下落し、ガラガラポンで再スタートを切るというシナリオが最も確率が高そうに思える。

㉑人工知能(AI)は世界を良い未来に導く可能性は?

AIがオフィス、工場、店舗で徹底的に浸透し、活用されることは間違いない。

そしてAIが人類も監視する社会は確実にやってくる。それによってもたらされるメリットも大きいが、様々なリスクも高く、それを使う側である、各国の首相、政府、中央銀行、企業のトップ、それぞれに、今までの以上の信頼と行動力、規律が必要とされる。

今回はまずはここまでとするが、具体的な未来が見えてきたときには、改めてAI TRUSTの中で発表させて頂くので楽しみにお待ち頂きたい。

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