オーストラリアの森林火災は人災だった!
オーストラリアの警察当局は、同国にとって史上最悪と言われる森林火災を意図的に発生させた放火の容疑で、1月13日段階、合計182名を逮捕したと地元メディアが報じた。
これは昨年11月以降、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、サウス・オーストラリア州、そしてタスマニア州で逮捕された容疑者の合計人数である。彼らは205件の放火容疑で逮捕されたと報じられている。
これまでに少なくとも25人が山火事の犠牲者となっているほか、数千軒の家屋と数百ヘクタールの土地が焼失している。そして既に野生動物などが、10億匹以上が森林火災の犠牲となっている。
オーストラリアでは放火の容疑で逮捕され、有罪となれば最長25年の禁固刑が科せられる。
今回の同国にとって最悪の森林火災は多くが人災によって引き起こされた。
そして更に言えば、そのうちの多くが未成年によって行われた・
毎夏、オーストラリアに大きな損害をもたらし死者をも引き起こす山火事に、放火魔が関連していることはよく知られたことであり、十分な裏付けも行われている。事実、学校の休暇期間中に、意図的な放火による火災発生率は急上昇する。
森林火災および放火に関する国立研究センターのポール・リード博士によると、森林火災のおよそ85%が人為的に発生していると指摘している。
約85%の山火事は人為的な活動に関連しており、13%は確実に放火であり、そして37%は放火が疑われている。残りは無謀な点火か、子供による火遊びが原因であることが普通であると同博士は語っている。
地球温暖化は関係ないのか?
人災だけでここまで火災が広がるわけではない。
オーストラリアの気温は観測史上初めて46度を超える日を昨年12月以降、何度も記録している。
地球温暖化の影響ははっきり現れており、高温と干ばつにより、森林火災は更に悪化したのだ。
我々は明らかに対応が遅れていると、気候変動を専門にしているメルボルンのラ・トローブ大学のジョセフ・カミレリ政治学名誉教授は言う。
オーストラリアの火災のよかった点は、気候変動が現実としてここに存在し、オーストラリアを含む各国が、現在やっていることよりもはるかに多くの努力をしなければならないことを、メディアを通じ、世界中の人々に知らしめたことかもしれない。
オーストラリアの保守派のリーダーたちは、往々にして、世界の温室効果ガスの排出量に対し、同国の排出量が占める割合は非常にわずかだと指摘する。だが、専門家の多くは、COP25でのオーストラリアの言動は、世界中の発電所で燃焼されることになる膨大な量の石炭をオーストラリアが採取し、輸出しているという事実を含んでいないと指摘している。
オーストラリアが自国でCO2を排出していなくとも、その原因となる石炭を輸出することで、中国などの輸入国はその石炭を使い発電し、途方も無いCO2を排出しているわけで、間接的に地球温暖化の促進に関与しているのだ。
オーストラリアだけでなく、世界各国の政府の多くは自分たちの論拠を正当化、あるいは、説明するために、本当に報告すべき大切なポイント、基本的に報告を誤魔化しているのである。
経済格差による二極化と犯罪増加!
今回のオーストラリアの森林火災の放火と、経済二極化を直接繋げることは極論となるかもしれない。
しかし、経済二極化の下層の犯罪率は世界でも確実に増加している。
現在のイランにおける民衆の現体制に対しての抗議活動の頻繁化にも言える事だが、経済二極化が今後更に進むことで、世界各地での地政学的リスクも高まり、金融資本主義そのものに対してのテロ活動も活発化することも予想される。
低コストで電気を作る原料は石炭であり、途上国、新興国では安いコストで電気を作れる石炭を大量に必要としている。
結果として地球温暖化を止めることはできず、今回のような大規模火災は、オーストラリアやカリフォルニア、南米アマゾン流域では頻繁化する可能性も高く、負の連鎖が続くことになるだろう。
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