日本からタイに戻ると改めて日本の素晴らしさを考えさせられます。
空気が綺麗で水がおいしく、自然が豊かで、人々は優しく、サービスは行き届き、そして何よりも物価が世界と比べれば安く、どこで何を食べても非常に美味しい食事が非常に安い価格で食べられる。
こんな素晴らしい国は世界中のどこにもないと思います。これは毎回日本を訪れるたびに感じることです。
しかし、日本という国の政治が、さまざまな問題を全て先送りし続けてきたことで、非常に残念なことではありますが、日本という国の未来、将来には、というよりも、殆どの日本人にとっては、希望は持てないどころか、非常に厳しい将来が待ち受けていることは間違いありません。
そんな政治家たちを選んだ日本人の責任でもあり、国や行政を頼りに、なんでも ”クレクレ ” と言い続けてきた現世の日本人の大人たちの責任であり、自業自得と言えるわけですが・・・
フランスの格付け ネガティブに
これは非常に重要であり、日本という国の岐路になり得る出来事が先週ありました。
この問題を多くの人が真剣に考え、備える必要があります。
フランス政府は10日、600億ユーロ規模の支出削減と増税により、財政赤字を今年の見通しである対GDP比6.1%から5%に抑える25年度予算案を発表しました。当初は24年に財政赤字4.4%を目標としていました。
しかし、これに対して格付け会社から厳しい評価が早速でました。
格付け会社フィッチ・レーティングスは、フランスの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げると発表しました。
仏政府は2025年度予算案を前日公表したばかりで、急速な財政悪化に対処するバルニエ首相の取り組みに対して早くも厳しい判断が下された形です。
フィッチは昨年4月にフランスの格付けを「AA」から「AA-」に引き下げており、今回、格付け自体は「AA-」に維持しました。
財政赤字が拡大し、28年までに政府債務がGDP比118.5%へと拡大すると見込まれており、これがネガティブの理由です。
フランス国債の売りを促し、対ドイツ10年債プレミアムは今年前半の50ベーシスポイント弱から80bp近くまで拡大しています。
富裕層が国から逃げていく!!
富裕層に対して増税する案により、多くの富裕層がフランスから出ていくことも危惧されており、実際に既にその動きが出てきているようです。
自分自身、海外に住居を移してから既に20年になりますが、この20年の間に多くの日本人の富裕層も同様に海外に出て行きました。
多くの日本人の富裕層は、できるだけ目立たぬように、静かーに日本から離れて行きます。そして海外に住んだ上で、年に何度か日本に行き来し、日本を楽しんでいます。
なぜ20年前から海外に住むことを選択したのかというのは答えは簡単で、国民負担率が年々増えていくのはわかっていたことです。
資産に対しての締め付けがどんどん厳しくなることも当時から分かっていました。
さらに言えば、当時の時点で、既に日本という国が行なっている様々な問題の先送りは、どこかのタイミングで必ず破裂すると考えていたからです。
これを避けるために海外に住むことを選択しました。
英語も中国語もタイ語も喋れませんが、世界中の様々な国で生活もしましたが、特に大きく困ったことなどもありません。
インターネットの普及により、世界中実質的に繋がっているようなものですし、さらには様々なアプリや翻訳機能のおかげで、語学力は殆ど必要もなくなりました。
そしてAIの急速な普及、進化は、使いこなすことができれば、さらに非常に利便性の高い生活を、世界のどこにいても受けられるようになることは間違いありません。
フランス国債格付け問題 日本は本当に大丈夫なのか?
主要各国の格付けランキングではフランスは18位です。
そして、同率の18位にはトラスショックのあったイギリスが続きます。
トラスショックの当時イギリスで何が起きたのか?
英国では、2022 年 9 月にリズ・トラス首相(当時)が打ち出した一連の財政政策「ミニ・バジェット」により、通貨・国債・株式市場が 混乱しました。
ドル/ポンドレートが過去最低の 1.035 ドル/ポンドまで下落した他、10 年債金利は 14 年ぶりに 4.5%まで上昇(債 券価格は下落)、株価も 1 年半ぶりの水準まで低下し、トリプル安となりました。
こうした市場の反応を受けて、沈静化のために英中央銀行は国債買入を実施し、トラス政権は大幅な方針の変更を迫られ、その後退陣することになりました。その後、市場は落ち着きを取り戻したものの、IMF による 2023 年の成長率予測は、トラス・ショックを挟んで大きく 下方修正されています。
格付け18位のフランスの格付けがネガティブと評価されフランス国債は売られています。同様の18位のイギリスではトラスショックが起こりました。
日本国債がいよいよ危険な状況にあるようにみえてなりません。
政府債務のGDPで多い国
1位はスーダンの316.48%
2位は日本の252.36%
3位はギリシャの168.83%
となっています。
今回格付けがネガティブになったフランスの倍以上の率の債務を日本は抱えているわけで、いまだに日銀はばら撒きを止められません。
7月の日銀会合で上田総裁は微々たるものでしたが、金利の引き上げを行いました。日経平均は42,223円から31,458円まで1万円以上も暴落しました。
日銀副総裁が、金融市場を混乱させるような利上げは行わないと発言したことで市場は落ち着きを取り戻しました。
結局のところ、今の日銀には膨れ上がった保有国債、保有株、保有ETFを大きく減らし、金融正常化に向かう術はないということです。
国債買上げ額を3ヶ月ごとに減らしていくどこかのタイミングで、買い手不在となり、金利が上昇し、それを抑えるために買い続けるしか術がないと思います。
結局は世界各国の金融の最大のタブーである、実質的な中央銀行による国債の買上げが続けられるわけです。
↓ ↓ 日銀のHPにもこのことは書かれています ↓↓
https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/op/f09.htm
日本国債の評価が下がればジエンド!!
日銀によるこのばら撒きが、過剰流動性バブルを世界の金融市場で引き起こしているわけですが、日銀がいくら小手先の技術や発言で、金融市場に混乱を起こさないようにしたところで限界があります。
日本の借金は積み上がり、労働人口は減り、国としての成長は止まっています。
格付け機関が日本国債の格付けを下げた時に、時限爆弾が強烈に破裂します。
どれほど強烈な金融市場へのショックがくるか?
日本国債の金利は急騰します。
これにより日銀が保有する莫大な国債に巨大な含み損が発生します。
日本株は暴落します。
日銀が保有する日本株ETFの含み益が大きく減るどころか含み損になる可能性もあります。
日銀が実質債務超過になり、日本国債はさらに売り込まれることになります。
そして日本円も暴落することになるでしょう。
これにより、国債の格付けがさらに下がれば、負の連鎖が止まらなくなります。
アベノミクスは大失敗でした。
黒田総裁の異次元金融緩和も大失敗でした。
そのつけを植田日銀総裁はなんとかしようと悪戦苦闘をしています。
しかし、残念ながら、世界の格付け機関が日本国債の格付けを引き下げた時、終わりが来てしまいます。
そして、そのタイミングが刻々と近づいているようにみえます。
その時への備えを、今まで以上に万全にしていかなければなりませんね。
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