イランとイスラエルが直接対峙する展開に発展し、中東紛争はさらに拡大する兆しも出てきています。
イラン革命防衛隊は13日、イスラエルの特定の標的に対してドローンとミサイルを発射したと発表しました。
イラン国営メディアが革命防衛隊の声明を伝えました。
米政府も攻撃開始を確認しています。
イランがイスラエル領を直接攻撃するのは今回が初めてで、中東情勢が一段と不安定になる可能性が高いです。
イスラエルとイランは長年、対立が続いていましたが、これまでは代理勢力を介した紛争や、第三国にある互いの標的への攻撃にとどまっていました。
ホルムズ海峡も緊迫化
イランのイスラム革命防衛隊は13日、ペルシャ湾とオマーン湾の間のホルムズ海峡近くでイスラエルと関係のあるコンテナ船を拿捕しました。国営イラン通信が報じています。
昨年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲し、双方の間で戦闘が始まって以降、中東地域での商船の航行を巡る懸念は強まっています。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は紅海で船舶を繰り返し攻撃しており、これまでリスクは紅海にほぼ限られていました。
しかし、13日の拿捕を受けて、ホルムズ海峡も船舶の運行リスクが高まれば、世界の原油供給の約5分の1は同海峡を通過して仕向け地に届けられていますので、世界経済は大きなリスクにさらされることになります。
船舶がペルシャ湾への航行に支障を来すようだと、混乱は相当なものになるのは確実です。
イラン、イスラエルの反応は?
イスラエルは、イランによる攻撃に対して大規模な対応を計画していると、イスラエルの民放テレビ局チャンネルが14日早朝、イスラエル高官の発言として伝えました。
イラン軍の関係者は、イスラエルへの報復攻撃中にヨルダンがイスラエル支援に動けば次の標的になると警告しましたた。イランの半国営通信ファルスが14日報じています。
イスラエルのネタニヤフ首相は13日深夜、に下記の声明を発表しました。
「我々に危害を加える者には反撃する。いかなる脅威からも自国を守る」
政府高官も地元メディアに対し、イスラエルが「前例のない対応」を取ることになると述べています。
金融市場、世界はどうなる?
このメルマガを書いている時点では原油先物市場は閉じていますが、週明けの市場では原油価格は急騰し、100ドルに向かう、さらには100ドルを超えていく可能性は高いです。
2022年5月には123ドルを超える高値にまで原油価格は上昇しました。
この時は2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻が価格上昇の要因です。
今回の場合、ホルムズ海峡が封鎖されるようなリスクも想定されますので、一時的にせよ、原油価格は120ドルを超えるような動きになる可能性も高いと考えられます。
年初から既に原油価格は上昇基調でしたが、この上昇が加速することになるでしょう。
日本は非常に厳しい状況に!!
原油価格の上昇により、エネルギー価格全般が上昇することになるでしょうが、日本は非常に厳しい状況に置かれることになります。
2022年5月当時は1ドル129円でした。それが現在は153円台まで当時と比較して24円円安になっています。
円建てでの輸入価格は当時と比べてさらに上昇するということです。ガソリン補助金はとりあえず夏以降まで継続するようですが、財政には大きな負担となります。
電気、ガスの負担軽減策も5月で終了しますので、6月以降の家庭の電気、ガス代は軽減策終了に加えて、円安、エネルギー価格上昇というトリプルパンチとなりますので、非常に大きな家計費負担増を覚悟する必要があります。
日本の家庭の消費支出は1年以上マイナスが続いていますが、既に使うお金がない状況なのに、電気代、ガス代、ガソリン代の上昇により、日本人の家庭・家計はさらに厳しい状況に追い込まれることは確実です。
貿易収支はさらに悪化する!!
下記は日本の貿易収支の長期的な推移ですが、2022年はエネルギー価格の上昇により、過去最高の赤字額となりました。
2024年については、エネルギー価格上昇に加えて円安が加わったことにより、貿易赤字はさらに膨らむ可能性が高いです。
円安は加速か?
週明けの為替市場ではリスク回避からドルが買われる流れが強くなることが予想できます。そして実需としてのドル買いもエネルギー価格上昇により急増しますので、円安は加速することになりそうです。
今のタイミングで為替介入を行っても、殆ど効果はなく、ごく一時的なものとなり、155円、160円、さらに円安が進むことも覚悟する必要がありそうです。
このメルマガの中では、長く円からの資産分散の重要性を説いてきましたが、今からでも遅くはありません。円からの資産分散を加速させるべきでしょうね。
日本の財政はさらに悪化する!!
岸田首相はアメリカで日米の同盟体制のさらなる強化を謳い、今回の訪米の成功をアピールしていますが、世界での紛争拡大により、日本もそこに巻き込まれることになり、防衛費等の費用負担は拡大します。
エネルギー支援策を延長することになれば、国の財政への負担は急拡大します。
エネルギー価格高騰により世界的に再度インフレ率は上昇することになりますので、アメリカでの利下げは当面先延ばしされる可能性が高いです。
日本でもインフレ率は再度上昇することになり、本来であればインフレを抑えるために日銀は利上げを行うべきですが、大量に国債を抱える状況の中で、利払い負担の財政への影響を考えても利上げなどできない状況です。できても微々たるものでしょう。
日本のトルコ化、アルゼンチン化が加速して進んでいく
日米間の金利差拡大も円安の要因となり、本当に日本という国はどうしようもない状況に追い込まれており、日本のトルコ化、アルゼンチン化が加速して進んでいくように思います。
下記はUSDとトルコリラのチャートですが、2013年の夏の時点では1ドルは2リラ程度でした。
しかし、現在は1ドルは32.3リラとなりますので、たった11年でリラの価値は1/16以下まで下落したのです。そして、トルコ国内では大変なハイパーインフレが続いたのです。
アルゼンチンも20世紀初頭は世界でも有数の裕福な国でしたが、今では世界でも有数の貧困国におち、1月の時点では国民の57.4%と、過半数以上が貧困化しています。
株式市場も暴落注意!!
流石に週明けの株式市場は世界的にリスク回避の動きで大きく売られることになるでしょう。
インフレ加速で利下げも先送りされることになり、先々の企業業績への不安感が増せば、市場の調整は長期化するリスクもあります。
年初から調子の良かった日本株ですが、マクロ経済リスク要因が高まっていますので、最新状況を理解した上で投資を行う必要があります。
暗号通貨市場は暴落!!
暗号通貨市場は土日も関係なく24時間稼働をしていますので、既に市場は今回のイランによるイスラエル攻撃による暴落が起きています。
日曜日の12時の時点で、BTCの価格は62,500ドルとなっており、12日の時点では71,000ドル台でしたので、たった2日で12%以上下落しています。
ちなみにクリプトトレンドリサーチの専用Telegramグループでは、12日の日本時間の21時24分に下記のようにBTC・ETHの利確を行っています。
その10分程度あとから今回の市場の急落が起こりましたので、今回も見事にピンポイントで下落を的中させました。
現在はアルトコインは一切保有していません。トレードもBTC・ETHに絞って行っています。
下記は主要アルトコインになりますが、1週間での下落率は30%を超えているものも多く、過去1ヶ月でみた場合、50%以上の下落となっているものもザラにあります。
殆どのアルトコインは最後に無価値化すると常々言っていますが、それを理解した上でトレードは行っており、今回のようなリスク発生時には即座にそのリスクを回避しています。
マクロ経済を理解していれば、リスクを最小にした上で、継続的に大きなリターンを得ることも可能なのです。
株式市場、為替市場、商品市場、暗号通貨市場とも、この先は非常にボラティリティが高い展開になります。今まで以上に注意をし、市場と向き合いましょう。
そして改めて、現在置かれている日本の状況、リスクを理解し、そのリスクから回避をする方法を皆さんそれぞれの立場で練ってほしいと思います。
その方法もクリプトトレンドリサーチで解説していますので、ぜひご参加ください!