新型コロナのパンデミックのあとの世界では、様々な形での二極化が進んでいます。今日は二極化する世界という観点で、今まさに世界で起こっている状況をお伝えしていきます。
大企業と中小企業との回復の二極化
アメリカでは新型コロナのパンデミックで、数カ月にわたりロックダウンを続けてきた各州が経済活動を再開する中、大規模な企業は政府の刺激措置や相場上昇の恩恵を受ける一方、中小企業はより険しい上り坂に直面しています。
そしてこれは日本も含めた世界各国でも同様の状況にあり、財務力が不足する中小企業、個人商店がより深刻なダメージを受けています。たとえ株式市場が上昇したとしても、中小企業、自営業者の低迷が続けば、個人消費は活性化せず、経済の低迷は長期化することは確実となるでしょう。
中国から見た現在のアメリカ
中国人権研究会は、貧富の二極化が米国の人権問題を日増しに深刻化とする文章を発表し、全体的富強というベールに覆い隠される中、貧富の二極化が一層深刻化しているという米国の現実を発表しました。
貧富の二極化は米国社会の経済的不平等などを一層明らかにし、底辺の民衆は一層困難な生存上の苦境に陥り、人権問題が日増しに顕在化していると新華社が伝えています。
“ 米国では所得分配の二極化という趨勢が顕著で、中産階級の規模は縮小し続け、貧困率が高止まりしている。統計は、米国では最富裕の0.1%の家庭の資産が最底辺の90%の家庭の資産の総和に相当することをはっきりと示し、米国はすでに貧富の二極化が西側で最も深刻な国に成り果てており、数千万人が貧困の中で暮らしている。アメリカの夢はアメリカの幻想へと急速に変容しつつある ”
と記しています。
この記事自体は、中国共産党が行っていることへの自己正当化による、より過激な表現もありますが、アメリカで実際に起こっていることはこの通りで間違いはなく、自由の国アメリカの実態は、非常に厳しい現実を改めて理解させられます。
そして同様に、今後この状況は日本でもますます表面化する問題となることを、日本人誰もが理解する必要があります。
株式市場の二極化
株式市場では成長期待のある銘柄を投資家が選好する動きが継続的に続いています。流れは時価総額の低い中小型株にまで及んでいますが、実はその影で、市場の上昇から見放されている銘柄も多くあります。
中小型株の二極化は市場構造の変革を示唆しています。成長株への資金流入が続くのと対照的に現在さえないのが割安株です。PBR(株価純資産倍率)などから見て株価水準が低く、本来であれば株価は復調してもおかしくないのですが、投資家からは評価されていません。
経済停滞が長引き個人消費や設備投資が縮小すれば、生き残れるのは競争力を持つ企業だけとなります。生産性が低く稼ぐ力の乏しい企業は従来にも増して厳しい評価を受けることになります。
そして今後は投資家が納得できるような、不透明な先行きの見通しから、自社の成長を明確に説明できる高い経営力、発信力、実践力の有無によって、投資家の選択もますます二極化が進むことになるでしょう。
実体経済と金融市場の乖離
新型コロナが日本でも再拡大する中、GoToキャンペーン実施に対する混乱もあわせ、実体経済は悪化する一方の中で、現在は金融・財政政策が総動員されることで、株式市場は大きく上昇しました。しかし実体経済の乖離への不安が市場で増せば、一度大きな調整局面は起こるでしょう。
特に11月の米大統領選前の2ヶ月は市場の動きへは注意が必要です。ただし、金融市場も新型コロナ感染の影響に少しずつ慣れているため、感染第2波が来てもパニック売りは一時的な現象に終わり、資産価格が実体経済を反映せず乖離する状況は続くでしょう。
中長期的な過剰流動性相場が続くことが予想されます。そしてそれにより、資本家の富は更に大きく増加し、中小企業事業者、個人事業者、非正規雇用者、フリーランス等の立場の人達は困窮が長期化することで、多くの国民が中間層から下層に下落し、相対的な貧困者数は国内でも継続的に大きく上昇することになるでしょう。
発展途上国は発展できない
発展途上国の多くは、このあと長期間に渡り発展ができず、低迷が続くことになるでしょう。新型コロナに対しては何もかもが足りていません。衛生、医療、水。全てが足りません。そして更には食糧危機も広がっています。
デモ、暴動は多発化し、治安は悪化する一方にあります。先進国各国は、自国のことだけで現状精一杯で、途上国に手を差し伸べる余裕などないのです。
ニューノーマルは “ 二極化 “ もひとつの大きなキーワードですので、この点を理解し、現状の自らのリスクが何処にあるかを考えた上で、行動することが大切です。
目をつぶってときが過ぎるのを待っていても、残念ながら、二極化問題はときが解決してくれるわけではなく、時間の経過とともに深刻さを増していくのです。自らが解決しなければいけない問題なのです。
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